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悪の組織はままならない!【第三部開始】  作者: 白洲晶
フリーヶ丘はままならない編
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3.超悪い子軍団とドキュメント

丁京都フリーヶ丘。

住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──

今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。


今回は各キャラの心情をフォーカスしてみました。

※作中の描写はフィクションであり、実在の番組とは一切関係ありません。

二○XX年、X月X日。

丁京都フリーヶ丘──その一角にある雑居ビルに、その組織は存在していた。

悪の組織、「超悪い子軍団」。その朝は、早い。

「悪を成すには規則正しい生活から。それも、悪の美学よ」

朝六時。朝食を作りながら超悪い子軍団のアレプトは言う。


「結局のところ、天使セラは天才と言われているけれど、その生活力は壊滅的よ。だからこそリーダーである私直々にメンバーの健康管理をするの」


そう語るアレプトの横顔は、どこか嬉しそうな顔をしていた。

「ふゎ〜、おはようアレプト様。今日の朝食は何?」

そう言いながら部屋から出てきたのは斥候のブエル。洗面所に向かいながら今朝のメニューを聞く。


「悪の組織に入った理由ですか?簡単ですよ、給料がよくて住み込みで働けるからです。家賃も浮くし、学校生活にも配慮してもらえるし、実家に頼らなくても生きていける──。そんなところが、超悪い子軍団の魅力なんです」


真っ直ぐな目で応えるブエル。理由は真っ当だが、真っ当な人間は悪の組織なんかに入らない、というツッコミはヤボだろう。

「……おはよう」

次いでリビングに入ってくるのはオティス。彼は日課の瞑想をした後に朝食を取るため、やってくる。


「超悪い子軍団に入った理由か。この腐った世を正す。それだけだ」


そう淡々と告げる彼の瞳には、仄暗い炎が宿っていた。

「ひー、まだセーフですよね?!」

寝癖をつけながらパジャマ姿で出てくるのは、グシオン。寝起きなのか、なにも準備ができていない。


「超悪い子軍団に入った理由ですか?よくぞ聞いてくれました!アレプト様は僕の力を百二十%引き出してくれるんです!こんな優秀な上司、尽くすしかないでしょう!」


グシオンは純粋な目で語る。彼の表計算ソフトの式は、汚い。

「さ、できたわよ。早く食べなさい」

今日の朝食はトーストに目玉焼きベーコン乗せ、グリーンサラダに牛乳という組み合わせだ。

いただきます、と全員で手を合わせた後、食事をしながらのミーティングが始まる。

「今日の悪事は「セールになった瞬間のケーキを買い漁る」よ。決行時刻は二十時。それまでは各々好きな時間を過ごしなさい」

「りょーかい」

「承知した」

「僕の計算では九十九%の確率で駅前のケーキ屋がセールを行うはずです!」

そうして朝食を取った後は、アレプトとブエルが学校へ出かける。食器を片付けたオティスにこの流れは当然なのか尋ねる。


「アレプト様は中学生、ブエルは高校生だ。大体は自由な時間を取れる大学生の私かグシオンが後片付けを行う」


見ると冷蔵庫には「当番表」が飾ってある。今週の当番は食器洗いがオティス、ゴミ捨てがブエル、トイレ掃除がグシオン、風呂掃除がアレプトとなっている。

「あれだけ僕たちのことを見捨てないでくれるアレプト様には感謝しかありません。だからこうやって僕たちは共同生活ができるんです」

トイレを掃除しながら答えるグシオンの顔は、どこか晴れ晴れとしていた。


夜、二十時。

超悪い子軍団がセールになった瞬間のケーキを買い漁る時間となった。

「さあ、ケーキを買い漁るわよ!」

コートを翻しながら歩き始めるアレプト。

そして、気づく。

「ケーキ、完売してるじゃない!」

そんな叫びがフリーヶ丘に響く。

彼らの悪事は、これからも続いていくだろう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

何故彼らが世界征服をするのか、少しはわかっていただけた回かもしれません。

不条理に耐えながらも、彼らの世界征服は続いていきます。

次回もどうぞお楽しみに!

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