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悪の組織はままならない!【第三部開始】  作者: 白洲晶
フリーヶ丘はままならない編
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3/57

2.超悪い子軍団とデスゲーム

丁京都フリーヶ丘。

住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──

今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。


今回は「デスゲームって実際やったらこうなるよね?」という

不条理ギャグ回です。気楽にどうぞ!


「ふふふ……ついにできました!」

夕方。グシオンは高らかに右手をあげ、アレプトに機械を見せる。

「見てくださいアレプト様!これこそが!超悪い子軍団特製!「デスゲーム部屋」のデータです!」

「へえ」

そんなアレプトは興味なさげにスマホで今週の限定スイーツ情報を探している。

「エレクサ、デスゲームを開始して」

「はい、わかりました」

アレプトに気にも止めず、グシオンは高らかに機械へ音声入力をする。すると機械は無機質な女性の声で返答をする。

「と! このように!エレクサ経由でデスゲームを開始できるわけです!」

「ただいまー」

楽しそうなグシオンを横目に、ブエルが帰宅する。

「あら、随分と遅い帰りじゃない」

「補習だったんだよ、あー、疲れた」

そう言いながらブエルは玄関扉のドアを閉める。

「鍵のロックを確認しました、これよりデスゲームを開始します」

「……え?」

無機質な女性の声が響く。

「え? デスゲームって何?」

「殺し合いだろう」

「バカね、これ、デモでしょ?」

「はい、今すぐ中止しますね」

各々が好き勝手喋り出す。そしてグシオンは機械を前に凍りつき、叫ぶ。

「緊急停止プログラム入れ忘れたあああああああ!!!!!!!!」

「「「はあああああああああ?!?!!?!?」」」

「バカ?! バカなの!! ねえ! バカ!!!!」

阿鼻叫喚と化す室内。すると先ほどの女性の声とは打って変わって、男の声がする。

「ようこそ集まってくださいました」

皆一斉にそちらを見る。

「私がこのデスゲームの主催者、天使セラです」

天使セラのホログラムが、そこにはいた。

「なんでよりにもよってあの男なのよ!」

「いや、ネガティブキャンペーンとして……」

「無駄に高性能じゃない!」

グシオンを締め上げるアレプトを放置しながら天使セラ(AI)は続ける。

「これから皆さんにはデスゲームをしてもらいます。最初のデスゲームは「毒入りのカップケーキ」です。ここに十個のカップケーキがありますね。ですが、その中の一つには致命的な毒が入っています。時間制限は五分です。選んでも選ばなくても、運命は変わりません」

そんな説明にぞっとする四人。気付けばカップケーキがその場にはあった。

「これ、マジで毒が入ってるの?」

「……それは食べてみないとわからないですね」

「何を言っているんだ。これはただのゲームだ。毒なんて入っていない」

「でも、万が一本当に毒が入っていたら?」

各々を不安が襲う。

「だから、それは食べてみないと…」

「時間が来ました。選んだ方はカップケーキを食べてください。そして、選ばなかった方も、ごめんなさい。デスゲームはこれからも続きますよ」

天使セラ(AI)が淡々と告げる。

「ええい! こんなのに屈しないわ!」

「俺も!」

「だから毒など入ってないだろう」

「僕の計算では九十九%の確率でこれが正解だっ!」

覚悟を決め、カップケーキを食べる超悪い子軍団たち。そしてそこには──


「「「グシオン!!!!!!!!」」」

口から泡を吐いて白目をむいているグシオンがいた。

「なによ! ガチじゃない!」

「では次のゲームです」

淡々と告げる天使セラ(AI)に痺れを切らしたかのようにアレプトは告げる。

「ゲームなんてやってられないわ! オティス! エレクサを壊しなさい!」

「承知!」

次の瞬間には、オティスが床に倒れていた。

「「オティス!!!!!!」」

「反逆とは困りますね……罰を受けてもらいました」

「なによ! デスゲームとしては本格的じゃない!」

アレプトは癇癪を起こし始める。

「どーすんのアレプト様、このままじゃ俺かアレプト様どちらか死んじゃうよ……」

「困ったわね、開発者(バカ)は初手死亡だし……」

頭を抱える二人をよそに、デスゲームは続く。

「次はデス爆発です。今から自爆するので死なないようにしてください」

「なっ……!」


有無を言わさず爆発するエレクサ! 巻き起こる爆風! 巻き込まれる一階のコンビニ!

瓦礫と化したビルの中からアレプトは這い出ると、こう叫ぶ。

「もうデスゲームは懲り懲りよ!」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

こんなデスゲームで世界征服ってどうするつもりだったんでしょうか。

次回はどんな不条理が出てくるのか。お楽しみください。


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