2.超悪い子軍団とデスゲーム
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
今回は「デスゲームって実際やったらこうなるよね?」という
不条理ギャグ回です。気楽にどうぞ!
「ふふふ……ついにできました!」
夕方。グシオンは高らかに右手をあげ、アレプトに機械を見せる。
「見てくださいアレプト様!これこそが!超悪い子軍団特製!「デスゲーム部屋」のデータです!」
「へえ」
そんなアレプトは興味なさげにスマホで今週の限定スイーツ情報を探している。
「エレクサ、デスゲームを開始して」
「はい、わかりました」
アレプトに気にも止めず、グシオンは高らかに機械へ音声入力をする。すると機械は無機質な女性の声で返答をする。
「と! このように!エレクサ経由でデスゲームを開始できるわけです!」
「ただいまー」
楽しそうなグシオンを横目に、ブエルが帰宅する。
「あら、随分と遅い帰りじゃない」
「補習だったんだよ、あー、疲れた」
そう言いながらブエルは玄関扉のドアを閉める。
「鍵のロックを確認しました、これよりデスゲームを開始します」
「……え?」
無機質な女性の声が響く。
「え? デスゲームって何?」
「殺し合いだろう」
「バカね、これ、デモでしょ?」
「はい、今すぐ中止しますね」
各々が好き勝手喋り出す。そしてグシオンは機械を前に凍りつき、叫ぶ。
「緊急停止プログラム入れ忘れたあああああああ!!!!!!!!」
「「「はあああああああああ?!?!!?!?」」」
「バカ?! バカなの!! ねえ! バカ!!!!」
阿鼻叫喚と化す室内。すると先ほどの女性の声とは打って変わって、男の声がする。
「ようこそ集まってくださいました」
皆一斉にそちらを見る。
「私がこのデスゲームの主催者、天使セラです」
天使セラのホログラムが、そこにはいた。
「なんでよりにもよってあの男なのよ!」
「いや、ネガティブキャンペーンとして……」
「無駄に高性能じゃない!」
グシオンを締め上げるアレプトを放置しながら天使セラ(AI)は続ける。
「これから皆さんにはデスゲームをしてもらいます。最初のデスゲームは「毒入りのカップケーキ」です。ここに十個のカップケーキがありますね。ですが、その中の一つには致命的な毒が入っています。時間制限は五分です。選んでも選ばなくても、運命は変わりません」
そんな説明にぞっとする四人。気付けばカップケーキがその場にはあった。
「これ、マジで毒が入ってるの?」
「……それは食べてみないとわからないですね」
「何を言っているんだ。これはただのゲームだ。毒なんて入っていない」
「でも、万が一本当に毒が入っていたら?」
各々を不安が襲う。
「だから、それは食べてみないと…」
「時間が来ました。選んだ方はカップケーキを食べてください。そして、選ばなかった方も、ごめんなさい。デスゲームはこれからも続きますよ」
天使セラ(AI)が淡々と告げる。
「ええい! こんなのに屈しないわ!」
「俺も!」
「だから毒など入ってないだろう」
「僕の計算では九十九%の確率でこれが正解だっ!」
覚悟を決め、カップケーキを食べる超悪い子軍団たち。そしてそこには──
「「「グシオン!!!!!!!!」」」
口から泡を吐いて白目をむいているグシオンがいた。
「なによ! ガチじゃない!」
「では次のゲームです」
淡々と告げる天使セラ(AI)に痺れを切らしたかのようにアレプトは告げる。
「ゲームなんてやってられないわ! オティス! エレクサを壊しなさい!」
「承知!」
次の瞬間には、オティスが床に倒れていた。
「「オティス!!!!!!」」
「反逆とは困りますね……罰を受けてもらいました」
「なによ! デスゲームとしては本格的じゃない!」
アレプトは癇癪を起こし始める。
「どーすんのアレプト様、このままじゃ俺かアレプト様どちらか死んじゃうよ……」
「困ったわね、開発者は初手死亡だし……」
頭を抱える二人をよそに、デスゲームは続く。
「次はデス爆発です。今から自爆するので死なないようにしてください」
「なっ……!」
有無を言わさず爆発するエレクサ! 巻き起こる爆風! 巻き込まれる一階のコンビニ!
瓦礫と化したビルの中からアレプトは這い出ると、こう叫ぶ。
「もうデスゲームは懲り懲りよ!」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
こんなデスゲームで世界征服ってどうするつもりだったんでしょうか。
次回はどんな不条理が出てくるのか。お楽しみください。




