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悪の組織はままならない!【第三部開始】  作者: 白洲晶
デカ井町線はままならない編
37/46

34.ハマリエルと敵情視察

丁京都フリーヶ丘。

住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──

今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。


一方、正義の味方ハマリエルは、

超悪い子軍団お手製の乙女ゲームをプレイしていた。


「何をしているんだこの正義の味方は」と思った方。

──これは敵情視察です。


彼女の(大変な)敵情視察をお楽しみください。


「これは敵情視察なんだから……!」

ハマリエルの前の画面には「ときめき世界征服」というゲームが表示されていた。

聡明な読者の皆様なら察しがつくであろう。これは超悪い子軍団が資金繰りのために開発した乙女ゲームである。Strom(ストーム)限定販売、値段は1000円。ちなみに評価は「非常によくない」がほとんどである。

「相手の心情を理解できれば対策だってできるんだから……!」

そう言い画面の「New Game」をクリックする。

ちなみにハマリエルはゴリゴリの乙女ゲーマーである。


今日から私は超悪い子軍団に入団することになった。緊張するなあ……!


「そういう流れなのね。ふぅん……」

ハマリエルは画面をクリックする。


アレプト「あんたが新人ね!まずは意気込みを聞かせなさい!

▶︎がんばります

▶︎信条を言う

▶︎初任給はいくらですか


「これは……信条を言うが一番好感度高いでしょうね」


▶︎自分の悪の美学を言う

▶︎世界をめちゃくちゃにしたい

▶︎アレプト様に忠誠を誓います


「まだ選択肢あるの?!うーん、あいつら、やってることがめちゃくちゃだもん……世界をめちゃくちゃにしたいでいいかな……」


アレプト「そういう破壊主義者はお断りよ。帰りなさい」

〜BAD END〜


「なんで?!理不尽すぎない?!なんなの?!」

思わずマウスを放り投げそうになるが抑える。もしかしてこれはクソゲーでは……?

「いや、そうと決まったわけじゃないわ!全クリしないと評価ってできないし……」


アレプト「忠誠を誓うだけなら言葉だけでできるのよ!」

〜BAD END〜


オティス「その美学は私と被っている、切り捨て御免……!」

〜DEAD END〜


グシオン「がんばるだけだったら誰でもできますよ」

〜BAD END〜


「なんで初手初任給が正解なのよ!」

ハマリエルは思わず台パンをしてしまいそうになる。ダメだ。MOBAより理不尽だ。そう思う。


アレプト「正直なのは嫌いじゃないわ!じゃあまず入団テストよ!ご飯を作りなさい!」


そうして始まったのは料理制作のミニゲーム。タイピングをして料理を作っていく形式なのだが、異様に入力時間が短い。

なぜならグシオンの入力速度がデフォルトになっているからだ。


ブエル「食材を台無しにするのはダメだと思うよ」

〜BAD END〜


「なんなのよ、もう!」

キーボードを投げたくなる。数十回試したところで合格となった。

「これで、やっと攻略開始……」

そう思いセーブをしようとセーブ画面を開く。

「……なんでセーブデータ一個しか保存できないのよ!」

そんな叫びが、フリーヶ丘に響いた。


「そういえばあのゲーム、売り上げどうなの?」

「順調ですね、評判は最悪ですが!」


クソゲーを作らせれば天下一品。

セーブデータが一つしかないのは、さすがに酷い仕様ですね。


敵情視察というのは、いつも大変なものなのです。


そして本日は、この回に加えて最終話も更新しています。

ぜひ最後までお付き合いください。


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