33.超悪い子軍団と服役
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そして──服役していた。
創造破壊デザニウム編、ラストです。
ままならなさを、ご堪能ください。
超悪い子軍団は服役していた。
理由は明白。創造破壊デザニウムとの戦闘は申請書を出していなかったため、悪の組織法第二十四条違反として一日の禁固刑を受けることになったのだ。
「あーあ、暇すぎ。スマホも没収されたし……スマホあればポイ活で時間潰したのに……」
「ぽいかつ?」
「ポイポイ稼げてカツカツになるの略ですよ」
「そこ、嘘教えないの。でも娯楽がない以外は過ごしやすいわね」
禁固刑といえどもただ活動を停止させられるだけである。電子機器類の持ち込みは禁止だが。
「ご飯もグシオンの料理よりは美味しいし、スマホがない以外は文句ないんだけどなあ」
「僕の料理は量より質ですから」
「栄養バランスはいいのに味が最悪なのよ、あんたの料理は」
そう言いながら各々が好き勝手に過ごす。
もはや禁固刑とはなんなのか。この国の法律って結構ガバガバだよな、とブエルは思う。
「それはそうと、絵心たちはどうなったんだ」
「即有罪。悪の組織法って普段の見逃しが結構多い分、やらかした時の反動が大きいのよ。まあ五、六年は出てこれないでしょうね」
「すごいガバガバなんだなあ……」
「そうじゃなきゃ街を壊したりしないわよ。まあ今回は申請周りのが大きいみたいだけど。……っていうか私たち以外に応戦したやつら、正義のやつらばかりだから投獄されてないわね」
そもそもNico×Jumeauxをはじめとした他の街の悪の組織は戦闘を得意とするものが少ないので当たり前ではあるのだが。上模毛へ向かったのは超悪い子軍団だけだったようだ。
「まあ街も更地になってるし捕まっていなくてもやることないわよ。多分街に出てたら復興ボランティアに参加させられてるわよ」
「だったら投獄されてるのが正解かも」
「ですね。そういえばそちらはどうやって勝ったんですか?」
「相手の自爆よ。やっぱり自我を持ってない悪の組織はダメね」
「超悪い子軍団、面会だ」
ダラダラと話していると看守が声をかけてくる。
「面会?」
「この状況だもの、ろくなやつじゃないでしょうね」
そう言いながら面会室に向かう。
「こんにちは、一日ぶりですね」
天使セラがいた。
「〜っ、あんたね!どの面下げてここに来てるのよ!」
アレプトの怒りが頂点に達する。
「まあまあ、私はあなたたちのことを評価しているんですから。思想の低い悪の組織を潰してくれたお礼です」
そう言うと小切手を差し出してくる。そこには一千万円の文字が書かれていた。
「いらないわよ!あんたのためにやったわけじゃないんだから!」
「これを見てもそう言えますか?」
次に取り出したのは損害賠償金と書かれた紙。そこには一千万円と書かれていた。
「……相殺してちょうだい」
「覚えがよくて助かりますよ。ではそれだけですので」
そう言って天使セラは立ち去ろうとする。
「そういえば」
そう言って振り向き、グシオンへ尋ねる。
「あれは何故手にしてたのですか?」
「……勘です。必要になると思って」
「そうですか。……ではこれで」
そう言って今度こそ立ち去る。
「あれって何?」
「なんでもありません。戻りましょう」
そう言って日常へと戻っていくのだった。
何事も、ままならない。
法律違反は等しく処罰される。
それが、この世界のルールです。
『悪まま』らしさが詰まった回でした。
そしてその裏で、ハマリエルは何をしているのか。
次回は明日更新です。お楽しみに。




