30.超悪い子軍団と悪の美学
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい悪の組織が存在していた。
そして、悪同士の衝突が起ころうとしていた。
創造破壊デザニウム編、開幕です。
「グシオン、絵心のやつはどこ?!」
「待ってください、GPSのハッキングに手間取っていて……」
超悪い子軍団は上摸毛へ向かって走っていた。
悪の組織のリーダーは、組織立ち上げ時にGPS機能の入ったマイクロチップを身体に埋め込まなければならない決まりとなっている。
「暗号化が複雑になっている……!一体誰が……」
「あたしだよ」
一組の男女が目の前に現れる。
「アレプトってやつはお前だな!お前らをボコボコにして連れてこいって師匠に言われてんだ!」
「依怗様の野望のために、ぶっとばしてやるよ」
「……アレプト様、こいつらだよ!俺の学校に来た奴ら……!」
「……雑魚がイキるわね、名前だけ聞いてあげるわ」
そうアレプトが言うと、男と女は溜息を吐く。
「名乗り口上?っていうの?ダッセーと思わねえ?まあ聞かれたからにはやってやるけど。」
そう男が言った途端、オティスの片眉が上がる。
「破壊はアート!バロック!」
「魅惑こそアート、クロード」
「……一つ問おう、お前たちにとって、悪の組織とはなんだ」
オティスが静かに言う。
「ああ?そんなの単純だ。手段でしかねえ」
「依怗様の志は悪の組織なんてショボい器になんて納まらない。だから全部壊すのさ」
「……話にならない。悪の組織を手段にしている時点であんたたちに私たちが負けるわけがない」
呆れたようにアレプトは言う。
「悪役の芯がないやつらに、街を支配する資格も、悪の組織を名乗る資格もないわ」
「……悪の美学、その一」
オティスが刀を構える。
「己の信条を信じる」
そのまま踏み込み、バロックへ刀を降り下ろす。バロックは余裕でその刀を手持ちの彫刻刀で跳ね返す。
「悪の美学、その二!」
ブエルがオティスへ殴り掛かろうとするクロードにキックをする。
「志が折れた時こそ真の敗北!何回負けても心が負けてなければ勝っている!」
クロードはそのまま態勢を立て直す。
「悪の美学、その三!」
パソコンのキーボードを叩きながらグシオンが叫ぶ。
「信念を強く持て、己の力を信じろ!」
「グシオン、特定できた?」
アレプトは問う。
「ええ、大体の位置は特定できました」
「わかった、あんたはそのまま行きなさい。こいつら結構厄介。絵心はあんたに任せるわ」
「僕に、ですか?」
「ええ、あんたは頭脳担当。力では負けるかもしれないけど……あんたの頭脳は世界一。あんたならどうにかできるって私は信じているから」
「……わかりました」
「悪の美学、その四!」
アレプトが言う。
「仲間を信じ、仲間を頼る!仲間意識のないものに世界を統治する資格はない!」
「私たちは己の唯一の信条を持っている」
「でも俺たちは負けたなんて一度も思ったことない!」
「僕たちの信念は、誰にも負けません!」
「そしてそれが信じるってことよ!」
「私たちが」「俺たちが」「僕たちが」
「将来の世界の支配者、超悪い子軍団よ!」
悪の美学。
これがあるから超悪い子軍団には結束がある。
そんな回でした。
次回は明日更新、VSバロック、クロード戦です。
引き続きよろしくお願いします。




