31.超悪い子軍団と共闘
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい悪の組織が存在していた。
今回は、バロック、クロードとの対決。
互いの美学が、真正面からぶつかります。
その結末を、ぜひ見届けてください。
オティスは無言でバロックへ刀で斬りつける。
バロックはヘラヘラした態度でその刀を避け続ける。
アスファルトがザラザラとした音を立てる。
「なんだ?太刀筋が見え見えなんだよ、雑魚はそっちじゃねえか」
「敵が一人だと思い込んでるあんたにそのままお返しするわ!」
奇襲をかけたアレプトは踵落としを喰らわせる。そんなアレプトにクロードが襲いかかる。
「お前の相手は俺だっての!」
それを阻止するためにブエルが斬りかかる。
「へえ、案外やるじゃないか、本気を出すには十分な相手だね」
「クロード、俺らも手加減なしでやるぞ」
「ああ、そうだね」
そうして二人は体勢を整える。
「ここからは一切の手加減なしだ」
「待ちなさい」
光の筆跡が一筋、走ると共に、その場に凛とした少女の声が響く。
「世界を彩る光の魔法少女━━マジカル⭐︎パレット。超悪い子軍団、援護するわ」
「マジカル⭐︎パレット!お前も待っていた!師匠からお前を壊していいと言われていてな!」
「あたしたちの芸術の否定、返させてもらうよ」
「えっと、マジカルパレット?」
「マジカル⭐︎パレット。ちゃんと星を入れて。」
「あ、ごめん……えっと、君がきたのは、天使セラの指示?」
「違うわ、これは私の独断判断。私の愛する街を壊すなんて許せない」
「正義の味方の援護なんて癪だけど……今はそんなこと言ってられないわね、頼むわ!」
そう言うと四人は攻撃体勢へと移行する。
静寂が場を支配する。
そして、地を蹴る音が開始の合図だった。
オティスは迷いなくバロックへと斬りかかる。バロックは彫刻刀で器用にその刃を取る。
「一つ問おう。何故お前は刃を振るう」
「そんなの簡単だ。師匠の意思を刻むためだよ」
「……貴様の刃は鈍っている。他人の意思のために振るう刃など価値はない」
オティスがそう言うとバロックは目を見開く。
「っ、お前が、凡人がアートを否定するな!」
そう言い乱雑に彫刻刀を振り払う。
「刀持ち!」
マジカル⭐︎パレットは咄嗟に筆を振い、光の壁を作る。
バロックはその壁を執拗に彫刻刀で刻み続ける。
「師匠は俺の目標なんだ、師匠ができない細かい作業も俺の手にかかれば一流品に仕上がるんだ、それを否定するな、アートもわからない凡人がァ……!」
「マジカル⭐︎パレット、絵心の作品発表頻度は?」
「え?確か一週間に一度くらいだったかと」
「なるほどね、あいつは手が回らない作品は部下に作らせてたのね」
アレプトは以前から疑問に思っていた。絵心はあまりにも作品発表頻度が高かった。
「あんたたちね、利用されてたのよあいつに。あいつは人すら作品として扱うやつよ。あんたたち、道具としてしか見られてないのよ」
「黙りな、小娘がァ!」
ブエルと戦っていたクロードがその言葉を聞いて豹変する。そしてアレプトへと襲いかかる。
「やっぱり雑魚よ、あんたたち」
アレプトは冷静にクロードの顎を蹴り上げる。
「信念を持ってない奴らに負けるわけない、って言ったでしょ。キレるってことは図星じゃないの。マジカル⭐︎パレット。今のうちにこいつ、拘束して」
「わかった」
「ブエル、あんたは……いや、待機よ。オティスに任せましょう」
「了解」
二人の視線の先には刀を撃ち込み続けるオティスの姿があった。
「確かに私はアートの良し悪しなどわからない。しかし一つ言えることがある。━━貴様のその従順なキャラ、私と丸かぶりだ」
「何意味わからないこと言ってるんだよ凡愚がァ!キメエんだよ!」
「……見えた」
一瞬間を取ったオティスが、峰でバロックを撃つ。
勝負は決まった。
「ボスに従順なイケメンキャラは私だけで十分だ」
「……まあオティスらしいというか……」
「マジカル⭐︎パレット、あっちも拘束お願い」
「わかったわ」
そうして創造破壊デザニウムの部下二人の沈黙に成功したのであった。
超悪い子軍団の勝利。
揺るがない信念(というには、少しねじれている部分もありましたが……)は、やはり強いものです。
そして次は、グシオン。
彼がどう絵心に対峙するのか。
次回更新は明日です。お楽しみに。




