27.超悪い子軍団とイベント
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
なんと、超悪い子軍団の行う悪事がとうとう判明します。
ごゆるりとお楽しみください。
「……ない」
「ありませんねえ」
「まったく、どこ行ったのよ……」
「何探してるの?」
休日。ブエルが十一時に起きてリビング兼会議室に入ると、探し物をしている三人を見つける。
「ブエル、ちょうどいいところに」
「人手がほしかった」
「いや……なに探してるか教えてくれないと」
「ゴミだ」
「ゴミィ?」
「ちょっと!ゴミじゃないわよ!」
アレプトはぐい、と前へ踏み出すと高らかに言う。
「あんたたちが捨てた浜崎花のパン祭りのシールよ!」
「え?シール?」
「パン祭りの景品がですね、アレプト様の好きなモティくんのぬいぐるみなんですよ」
「だからゴミを漁っている」
「自分の分や朝食の分は集めてたけど、あんたたち個人が食べてる分までは気づかなかったわ……!不覚よ……!」
「メリカリで買えばよくない?ほら、出品してる」
「バカ!転売ヤーから買うわけないでしょ!そもそも転売は法律違反よ!」
「悪の組織なのに法律気にするんだ……」
「犯罪は一発アウトですからねえ」
街の破壊も犯罪では?と言おうと思ったがやめておいた。
「仕方ないわね……今日の悪事は浜崎のパンを食べてる人を襲う、よ!」
「犯罪じゃない?」
「犯罪じゃないわ、悪事よ。ほら行くわよ!」
そうして街へと繰り出すのだった。
フリーヶ丘の駅の正面ロータリーでは、都合よく浜崎パンがイベントを行っていた。
「ちょうどいいわね、あれを襲うわ!」
「一つください」
「はい、どうぞ」
「ブエル、何をしている!」
「え?襲うよりパンを独占したほうが悪の組織っぽくない?」
「確かに……合理的ですね」
「なかなかいい考えね。そこの!ここがフリーヶ丘、『超悪い子軍団』の領域としってやってるの?いい度胸ね!そのパン、━━全部よこしなさい!」
「ヒィ!」
浜崎の社員は残りのパンを大量に差し出す。
「ふふふ、これでポイントが貯まったわ……!」
「ねえアレプト様、このパンどうするの?俺たちだけだと食べきれないよね?」
フードロス。それは社会現象として問題となっている。
「流石に食べ物を粗末にするのはやりすぎだと思うんだけど」
「ぐっ……それもそうね……」
「そうですね、ではこうしましょう」
グシオンがメガネをあげる。そして━━
「超悪い子軍団!また悪事をやってんだってな!」
「今日こそ倒しま……」
「……何か配ってる」
超悪い子軍団が現れたと聞いた処女機構は現場のロータリーに駆けつける。するとそこには━━
「食べれる分だけ持って行きなさい!」
「はい、どうぞ」
「僕の計算ではこのパンをオーブンで焼き、焦げ目をつけることで美味しさが五倍になります!」
「……食え」
超悪い子軍団が、パンを配っていた。
「あともう少しよ!気を張りなさい!」
アレプトが声を張る。
「……なに、あれ」
「パン配ってる」
「やりぃ、あたし、貰ってくる!」
そうして無事に超悪い子軍団は悪事『イベントを乗っ取る』を平和に終えたのだった。
前回の不穏は一体なんだったのか。
そう思うくらい、全力でバカをやっています。
これが悪事かどうかは……まあ、各自の判断にお任せします。
ただ一つ言えるのは、ここからまた物語が動き出すということ。
次回更新は水曜です。お楽しみに!




