26.魔法少女と街の不穏
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そんな中、上模毛の正義の味方、マジカル⭐︎パレットは一つ、何かを気にしていた。
不穏が動き出す、そんな回です。
上模毛の魔法少女、マジカル⭐︎パレットは悩んでいた。
━━創造破壊デザニウムは、本当に悪事をやらかすのかと。
普段行う悪事といえば、悪趣味な石膏像や絵画を街に飾ること。それだけだ。
フリーヶ丘のように街に被害が出ているわけではない。
しかし、マジカル⭐︎パレットには一種の不安があった。
「いまはまだ、ほぐすとちゅう」
創造破壊デザニウムのリーダー、絵心依怗の発した言葉。
彼女はそれ以上語らなかったが、その語らなさが逆に不気味さを煽っていた。
そんな不安をよそに、マジカル⭐︎パレットは自分の拠点である美大の一室へ行く。
……普通の正義の味方は、複数人でグループを作るのが普通だ。しかし、マジカル⭐︎パレットは一人で行動していた。
それは彼女が持つ魔法のパレットと筆が、天使セラ特製のものであり、使い主を選ぶタイプの魔術具だったから。
「……ふう」
変身を解き、卓上へパレットと筆を置く。
今日の仕事は絵画の撤去作業だった。
スケッチブックを取り出し、石膏像をセットする。
そうして、無心でスケッチを行う。
これは、マジカル⭐︎パレットの精神統一のための行動であった。
わかっているのだ。絵心依怗のアートは理解ができない。選ばれしものにしか理解できない、諸刃の剣だ。
しかし、一部の狂信者の間では、彼女の作品は信じられない高額で取引されている。当の本人は、気にせずにアートを作り続けるだけ。
鉛筆が止まる。ふと、思い至ってしまったのだ。
彼女が、街をほぐす準備が完了したら、この街は一体どうなってしまうのか。
以前の会議でハマリエルは悪の組織は普通街を破壊するものだ、と言っていた。現に超悪い子軍団は街を日常的に破壊している。
しかし、だ。もし絵心が、街を理想の姿に“ほぐす”ために壊すことを始めたら━━背筋がゾッとした。
彼女の力は未知数だ。下手したら、自分だけでは止められないかもしれない。
そう考えると、近隣の正義の味方とのコネを作っておくべきかもしれない。
また、自身のパレットと筆も強化する必要があるかもしれない。
そんな恐怖を抱きながら、絵を描き続ける。
絵は、恐怖からか線がブレていた。
物語はここから少しずつ「ほぐされて」いきます。
絵心は一体何を考えているのか。
まだほんの序章にしかすぎません。
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次回更新は明日、22日です。
こっちは不穏なのにバカをやっている回です。
お楽しみに!




