八十一話 金髪の人物
「構わんが、何故だ?」
あれ?夜乃が巻き込まれたなんたらこうたらしないんだ。
まぁ、助かるけど。
「実は家にgiveがいるんですよ」
「だ、大丈夫なのかね?!」
「もちろん、いると言っても寝ているので」
「そうか」
「giveが起きる前に帰りたいので帰りますね、急きょこんなお話をしてしまってすみません」
「気にするな、揉み消しぐらいはできる」
そうして俺と夜乃は部屋を出て門を目指して歩く。
「それにしても、giveを助けたね?なんで?」
夜乃のためとは言えないし、言ったところで言い訳にしか聞こえないだろう。
なら嘘言うしかない。
「giveから能力者のこと聞きたいからかな?」
「なんで疑問なの?全く、まぁ、そういうことにしておいてあげる」
「ありがと」
門を抜けるとすぐに門番から死角になるところで能力を使い、家の玄関に移動する。
そして俺はすぐにgiveが寝ている部屋に向かう。その後ろには夜乃もついてきている。
ガチャ
「見ていたけど、起きてないよ」
「だ、誰?!」
夜乃は驚く。
giveが寝ているベットの横でgiveのことを監視している金髪の人物がいたから。
「なんでいるんだが、エミルだったけ?」
「そうです、ちょっとお話が」
「わかった、夜乃、giveが起きるか見といてくれ」
「でも起きて、私に被害が…「ないから、大丈夫」
「俺も気づくから」
そう鉄冶は言い、エミルと出て行く。
「あとでどういう関係か聞こう」
その夜乃の発言は聞こえていなかったみたいだ。
「防音対策したよ」
「助かる」
「んで、なに?なにか重大なことがあったのか?」
「そうだが、その前に神となったらどういう権利を得られるか知っているか?」
「うーん、確か…世界の移動」
「そう、でも私はまだ成り立てでまだ使えない」
「ん?」
鉄冶はおかしなことに気づく。
「ならなんで来れてるんだ?」
そのとおりだ。
「なぜならここがゲームの中であるから」
「は?」
「ゲームの中と世界は違うから私が来れてるんだ」
「なるほど、で話って?」
「早くしないとゲームが終わってほぼ死んだようなことになるぞ」
「は?どういうこと?」
さすがにわからない。
エミルはさも当然の如く説明する。
「?となるのはわかる、鉄冶はもともとモブキャラだ、そして裏では関係があってもゲーム観点でみたら主人公視点だ、だからその関係はないように扱われる、つまりモブが変わろうがエンドロールがきたらそこでなにも描写されなくなる、つまり死んでいることと同じだ」
「しかしそれはゲームだからではないか?」
「ああ、ここがゲームの中だから可能なのだ、だから鉄冶に二つほど選択肢がある、一つ、私と一緒にこのゲームから脱出する、二つ、主人公を主人公ではなくすこと、つまり殺害も含まれる」
「そういうことか」
裏でどんなに頑張っても主人公である研信にエンドロールが流れた時にモブキャラは登場しない、つまり死んでいることと同じ。
だからそんなことを防ぐための案なのか。
でも脱出するということは多分夜乃と一緒にとはいかないと思う。
「エンドロールまであと何日ある?」
だから俺はあと残された時間を聞く。
「私の目測で一週間あるかないか」
「そうか」
「私からしたら残念としか言いようがない」
「残念?」
「主人公が変わればゲームではなくなり世界になるから、私がそうだったから」
「つまりエミルはもともと…「ああ、ゲームのキャラだったさ、そしてヒロインだったから主人公のことは好きさ、でも選ばれなかったから私はここにいる」
「いわゆる負けヒロインということか?」
「そうとも言うな、ああそういえば、5日後にもう一度ここに訪れる、そのときに決断を聞かせてくれ」
「わかった」
鉄冶は防音するのをやめ、夜乃のところへ向かう。
その背後からこう聞こえた。
「自分を信じればすべては答えになる」
そんなことをドジな神が言った。




