八十話 「私のためなのね」
「よく来たな」
「すみません、事前にしてなくて」
「別に構わん、それより話があるんだろう?」
「はい」
「鉄冶」
「なに?夜乃」
「私もいた方がいい?」
「居た方がいい」
だって夜乃の実家、お義父さんのところに力を借りにきているのだから。
夜乃には居てないと困る。
そうして和室の一室は俺とお義父さんと夜乃だけになる。
「実は私達の学校にエゴイストが襲撃してきました」
「なに?!夜乃大丈夫か?!」
「私は大丈夫ですよ、鉄冶が助けてくれましたから」
「そうかってどうやって?」
「こういうことです」
液状の鉄が現れて机の上に槍が作られる。
「つまり鉄冶君は能力者ということか?」
「はい」
「エゴイストなのか?」
「なぜそうなるのでしょう?」
「ああ、能力者の大半はエゴイストに入っているからな」
「それなら入ってましたよ、でもスパイとしてね」
「何故だ?入る理由がないだろう?」
「前々からエゴイストの行動が気になっていましてね、夜乃に万が一のことがあれば困りますから」
「私のためなのね」
「ああ、だって夜乃は俺にとって一番大事な人だから」
「鉄冶…」
「ゴホンッ!」
お義父さんがわざとらしく咳払いをする。
恋人らしい雰囲気になっただけなのに。
「能力者のことなのだが使いすぎで暴走するとかいうことがあるみたいなのだが鉄冶君は大丈夫なのか?」
さすがお義父さんだ。よく知っている。
「私はそこらの能力者とは違いますから」
俺は笑顔で応える。
だって能力の制御はできて当たり前みたいなところで育ったから。
前世に。地獄だと思ったがそのお陰で今楽ができているのだ、結果オラーイだったな。
「そうかならいい、で本題はなんだね」
「お願いです、エゴイストの襲撃を無かったことにしてくれませんか?」
俺は本題に入ることにした。
このために最短できたのだから。




