七十四話 giveは頭を抑える。
それは静かに始まった。
最初はgiveの槍を避けた中原君の攻撃で決定した。
他の人は体育館の隅に逃げて巻き添えにならないように見ている。
私もその一人だ。
エゴイストの方もgive以外は他のところかもしくは静観している。
そこには違和感なんて感じなく、ただただ中原君とgiveの戦いを眺めているだけだった。
(きついな)
戦いながら思ってしまった。
これが気の緩みだ。
その一瞬でgiveのなにかが変わった。
急にペースが早くなり捌くのが難しくなる。
相手は槍を宙に浮かせ、遠隔と本体での拳での戦いだが俺は拳一つである。
槍を避けて柄のところを拳で叩き落として捌いていく。
さすがに叩き落としたのは操れないのか消滅していく。
「うぉぉ!」
捌けない数が来て避けるとgiveは後ろに跳ぶ。
なにがあったとgiveの方を見ると異変に気づいた。
「そんな……うぐぅ!」
giveは頭を抑える。
辛そうだ。動揺の隙に周りを見るとエゴイストも驚いている。
どうやら予想外のことがあるみたいだ。
急にgiveが頭を抑え出した。
なにがあった?と思うが、体育館からドタドタと足音がする。
そちらの方を見ると屋上であった茶色の人だった。
茶色の人はgiveの方を見ると、一瞬驚いたのか口を少し開けるがすぐに閉じる。
「85!」
茶色の人は急に大声で響くように言う。
「なんでございましょうか?」
オレンジの人が茶色の人の前に現れると茶色の人はこう言った。
「結界に近づいてきている男をgive様の前に出せ」
なにを言っているのか分からなかったが、
「なぜでしょう?」
オレンジの人も同じみたいだ。
「あれはgive様が暴走する一歩手前なんだ、だから直すしかないだろ、だから必要なんだ」
「はっ」
事態が重いのかすぐに判断したのか、オレンジの人はその場でなにかしていくが顔が険しくなっているのがわかるほど眉間にシワをよせていることに気づく。
「一体どうした?」
「能力が使えません」
「なに?本当か?」
「その通りでございます」
会話を聞いている限り問題の対処ができないみたいだ。
もう一度giveの方を見るとみるみると姿が変わっていく。
その姿は触手が生えた肉塊でできた二メートルの梟になっていた。
気味が悪い。
目は血に濡れたように真っ赤で足の爪は刺されれば一生抜けないのではないかと思わせるほど鉤爪になっている。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
その姿は他の人は倒れたり金切声を上げたりしている。当たり前だ。
私だって奇跡的にまだ耐えれているのだから。
中原君はただ呆然と立ち尽くしているだけだった。




