七十三話 giveの能力
「なぜここにいるんだ!?」
中原君は体育館中に聞こえる大きな声で聞く。
私達以外にも体育館には人がいるからわざとそうしたのだろう。
「簡単だよ、ここを襲撃しに来たに決まっているじゃないか、そしてここから逃げようとしても無駄だよ、他にも来ているから」
冗談ように聞こえない。
本当のように聞こえてgiveであることも真実であるようだった。
「一体なにが目的だ!」
中原君は気付いても質問を続ける。
まさか時間を稼いでいるのか。
でも戦っても勝機はない。
いや、鉄冶なら勝てる。
でもここにはいないはずだ。
「目的は能力の鈴を手に入れること、そして中原研信、貴様をスカウトすることだ」
「そもそも能力の鈴というのがわからないな」
中原君は生意気な感じで言う。
「まぁ、当たり前だな、85来い」
「は」
どこからかgiveに近くにオレンジ色の服を着た人が現れる。
「なんでございましょうか?」
「いつも通りに頼む」
「御意」
そうオレンジ色の人が言うと体育館から見える窓は暗くなり夜になる。
その夜の暗闇は外部からの干渉を受け付けていないように感じてしまう。
「話が逸れたが言わせてもらおう、能力の鈴とは能力の効果を上げれるとてもいいものなのだ、能力とはこのようなことだ」
giveの周辺から槍がなにもない空間から生まれる。
これが能力であることかのごとく。
でも私は違和感を持った。
十分におかしなことが起こっているが鉄冶みたいにとても逸れた現実ではないと思う。
ん?
なんで私は鉄冶が能力を持っていると思っているの?
おかしい。
鉄冶はいつも助けてくれていつも心配させてばかりででも鉄冶は隠していることがある。
まさかーー鉄冶も能力を持っている?!
でもこれは考えでしかない。
しかしなぜか間違いではないと思う。
なんでこのような思考回路にいったたのか私ですらわからないがそう思ってしまう。
「このようなことを能力というんだ、他にもあるがな」
けれども打開策はないのだ。
すると急に体育館のライトが光る。
さすがに暗すぎたのか誰かがつけたみたいだ。
その槍がはっきりと見えて、私は冷や汗をかく。
明らかに人を殺せるようなやつだから。
「私の能力は槍を生み出すだ」
「困ったな」
俺は能力の鈴を手に包んで体育館が包まれた闇を見ていた。
あれはエゴイストのみしか行き来できない空間だ。
だから俺は通れるがそれは俺がエゴイストであることを示しているのだ。
困っているのはそこでない。
あの中には夜乃もいるから心配なのだ。
訂正、俺は行き来できない。
俺が18036ならいけるだろうが今は深影鉄冶としているのだから無理なのだ。
だからといって体育館に入る方法がないわけでもない。
簡単だ、giveの血だ。




