五十八話 移動
「遅刻はないな、では注意事項を話していく」
学年主任はそう言いさらに生徒の足をいじめてくる。
朝早くから学校の門近くに並べ座らさせられたためあくびをしながら聞いている生徒がだいぶを占めていた。
俺は注意事項の話は聞かずにただこうして心で話しかけているだけだ。
正直、俺は足は痛くない。
「では向かうぞ」
どうやら話が終わったみたいだ。
修学旅行先まではバスから新幹線を使い向かうことになっている。
ここはゲームでも会話が入ってきて確か研信は足が痛いなとかヒロインしていたはずだ。
あくびを立ててバスに移動していく。
話は変わるがバスは一号車、二号車、三号車と分かれておりそれぞれ各班に分かれていく。
席は俺が通路側で横は夜乃、後ろは走となっている。
グゥー
バスが出発する前に走は寝てしまう。
「フフ、もう寝てしまってね、鉄冶」
「ああ、でも夜乃も眠いでしょ?」
他の人に聞こえないように会話をする。
聞かれてしまうと勘づかれそうになるから。
「よくわかってるね」
「そりゃあそうでしょ」
「そうだね」
バスが出発した直後ぐらいに夜乃も寝てしまう。
可愛いともちろん思うが俺以外には見せたくないと思ってしまう。
ゲームではこんなに安心して寝ていないのだから見せたくない。
水上夜乃、ゲームなら暗いエンドを迎えるヒロイン。それを変えようとして俺はここまでしてきた。
すでにゲーム通りにはなっていないがただ怖いのがエゴイストだ。
それが怖い。
エゴイストと戦えば勝つが夜乃へのショックがあるかもしれない。
夜乃はゲームではクーデレであり親友である六道さんなどに優しい。仲間想いだから俺は怖い。
心配しているからこそ怖いのだ。
バスに揺られ続けてもう少しで駅に着きそうなので起こそうとするが揺れてしまい夜乃の肩を揺らすはずがずれて研信が起こしそうなことをしてしまった。そして悪いことに夜乃がそれで起きてしまった。
「おはよう、もう駅に着くよ」
「そうで、この手はなに?隠す気はなくなったの?ならこのままでいよう?」
「バスが揺れたからだ、あと修学旅行が終われば発表するときがあるから」
「そうなんだ」
俺は話ながら手を戻す。
そうしてバスから新幹線に移動して修学旅行先に向かう。
修学旅行先は紅葉の名所である山などがあり、椎葉さんの地元でもある。
ゲームは前世と同じような世界なため、前世に行ったことがあるお寺に行ってみたい。
着いたら食事なため寝ている人達が食べれるか心配である。
そうそう俺の能力である鉄を操作する能力は新幹線より早く移動できるよ。
新幹線に乗っていても夜乃は寝ている。
俺は独占欲が強い方かもしれない。それは前世から夜乃と鉄以外好きなものがなかったことが要因であるとわかっている。
やることがない俺は寝ることはしないでスマホのメモに書いておいた修学旅行でのイベントを見てその時どう行動するか決めておくことにした。




