十四話 お話
「お義父様こんにちは」
「ああ、こんにちはそれで来てくれてすみまないね」
「大丈夫ですよ」
夜乃のお父さんに会い、挨拶を交わす。
「それより座ってくれ」
そう促され和室の座布団を敷いた上に俺と夜乃は座る。
夜乃の実家は和風の豪邸で中庭や石庭もあり豪華である。
その一部屋に今居るのだ。
戸は和室らしく襖で転生者である俺も和室は好きなのであまり気にしていない。
夜乃は俺になにも言わない黙っている。
「お義母様もこんにちは」
「どうも」
そうして夜乃の母にも挨拶をする。
夜乃が俺になにも言わないのは夜乃がすでになんらかのことに承諾しているから黙っているはずだ。
そしてお義父様、お義母様と呼びのは夜乃と付き合う時から決められたことだ。
「それでお話とは?」
俺は率直に本題に入ることにした。
だってこの豪邸は俺にとっては違和感を覚えてしまう。こんな豪邸には住んだこともないためあまり慣れてはいない。
「夜乃と婚約と同棲してくれ」
???????????
ハテナマークだけが頭に埋まる。
どういうこと????
「え?え?」
え?え?え???
「お父さん、鉄冶が混乱してるじゃない」
夜乃はお義父様の言い方に文句がありそうに言う。
「そのままの意味だよ、それにしても鉄冶君がこんなに動揺するなんて初めてだよ」
珍しく笑うお義父様。
「鉄冶、落ち着いて」
笑っているお義父様の横目に夜乃に言われる。
「やっと、落ち着きました、お待たせしてすみません」
「気にするな、わしだって急に言われては混乱するだろう」
ならなんでそう急に言ったの?
「そうそう、君の両親からは鉄冶に任せますと言っていたよ」
なんで両親も言わないんだ、もしかしてこれは…
「夜乃は知ってたの?」
「もちろん」
ですよね。だから夜乃は言わなかったのだな。
「え、つまり、俺だけ知らなかったの?」
「そうだよね」
「さぁ、返事をくれ」
お義父様がすぐに求めてくる。
「その前になんで話をすることになったんですか?」
俺はまず答える前に疑問に思ったことを言う。
「そうだな、あの時から婚約の話をしていただろ?」
そうだな、夜乃と付き合うとなったのは俺が抵抗して婚約を付き合うにしたからだ。
付き合うの方が気軽に接しやすいからな。
婚約者だと気が重いから。
「今になって婚約は双方にとっていいことだ、さらに同棲をしてしまえば確定したものだ」
つまりお義父様にとっては夜乃は婚約者がいるから他の馬の骨から知らんやつから防げるし、俺の両親としては後ろ盾がありなにかをしやすくなる。
俺としても夜乃と婚約はとても嬉しいことだからな。
「わかりました、でも条件があります」
ヘタレの俺は最後に条件を飲ますように賭けてみる。
「それはなんだ?」
「同棲するのは俺と家になると思いますが夏休みからにしてください」
「わかった、でもなんでだ?」
「心の準備と全力清掃をしたいからです」
ヘタレの俺には同棲は気が使いそうでキツく、あと使っていない部屋は最近掃除をしていないため掃除をしておきたい。
「なるほど、では話はおわりだ」
お義父様は条件を飲み、俺は立つと夜乃も立つ。
俺はふすまを開けようとするときに口を開く。
「ありがとうございました、でも同棲してもお義父様が思っているような事にはなりませんよ?」
俺はお義父様がどんな人か把握している。
掴みどころがなさそうに見えるが、俺は大体わかる。
「バレていたか」
「では」
玄関に向かい、廊下を歩く。
俺はヘタレでよかったと思ったことは幾度とある。今回もヘタレが発動していてよかった。
「鉄冶、最後のお父さんが思っていることはなに?」
「知らなくていいよ」
横に一緒に歩いている夜乃が聞いてくるので知らない方がいいと思わせておく。既成事実を作ろうとしているのはわかっていることでそう俺から行動をしたら受け入れると思うが俺からじゃないとそういうことにならないはずなのでお義父様の通りにはならない。




