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十二話 手帳 夜乃視点


私は家政婦に一人暮らしをしているマンションまで送ってもらう。


「ではお嬢様」

「ありがとうね」


私は感謝の意を述べてマンションに入っていく。


そしてエレベーターに乗り上がり部屋に入る。

私のポケットには鉄冶部屋の本棚にあった手帳が入っている。


後で返せばいいか。そんな軽い気持ちで持ってきた。

盗んではいない拝借しただけ。そんな言い訳をしておく。

L字型ソファーの一角に座る。


そして手帳を読もうと思ったがふと鉄冶のことが好きになった時のことを思い出した。

急に婚約者ができたと聞いた時は驚いた。

だって同じクラスの陰キャなのだから。

初めてデートをすることになった時、私は驚いた。

彼は普段は目が見えないほど長い前髪を上げているのだ。

彼の瞳は銀色でカッコ良かった。

デートをしていくうちに彼の性格がわかっていった。

彼は普段陰キャなのはわざとだと気付いた。

私はなんで陰キャなんてしているのか?と聞くと、

彼は

「モブやサブですらないのだから自由に生きたい」


そう言っており、その時は意味がわからなかったが最近になって少しわかってきた。


彼は中原 研信と同じクラスになってからひどくボッチ陰キャをしていた。

まるで中原君の状態を伺うようにしていた。

もし中原君が主人公とするなら鉄冶はクラスメートであるだけで今のところ物語には関与しておらず会話に混ざってないためそんなことを言ったと思う。この発言については今までも真意を聞いていない。

書かれていたことは少なかったが気になったことを書く日記のようだ。


私は一番最初のページを見ると、

親の陰謀によりかわいい婚約者ができた。

そう書いていた。私は顔が赤いだろう。

もしかしてこの時から好きだったの?と疑問を浮かべながら見ていく。






「ふぅー」


手帳の四分の一読み終わると手帳を閉じた。大半は私のことについて書いていた。

彼がここまで私を思っていたとは。

私は次に後ろのページから書いているところまで見ることにした。


朝、六道にあった、まるで用事があるかのように急いでいた、ものすごく気になる。


今日の日付で書かれていた。

そういえば朝、恵未は用事があるなんて急いでいたな。

なんだったんだろう?


時計の方を見ると、


「ご飯でも作りましょうか」


独り言を呟き行動するのだった。



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