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婚約破棄しましたが、前世の記憶を思い出したのは男の方だった!  作者: 夢之埼ベル
新たなる美少女を捕縛し暁に死す
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董卓顔の俺氏。海水浴回を夢見る


 こうして魔王ベルとお茶している間にさまざまな魔石や素材を入手した俺たちはそれらをウェイノーの街の冒険者ギルドで売り払い、一軒家を購入することができた。


 夢のマイホームである。


 魔王と交渉とか人類的にまずい気がするが気にしても仕方がないだろう。

 というか、こちらにはすでに魔人であるソフィアがいるのだ。

 人類の敵であることを気にするならまずはソフィアを気にするべきだ。


「おじさまぁ。このお家(うち)いいねぇ」


 購入したのは赤レンガ造りの2階建ての家だ。

 物置を含めて2階に3部屋、1階に5部屋ある。

 1階の1部屋は風呂場として、3人で暮らすのであれば十分な大きさだろう。

 多少寂れた感じがないことはないが、それがまた良い古風な雰囲気を醸し出している。

 水道とかはなく、電気もないが、下水だけはあるという謎使用だ。

 風呂場の水は魔石だよりであり、かなりコストが掛かる。

 上流階級向けで相場ということだが、これで5000万円というから驚きだ。

 さらに土地利用税とかも掛かる。これは年払いなのでまだ先だが。

 もっと稼ぎが必要なのかもしれない。


 とりあえず拠点はできた。

 これでソフィアとは学校以外は一緒にいられる体制が整ったのは良い。

 赤レンガの重厚な作りは遮音の働きがあることも実に相応しいところだ。

 部屋割りは2階の一番大きな1部屋をソフィアと俺用、その反対側をアリスの部屋にした。

 あとはダブルベットとかの寝具の持ち込みくらいだろう。

 それもソフィアの魔術で生み出すことは可能だ。


「服はぁ……、どこにしようかぁ?」

「寝室の中にクローゼットを作るか? それとも物置か?」

「起きたらすぐお着替えできるように寝室側でいいんじゃないかなぁ?」

「なるほど。採用――」


 ――そんな感じで衣食住が足りてくると次に欲しくなるのは娯楽だろう。


 だが、この異世界で娯楽は少なかった。

 そして問題なのが、ソフィアちゃんがすごく素直だということだ。


 例えば俺が「さぁ。おじさんと楽しいところに行こうね」とか言うとするだろう。

 ソフィアはそれに対して「おじさまぁ行きましょうぉ」とか返してくれるのだよね。


 うん。可愛い。

 これは楽しいところに行かねばなるまい。


 そうなると俺はまず『楽しいところ』を探す必要がでてくるわけだ。

 今日で言うならソフィアを家から学校に送った後、放課後までに俺はその場所を探す必要がある。


 まず手っ取り早くネタがないかアリスに聞いてみた。

 アリスはプレートメールの装備はやめ、家住み用のメイドさんルックに身を包んでいる。

 ガチな方ではなく、ミニスカなメイドさんの方だ。

 ゴスロリがソフィアの趣味らしい。趣味にさせたのは俺だがな。


「ははは。胸を張っていいましょう。そんなの私が知るわけないじゃない」


 そりゃそうだ。

 元は王女さまだからな。


 俺たちのそばから離たら生きていく手段がないからメイドさんになっているわけだし。

 実は異世界転生者なのだからメアリ王妃の元に行けばそれだけで要職に付けるのではないだろうかとも思うわけだが。

 こんな可愛いメイドさんを手放すのも勿体ないのでそこは黙っておく。


「そうね――。異世界人のメソッドでおじさんが『楽しいところ』に行こうというなら、それこそ高級なホテルとかになるんでしょうけど――」


「高級なホテルねぇ――」


 王宮までいけば別であろうが、ソフィアの家や魔王ベルの家もかなりの豪邸である。

 そこを超えるようなホテルがはたしてあるだろうか?

 エリス王妃にいえば王宮でも好きに使わしてくれそうだが、エリス王妃の『貸し』は非常に怖く感じた。


 だが俺は気づく。

 その前にソフィアは学生だった。


「ん――。学生がそんな高級ホテルにおじさんといったらアウトだろう」


「確かにそうね。――なら、海水浴とかはどう?」


 なるほど……。水着回か。


 ソフィアがスクール水着でも来ている姿を俺は想像する。

 もちろん色は紺だ。

 良い。実に良い。


 アリスは白ビキニにパレオ、麦わら帽子に一凛の赤いハイビスカスが似合うだろう。

 うむ。それもすごくいい。


 すごくいいのだが――


「だが。この周りには海がない」


「そう、ね……」


 海がある国といえばさらにここから南側の隣国に移動する必要がある。

 その国の名前は確か――


 アメジスト王国だったか?


「ふーん。旧自国のことは気になるのか?」


「そうね……。気にならないというとウソになるけど……」


「行くならちょっと冒険者ギルドで情報集めるくらいはした方が良いかもね――。本格的に俺らが動くとしたら、ソフィアが学園を卒業してからになるだろうけど」


「……なるほど」


「異世界転生にあった原因を片づけにいくなら俺も手伝うよ。ソフィアと一緒に冒険の旅に出る。そこに君のような可愛い娘ちゃんがいるなら嬉しいからな」


「あ、ありがとう」


「俺の場合はもう手遅れだったから……。せめて君は――」


「……」


 複雑な表情を見せるアリスだが、俺の場合は自業自得な面もあるから仕方がないだろう。


 ちなみに、俺とソフィア、アリスの三人で『楽しいところ』にはちゃんと行ったぜ。













 演劇鑑賞だがな――




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