書庫
本の中の知識は禁断だ
その前に、私は数え切れないほどの典籍と秘本を読み漁っていた。そのせいで、周囲からは「淵博家」などという大げさな称号をいただくことになった。
一月五日の夜。寒気が静かに空気に染み渡っていた。
私は相変わらず、この久しく人の気配のない書庫に座り、眠っている文字たちと向き合い続けていた。
周囲は恐ろしいほど静かだった。ただ蝋燭の炎だけがゆらゆらと揺れ、影を伸ばしたり縮めたりしている。
書架は天高くそびえ立ち、まるで時から忘れ去られた森のようだ。無数の古い書物が静かに並び、淡い紙の香りと埃の匂いを放っている。
私は深く息を吸い込み、指先で一番外側の背表紙をそっと撫でた。
最初に触れたのは、表紙が少しくたびれた『私と竜』という一冊だった。
著者はオルト。一目でペンネームだとわかる。
この本は一人称で、白髪の旅人が長い旅の途中で、様々な竜と出会い、語らい、別れを告げる物語を、優しく綴っている。
この世界の設定では、竜は明確に三種類に分類される——有翼類、無翼類、獣類だ。
挿絵を見れば、その姿の違いは一目瞭然だ。
有翼竜は伝説に登場する西洋のドラゴンに最も近い。巨体、鋭い爪、空を裂く翼——絶対的な力の象徴だ。挿絵を眺めるだけでも、その圧倒的な威厳が伝わってくる。
無翼竜は一部の国で別の呼び名を持つ。彼らには翼がないが、むしろ神により近い——神性そのものの具現だ。静かで、神聖で、直視することが憚られる。
一方、獣類竜の範囲は実に雑多だ。頭部が竜に似ていれば、たとえトカゲや擬態魔物であっても、この分類に含まれる。たとえば海竜種——翼はないが、前二者の威厳と霊格を備えていないために、獣類に分類される。高階魔物に属し、討伐リストに載せられることが多い。たとえ並外れて強い個体が存在しても、言葉を話せず、心の交流ができなければ、真の竜族の仲間入りは永遠に叶わない。
この本の中で最も私の心を動かされたのは、主人公が光属性の有翼白竜と出会う場面だ。
彼らは長い間静かに語り合い、まるで一生の旧友のように。別れ際、白竜は彼に微かに光る武器を贈り、自ら彼を“聖域”と呼ばれる秘境の外まで送り届けた。それは誰にも観測できない隠れ里——このゲーム世界における桃源郷のようなものだ。伝説と童話にしか存在せず、一度離れれば二度と戻れない。
無翼竜の物語は、主人公が難破して伝説の隴馬諸島に漂着した後に始まる。
島には多くの無翼竜が生息している。彼らは人の言葉を話し、優しい人間の姿にも変わり、主人公と共に海を眺め、世界の果てについて語り合った。最後に彼らは、時を逆転させる霊薬を主人公に贈った。主人公がそれを飲むと、白髪は再び黒く染まり、老いた身体は若返り、故郷に戻って本当に安らかで平穏な晩年を迎えた。
この本の語り口は優しくて真実味がある。誇張もなければ、わざとらしい脚色もない。私は思う——これは完全な虚構ではなく、著者が実際に経験したことを、ほんの少しだけ魔法的な装飾を施して物語の中に隠したのではないか、と。
『私と竜』をそっと閉じると、胸の底にほのかな温もりが広がった。
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傍らには、もう一冊薄い冊子が置いてあった。
『スーサンラガン——最も美しい旅先』。
写真と文章が中心の観光雑誌だ。ページをめくると、碧い海と陽光に包まれた島国が広がっている——まるで覚めない夢のように美しい。
スーサンラガンはポーランド最南端の海域に位置する熱帯の島国だ。年中温暖で、海風は柔らかく、理想的なリゾート地と言える。ただ、残念ながら今の私にはそんな風景を楽しむ暇はない。
次に向かわなければならないのは、あの砂漠のような冠陽市——コルビー王国の首都だ。
冠陽は水が乏しく、年間を通じて雨がほとんど降らない。大地はひび割れ、空には雲さえほとんど見えない。そのため、水魔法使いは現地で宝物のように扱われ、人々から尊敬と崇拝の対象となっている。
都会育ちの私の知識が、あの乾いた土地で少しでも優遇され、足場を築く助けになるかどうか——それはわからない。
雑誌には、もう一つ特別な生物が紹介されていた——砂鮩魚だ。
砂地に潜む白い小魚で、体は細くて透明。光が当たると、鱗が幻想的な七色の輝きを放つ——まるで星空を丸ごと体内に閉じ込めたかのように。
挿絵は実に美しく、一度は自分の目で見てみたいと思わせる。
ただ……
なぜ、こんなに現代的で印刷の美しい旅行雑誌が、この古びた、むしろ陰気な書庫にあるのだろう?
ここには、どうも不釣り合いなほど高い科技水準が混在している……
違和感が、小さな波紋のように心の奥底で広がる。しかしそれは、すぐにさらに強い好奇心に飲み込まれた。
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私はひとまずその疑問を脇に置き、三冊目の本を手に取った。
『錬金術の奥秘』——著者はディロバ。
この本は、錬金術の本質を非常に詳しく述べている。すなわち——神の創造物に匹敵する存在を生み出すこと。
著者は、人間もまた新しい生命を手で創り出せると信じている。人造人間であれ、他の錬金生命であれ。そして、錬金生物の肉体を強化するためには、他の生物の魂を縫合しなければならない。
しかし、魂魔法は遥か昔に失伝し、伝説の中だけに存在する禁忌となっていた。
ディロバが、正体不明の、全身を闇に包んだ黒衣の男から、ある恐るべき方法を聞くまでは——
古代に遺された一台の機械が、周囲の死者から漂う魂の欠片を収集し、専用の容器に封じて安定させるというのだ。
その方法に頼って、彼はついに全く新しい生命を創造することに成功した。そしてそれを017と名付けた。
017については、著者は極めて簡略に——いや、意図的に隠すようにしか記していない。外見も、能力も、性格もない。ただ冷たいコード番号だけがある。
この箇所を読んでいるとき、蝋燭の炎がふと小さく跳ねた。背筋が一瞬冷たくなった。
本の後半は、普通の錬金術の知識に戻る。金属の錬成、無機物と有機物の変換、物質生成の理論……それら複雑で難解な手順は、書物の記載だけでは、一生かけても本当に習得できる気がしない。
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夜は、墨で完全に塗りつぶされたかのように深くなっていた。
窓の外は一面の闇で、星の光さえ見えない。明日は早起きして出発しなければならないのに、私はちっとも眠くならなかった。
この書庫は長い年月を経ているのに、まったく損傷が見られない。書架は整然とし、書頁は完全で、虫食いの痕跡すらない。おそらく、幽霊王が生前に堅牢で優しい防御を施し、この知識の森をしっかりと守ってきたのだろう。
ここには、この世界のあまりに多くの秘密が隠されている。
忘れ去られた歴史が多すぎる。
運命を変えうる情報が多すぎる。
私はしっかりと読み終えなければならない——一頁も逃してはならない。
そう思いながら、指先をわずかに引き締め、再びうつむく。
蝋燭の炎は変わらず静かに燃え続け、書庫にはかすかなページをめくる音だけが、闇の中で幾重にも広がっていく。
私は眠っている知識の海の底で、自分自身の——小さくとも確かな——光を探し続ける。




