↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSしましたが、取り忘れてますよ?  作者: kero


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/60

戦術的宿舎脱出

応援、コメントたくさんお待ちしております!

戦術的宿舎脱出と、憔悴しきった三人の親たち


……よし。お前らバカメイドどもに誰が主人かを叩き込み、

あの親バカどもに絶交宣言を叩き込んだ今こそ、

次なる戦術的行動(脱出)に移る!


学園の中央広場に面した公式ショップを「魔改造ミリタリー魔法」のレールガン乱射で跡形もなく完全焦土に変え、

混沌神(パパ)と始祖のお母様(始祖ママ)、そしてよろず先生を焦土の上に強制正座させて

『永久絶交宣言』と『BL抜きの一般少女漫画3冊追加執筆刑』を執行した、

あの怒濤の放課後。

専用宿舎の自室に戻った俺――ステラ(中身30歳元自衛官)は、

頭のミニ王冠(デバイス仕込み)を少し斜めに直すと、

すぐさま身の回りのいくつかの重要物資――グロックの予備弾倉、手榴弾、そしてリリィの目を盗んで回収したウォッカのスキットルを『アイテムボックス(小)』へと迅速に放り込んだ。


このままこの過保護な精神的ディストピア宿舎にいたら、

夜中にあの正座して大号泣していた親バカどもが『ステラちゃんごめんねぇぇぇ!』と涙目でドアをブチ壊して夜這い……

じゃなくて、

添い寝をしに襲来してくるのは火を見るより明らかだ。

元自衛官として、

拠点の安全が脅かされた以上、迅速に転進(エスケープ)せねばならん!

幸いなことに、執筆部屋でよろずを監禁して鬼教官と化していたリリィとスライム、そしてこの計画の片棒を担いでいたエルミナ先生(全盛期ツルペタ姿)は、まだ外で何やら片付けや相談をしていて宿舎にはいなかった。


今がチャンスだ。隠密行動、開始(ミッション・スタート)!


俺は黒い防風ベールを深く被り直すと、気配を完全に遮断する自衛隊式の隠密歩法をフル駆動させ、音もなく宿舎の裏窓から脱出した。

向かった先は、学園の敷地外。少し歩いたところにある、何の変哲もない地味で薄暗い、冒険者御用達の『一般の安宿』だった。


フロントで数枚の銅貨を放り投げ、カビ臭いベッドが一つあるだけの狭いシングルルームを確保する。

部屋に入り、ドアの鍵を三重にかけ、さらにロベルタ傘(鉄塊仕様)をドアノブに立てかけて物理的な突入防止バリケードを構築した。

バサリ、と黒ベールを脱ぎ捨てる。窓の外からは、学園のきらびやかな発光プレートの明かりではなく、辺境の街のような静かな夜の闇が広がっていた。

俺はベッドの上に腰を下ろし、アイテムボックスからウォッカのスキットルを取り出して、今日二杯目の酒をチビチビと舐めるように味わった。


……ふぅ。

静かだ。静かすぎる。これだよ、俺が求めていた本物の心のオアシスは……

よろずの羽根ペンの音も、ピノ(男の娘)やリリィの過激なセクハラ・スキンシップも、日替わりで姿を変えて接近してくる邪神のウザ絡みも、ここには何一つない。

ただのカビ臭い安宿の天井を見つめながら、俺は二年ぶりに訪れた本当の平穏と静寂を噛み締め、明日の『定期魔導試験・実技編』に備えて、泥のように深い眠りへとつくのだった。

------------------------------

翌朝。

眩しい太陽の光がカビ臭い部屋を照らす中、俺は完璧な自衛隊の起床ラッパのタイミング(体内時計)で目を覚ました。

普段通りの地味な制服に身を包み、頭にはミニ王冠(顔面安全解放デバイス)を載せ、念のため黒ベールをガッチリと固定して、俺は学園の中央校舎へと向かって歩みを進めた。


しかし、学園の正門をくぐり、中央大通りに足を踏み入れたその瞬間だった。


「「「ステラちゃああああああああん(号泣)!!!!」」」

ドガガガガァァァァンッッッッ!!!!

突如として、正面の空間が爆発するようにして歪み、そこから三人の人物が、目にも留まらぬ音速のスピードで俺の足元へとスライディング土下座を決めながらすがりついてきた。


混沌神(パパ)、始祖ママ、そしてエルミナ先生の『三人の親(ママたち)』であった。

ステラちゃん!

ごめんね!

僕が悪かったよぉぉぉ!

人形なんて全部消し消ししたし、国営ショップも更地にしたから、

お願いだから口を利いてよぉぉぉ(大号泣)!


高級な学校制服を着た混沌神は、一晩中一睡もできなかったのか、その自慢のイケメンな糸目の周りにどす黒いクマを浮かべ、髪をボサボサに振り乱して涙と鼻水をダラダラと垂らし、俺の靴に縋り付いてワンワンと泣きじゃくっていた。あの絶対の神の威厳など、すでに塵一つ残っていなかった。


ステラァァァッ!!

ママも反省したわ!

貴方が夜中に宿舎から消えていた時、ママ、寂しさと絶望のあまり心臓が止まって本当に死んじゃうかと思ったのよぉぉぉ(号泣)!

ほら、ママのこの銀髪を引っ張って、好きなだけお仕置きしていいから、

絶交だけは解除してぇぇぇっ!!


始祖のお母様も、あの世界の闇の半分を統べる魔王としてのプライドを完全にゴミ箱へ捨て去り、全校生徒が見守る中央大通りのド真ん中で、なりふり構わず地べたに這いつくばって俺のドレスの裾を握りしめて号泣していた。


そして、その隣には、やはり一晩中俺を探し回っていたのだろう、衣服が少し泥で汚れた全盛期(ツルペタ)のエルミナ先生までもが、顔を真っ赤にして涙目を潤ませながら、俺の腕をガシッと掴んできた。


ステラちゃん……!

わ、わしも悪かったわ! 邪神たちの悪ノリを止められず、公式グッズの販売を黙認していたのは教師として、母親として不徳の致すところよ! だから……

だから、わしのことまで無視するのはやめなさい……っ!!


三人の世界の最高峰トリオ(戦闘力:100、95、そして魔女)が、揃って顔を【憔悴(しょうすい)しきった絶望の表情】に染め、全校生徒たちの目の前で、一人のミニスカ……ならぬベール魔法少女に向かって涙ながらに慈悲を乞うている。


周囲の何万人ものエリート生徒たちは、その異常すぎる『世界の終わり』のような光景を前に、完全に顔を青ざめさせ、直立不動の姿勢で固まっていた。


だが、俺の中の中身は、数々の修羅場をくぐり抜けてきた冷徹な元陸曹長だ。

作戦行動中における『規律違反者への冷徹な対処』、ここで甘い顔を見せれば、彼らは一秒で調子に乗って、明日の朝には『バージョン4(ウエディング仕様)』の人形を量産し始めるのは火を見るより明らかだった。

俺は掴まれたエルミナ先生の細い手を、自衛隊の関節外し術の要領でスルリと、だが冷酷に振りほどいた。

実際のところ、エルミナ先生は今回のショップの暴走に関しては何も悪くなかった。悪いのは100%混沌神と始祖ママだ。

だが、戦術的な状況判断として、あの場で先生だけを特別扱いして相手をすることは、隣で目を血走らせているヤンデレ邪神と始祖魔王の『さらなる嫉妬の暴走(世界の消滅)』を引き起こすため、絶対に断じて不可能だったのだ。


俺はベールの下の真っ赤な瞳をこれ以上ないほど冷酷に細めると、すがりついて大号泣している三人(親バカども)を一瞥すらすることなく、

完璧な【完全無視(シカト)】を決め込んで、そのままスタスタと彼らの間を通り抜けて教室へと歩き出した。


う、うわああああああああん!!

ステラちゃんに完全にゴミを見るような目で無視されたぁぁぁぁっ

(魂の消滅)!!


ステラァァァッ!! ママを置いていかないでぇぇぇぇっ(絶望の号泣)!!


背後から、世界のバランスを崩壊させるほどの邪神と魔王の大号泣の衝撃波が吹き荒れ、学園の中央大通りがグラグラと大地震のように揺れ動いていたが、俺は一ミリも振り返ることはなかった。

------------------------------

特別Sクラスの視線と、変態王子ルシアンへの秘密の手紙


「……失礼する(直立不動)」

俺が特別Sクラスの教室のドアを開けて一歩足を踏み入れた瞬間、室内の空気が一瞬にして絶対零度へと凍りついた。

教室の中にいる国家の天才エリート生徒たち全員が、一人の例外もなく、ガタガタと全身を震わせながら、畏怖と崇拝が完全にブレンドされた

『ガチ勢の目(狂信者)』で俺を見つめていた。


そりゃそうだ。昨日の放課後、自分の社会的尊厳を傷つけられたという理由だけで、学園の公式ショップをレールガン乱射で木っ端微塵の火の海に変え、

さらにその直後、

世界の頂点たる混沌神と吸血鬼の始祖を地面に正座させて大号泣の絶交宣言を叩き込んだ、

あの【魔人の如き最凶魔法少女】が、頭にミニ王冠を載せて登校してきたのだ。


今や彼らにとって、俺(ステラ)は「一言でも怒らせたら、この魔導大国ごと世界の歴史から消し消しされる絶対の覇王(神聖なるお姫様)」として、

完全に脳内に刻み込まれていた。


す、ステラ様……!

おはようございます……っ!

本日の御席の清掃は、このルシアンが完璧に、チリ一つ残さず完了させておきましたぁぁぁっ!!


俺が自分の席に近づくと、隣の席の変態王子・ルシアン(執事候補)が、これ以上ないほど目を血走らせ、床に滑り込みながらローリング土下座で迎えてくれた。

(……あ、ルシアンだ。よし、ちょうどいい)


俺はベールの下の素顔を少しだけ神妙なものに変えた。

実は、俺はルシアンに対して、少しだけ申し訳ないという気持ち(罪悪感)を抱いていたのだ。昨日の公式ショップ完全焦土化作戦の際、ルシアンはただ最前列で俺を応援(変態的な五体投地)をしていただけなのに、俺がやけくそでレールガン(現代実弾)をフルオート連射したせいで、その爆風の巻き添えを食らい、衣服をビリビリのボロ雑巾にされて吹き飛ばされるという、なかなかに酷い目に遭わせてしまっていたのだ。


「ルシアン。昨日の件だが、すまなかっ――」

俺が直接声をかけて謝ろうとした、その瞬間だった。


教室の廊下側の窓ガラスに、ドンッ! ドンッ! と、不気味な二つの人間の顔がこれでもかと張り付いた。

窓の外を見れば、そこにはボサボサの髪で涙の跡をダラダラと残した混沌神と、銀髪を逆立てて目を血走らせた始祖ママの二人が、ストーカーの如く執念深く、俺の後ろにピッタリと付いて来て窓ガラスを凝視していた。

奴ら、絶交されたショックのあまり、一歩たりとも俺の視界から離れる気が無いらしく、教室の中まで不法侵入(窓ガラス張り付き)して監視を続けていたのだ。


チッ……!

あの親バカども、まだ後ろに付いて来てやがるな……!

あいつらの前で俺がルシアンに優しく声をかけて謝ったりなんかしたら、

『ステラちゃんが僕たちを無視して、あんな変態王子のオスに優しく微笑みかけたァァァッ!!』と激しいヤンデレの嫉妬に狂って、今度こそルシアンを魂の構成粒子ごとこの世界から消し消し(抹殺)してしまうのは火を見るより明らかだ!


戦術的状況の悪化。ここでの直接の接触は、部下(ルシアン)の物理的死亡を意味する。

俺はチョーカーの翻訳バグが発動する前に口を閉じ、アイテムボックスの奥から、昨夜安宿でこっそりと書き殴っておいた一通の【秘密の手紙】をスマートに取り出した。

そして、窓の外の親バカどもにギリギリ見えない角度の死角を利用し、ルシアンの机の上にその手紙をサッと滑り込ませた。


「……ルシアン。これ(手紙)を、後で読んでおけ」

俺はベールの下から小声でそう頼み、そのまま自分の席へと着いた。


ルシアンは、机の上に置かれた『ステラ様直筆の秘密の手紙』を見つめ、

し、ステラ様から……僕宛ての、秘密の密書(ラブレター)……!?

ああ、あああ! 僕は今、世界で一番幸せな忠犬ですぅぅぅっ!!


と、声を出さずに涙を流して狂喜乱舞し、その手紙を割れた鎧の胸元の奥深くへと、家宝のように大切に仕舞い込むのだった。

手紙の内容はただの『昨日は巻き添えにしてすまなかった。衣服の弁償代は黄金商会のVIPカードから引き落としてくれ』という極めて事務的な謝罪文なのだが、この変態王子にとっては世界の何よりも尊い聖書となったのは言うまでもなかった。

------------------------------

定期魔導試験・実技編。世界を吹き飛ばす魔人の一撃


「――それでは、これより前期定期魔導試験・実技編を執り行う!」


学園の広大な地下演習場。

筆記試験をオール満点で制覇したSクラスの天才エリート生徒たちが、再びガチャガチャと魔導杖を構えて並んでいた。

彼らの正面の遥か彼方には、高位の防御結界が何重にも施された、試験用の巨大な「魔導標的(ターゲット)」のクリスタルが鎮座している。

試験の内容は至ってシンプル。

いつぞやの王宮の訓練と同じく、あの標的に向かって自分の得意な属性魔法を命中させ、その威力と魔力の構成精度を評価するという、極めてオーソドックスな実技試験だ。


「ステラ殿、前へ」

試験官の教授が、ガタガタと震える手で名簿をめくりながら、俺の名前を呼んだ。


「はっ。ステラ・アララット、前へ(直立不動)」

俺はロベルタ傘(現代実弾レールガン仕様)を片手に、ステージの中央へと堂々と歩み出た。

頭にはミニ王冠(顔面安全解放デバイス)。

顔はベールなしの素顔のままだ。

観客席の最前列には、憔悴しきった顔でハンカチを握りしめて俺を見つめる混沌神と始祖ママ、そして教壇の端で真剣な目を向けるエルミナ先生の三人が控えている。

俺はステージの真ん中に立ち、正面の魔導標的を見つめた。


いつもなら、ここで「わたしはっ、せかいいち可愛い魔法少女ですっ……☆」と叫んでフリフリの魔法衣装(ダークバージョン)へと変身し、無駄にゴージャスなハート型エフェクトを撒き散らしながら魔法を放つところだった。


だが、今の俺の精神状態は、これまでにないほど激しく【昂(たか)ぶって】いた。

昨日の公式ショップの暴走、実物大バズーカ人形の販売、よろずの裏切り、そして今朝の親バカたちの過保護なしがみつき。二年間溜まりに溜まったすべての理不尽への怒りと、お仕置きを完遂したことによる戦術的な全能感が、俺の華奢な美少女ボディの中で、莫大な魔力となってグツグツと、マグマのように激しく煮え繰り返っていたのだ。


……チッ。

変身なんかするかよ。

あんな恥ずかしいフリフリの格好で、クソ可愛いエフェクトなんか出してやるものか。今の俺なら、この素の状態(ノーマルモード)のままで、あの標的ごと全てのストレスをブチ抜いてやるわ!


俺は変身のプロセスを完全に拒絶し、制服姿のままで、右手の黒傘を真っ直ぐに標的へと突き出した。

そして、アイテムボックスの奥から、魔改造された『自衛隊の特製実弾』をノータイムで装填し、ステータスの【魔法適正:大】、そして【力:200】のゴリラ馬力を、怒りのままにその傘の銃身へと一気に臨界点まで過充填(オーバーロード)した。


キィィィィィィィン……ッッッ!!!

その瞬間、俺の全身から放たれたのは、ピンクの可愛い光などでは断じてなかった。

それは、空間の光を全て吸い尽くすほどの、ドス黒い、禍々しいまでの【本物の魔人のオーラ】だった。演習場全体の空気が、その絶対的な覇気によってバリバリと音を立てて裂け、重力が数倍に跳ね上がる。


な……ななな、何という魔力だ……!?

変身もしていない、

素の状態で、世界が、学園の地下空間が崩壊しかけているぞォォォッ!?


試験官の教授たちが、あまりのプレッシャーに椅子から転げ落ちて白目を剥いた。


「――状況、開始。一撃で、全てを焦土に変える(直立不動・殺気全開)」

俺はチョーカーの翻訳バグが発動するよりも早く、怒りの限界突破によるトリガーハッピーの精神で、ロベルタ傘の引き金を思い切り引き絞った。


――どぉぉぉぉぉぉぉんっっっっ!!!!!!!

次の瞬間、ガザリア魔導学園の数百年の歴史の中で、最も恐ろしく、最も理不尽な【大爆発】が巻き起こった。

放たれたのは、現代の実弾の質量に、俺の内なる『吸血鬼の始祖の上位互換』の莫大な魔力、そして邪神がじっくりと煮詰めて作った最高スペックの肉体の全エネルギーを乗せて放たれた、異次元の魔改造レールガン。


一撃が放たれた瞬間、試験用の魔導標的のクリスタルなんてものは、威力を計測される暇さえ与えられず、一瞬にして【分子レベル】で跡形もなく消し炭になって粉砕された。

それだけではない。

俺の放った弾丸の衝撃波とドス黒い魔力の津波は、標的の後ろにある特級の防護壁をブチ抜き、演習場を支える巨大な大理石の柱を十数本なぎ倒し、地下空間の天井と床をバリバリと消し飛ばしながら、そのまま学園の裏山を丸ごと一つ、綺麗に十文字のクレーターに変えて消し去ってしまったのだ。


ドガガガガガガガガァァァァンッッッッ!!!!

「ひ、ひえぇぇぇぇ……っ!! 演習場が、学園の地下空間が丸ごと吹き飛んだぞォォォッ!!」


「天井が崩落する! 全員避難しろォォォォッ!!」


演習場全体が激しい硝煙の煙と、崩落する瓦礫の山で火の海と化し、実技試験は開始一秒で【強制的に中止】の事態となった。

戦闘時間、計測不能(一瞬)。


ふぅ……。

状況、終了。変身しなくても、これだけの面制圧火力を出せるんだな(フンス)


俺は硝煙の立つ黒い傘をパッと閉じ、肩に担いで、ベールのない素顔で満足げに胸を張った。

だが、周囲の観客席を見渡せば、生き残ったSクラスのエリート生徒や学園関係者たちが、瓦礫の中で全員がガタガタと震えながら、

「やはりあのお方は……神と魔王の子供、本物の魔人様だ……っ!」と、涙を流して地面に五体投地して俺を拝み倒していた。

------------------------------

身体能力の覚醒と、爆音の学園逃亡(留学編・大完結)


「よし。もうこの学園には、何一つ用はねえな(直立不動)」


オール満点の筆記試験、そして試験会場ごと裏山を分子レベルに消し飛ばした実技試験の中止。これだけの実績(暴力)を見せつければ、学園長もギルドも、二度と俺に「実力を見せろ」なんて舐めた口を利いてくることはないだろう。


俺は瓦礫の山となった演習場の中央から、スタスタと出口に向かって歩き出した。

すると、背後から「ステラちゃん! 待って、待ってよぉぉぉ!」と、憔獗しきった顔の混沌神と始祖ママ、そしてエルミナ先生の『三人の親(ママたち)』が、大慌てで俺の後を追いかけて付いて来ようとするのが見えた。


チッ、

あの親バカども、

絶交されてるクセにまだ俺に付きまとってストーカーする気満々かよ!

宿舎に戻ったらまたあの過保護なハグハラスメントが始まるに決まってる。ここは一気に、この街ごと奴らを引き離して逃亡してやる!


「これより、単独隠密撤退作戦(エスケープ・ミッション)に移行する!」

俺は走りながら、その場で高らかに叫んだ。


わたしはっ、せかいいち可愛い魔法少女ですっ……☆(11回目)

カチャリ、と音がして、

俺はあの黒リボンにまみれた漆黒のゴスロリドレス(魔法少女ダークバージョン)へと瞬時に変身を遂げた。

その瞬間、俺は自分の身体の『異変』にハッキリと気づいた。


……な、なんだこれ!?

身体が、信じられないほど軽い……っ!?


昨日、公式ショップの暴走に本気でブチ切れて『魔人のオーラ』を覚醒させて以来、俺の華奢な美少女ボディのステータスは、内なる始祖のパーツと完全に融合を起こし、【素の身体能力と魔力出力が、戦闘力:95オーバーの『世界のバケモノ領域』へと、とんでもなく跳ね上がって覚醒していた】のだ。


ドガァァァァァァンッッッッ!!!!

俺が一歩、地面を踏み鳴らして跳躍した瞬間、学園の地下演習場の床が衝撃波でバリバリとクレーター状に陥没した。

俺の身体は、重力を完全に無視し、音速の壁を軽々と突破する【爆音のスピード】となって、崩落する学園の天井をロケットの如く突き破り、そのまま大空へと向かって一気に飛び出したのだ。


ひゃはははは!

待ってよステラちゃん!

音速で逃げるなんて最高に可愛いけれど、

パパをおいて行かないでぇぇぇ(マッハで追跡)!


ステラァァァッ!!

ママも音速で付いていくわよぉぉぉ(始祖の速度で追跡)!


後ろから、同じく音速を超えて大空を追いかけてくる混沌神と始祖ママのキモいヤンデレ神速追跡(ストーカー)の気配を感じつつも、俺はダークバージョンの大鎌を後ろに構え、魔力のブースターを全開にして大空を爆走した。


中身は30歳の元陸上自衛官。

魔導学園の全てを恐怖と硝煙で完全支配し、己の隠された最強スペックを完璧に覚醒させたステラ(長谷川聡)の物語は、ここに波乱万丈すぎる『魔導学園留学編』の幕を唐突に、かつ圧倒的な暴力と共に下ろすのだった。


待ち受けるは、次なる戦場――世界を二分する二大国家、魔王領と神聖国を舞台にした、親バカたちとの永久の追いかけっこ(絶交ドライブ旅行)。

俺の本当の平穏(オアシス)を勝ち取るための戦いは、ここからが本当の、ミリタリースペックの本番だった!


お前ら、絶交中なんだからニヤニヤしながら空から付いてくるなぁぁぁぁぁっ!!!(大絶叫)

青空の彼方へと消えていく、世界一美しく、世界一物騒な死神魔法少女の爆音の逃亡劇が、大陸の歴史に新たなる伝説を刻み込んでいくのだった。

面白と思って頂けたらブックマーク登録、ページ下の評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。