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第6話

ここからはこの世界の仕組みについての説明パートに入ります。つまらないと思いますが、世界観を知るために飛ばさないことをお願いします。

 空也の家で修行を申し出て初めての日曜日。

 恒一は布団の上でぐっすり寝ている。

 時刻は朝の11時。

 それほど彼は疲弊していたのだろう。

 そんな彼の平日の一日を見てみよう。


AM5:30 起床、身支度

AM5:40 空也宅へ出発、移動中に前日に貰ったもので朝食を済ます

AM9:50 到着

AM10:00 座学

PM12:30 空也の奥さんが作ってくれた飯で昼食

PM13:00 実習

PM17:00 空也の奥さんが作ってくれた飯で夕食

PM17:30 三島町へ出発、空也の奥さんから明日の朝飯を貰う

PM21:50 帰宅、

PM22:00 四国支部内にある銭湯で入浴

PM22:20 座学の復習

PM22:50 就寝


 自由な時間が一切ない監獄のような生活。

 現代人である筆者は絶対やりたくない。そんな生活を恒一は過ごしていた。



◇◇◇



「では、この界隈の根幹となる要素『(しき)』について説明するぞ。」


 達也はそういうと黒板にチョークをあて書き始める。

 恒一は呼吸を落ち着かせながら達也が書いていることを板書する。

 今は座学の時間。まるで学校にいるかのように感じる様子である。

 達也は一通り書き終えて話し始める。


[まず、一般の人間が妖と戦うことはほぼ不可能だ。理由は単純。『圧倒的な力の差』だ。いくら銃や戦車があったとて勝つことはできない。ではそんな化け物にどうやって立ち向かうのか。その際に使うのが『(しき)』だ。式は特別な人間が扱える不思議な力だ。式を持つ人間は式を体内で自由に巡らせることができる。これを体に纏って攻撃を受けたり、一部分に集中させることで強力な攻撃をすることができる。」


 恒一は一通り書き終え、達也の方を向き真剣に話を聞く。


「式を扱う者には2種類いる。『式神使(しきがみつか)い』と『式能使(しきのうつか)い』だ。式神使いは『式神(しきがみ)』と呼ばれる妖を従えて戦い、式神使いは固有の異能を用いて戦う。」


 恒一は思い出す。

 御阴(みかげ)に事情聴取された際にこのようなことを書いていたことを。

 恒一はゆっくりと手を挙げる。それに気づいた空也は恒一に問いかける。


「空也さん、自分はその…式神使いと式能使い、どちらなのでしょうか?」


 空也はきょとんとする。そして、白髪交じりの頭をかきながら話し出す。


「普通物心つくくらいの時期に自分がどちらなのか、式能使いならどのような系統の能力を使えるのか自覚しているんだけどなぁ…。」

「え?」


 恒一は思わず声を出した。

 何気なく聞いたつもりが、予想していなかった返答をされてしまった。やはり自分は他の隊員とは何かが違うのだろう。そう自覚した。


「安心しろ。恒一については『補助能使い』と同じ扱いをするよう秋寧(あきね)から言われておる。あー、補助能使いというのは『戦闘で主な攻撃手段とならない式能を持った者』のことだ。例を挙げるなら『身体強化系』や『回復系』だな。」

「ちなみに『補助能使い』で強い人ってどれくらいいるのでしょうか?」

「結構いるぞ。何ならこの部隊で一番強い御阴も補助能使いだ。ちなみに私も補助能使いだ。」

「はぇー。」


 恒一は関心しながら空也の話を聞く。

 空也はしばらく間を置き、また話し始める。


「ここからはそれぞれの能力について説明するぞ。」


 恒一はノートのページをめくり、聞く姿勢を整えた。


「まずは式神使いからだ。先ほども話したが、式神使いは契約している『式神』と共に戦うもの達だ。四国支部の人間はだいたいこれに分類される。秋寧もその一人だ。式神を呼び出す際は片手で固有の形を作らなければならない。こんな風にな。」


 そういうと空也は右手を開き、親指、中指、薬指を閉じる。


「これは秋寧が式神を呼び出す際に結ぶものだ。あくまで一例であり、他の式神使いは別のものを結ぶ。」


 恒一はゆっくりと手を挙げた。


「あのー。なぜ式神使いでない自分がそんなことを学ばなければならないのでしょうか?」

「いい質問だ。それはな、恒一が式神使いの可能性があるからだ。」

「どういうことなのでしょうか?」


「式神1体につきそれを使役できるものは1人までなんだ。そして使役する者がなくなった場合、使役していた者の一族の中から式神が選び次のものを決める。」


「つまり…どういうことなのでしょうか?」


「お前が式神に選ばれなかった式神使いの一族の可能性があるということだ。選ばれなかったものは式神が所有する式能の劣化を扱うことができる。故に式能使いと思っていた者が式神使いだったということも珍しくない。だからお前に念のため教えているということだ。」


「なるほど。」


 恒一はノートに書き留める。


「では話を戻すぞ。式神使いには明確な弱点が存在する。それは『契約者は式神が使用する式能が使えない』ということだ。そのため契約者は戦闘時、『式』を用いた基本技能のみで戦うことになる。後は弱点ってほどではないが、『契約者が気絶すれば式神が消えてしまう』、『契約者と式神との距離が500メートル以上開いてしまうと式神が消えてしまう』といったものがある。これらをしっかり覚えておくこと。」


 恒一のノートにはしっかり空也が話していたことが記されていた。



◇◇◇



「次に式能使いについてだ。」


 恒一は空也に目を向ける。


「まぁさっき少しだけ話したが式能と呼ばれる固有能力を用いて戦うもの達のことだ。能力は様々で、『雷を操れる』といった攻撃系のものや『身体強化をする』といったものまである。」

「『補助能使い』ってやつですね。」

「その通りだ。ここで覚えてもらいたいことは『式能が弱いからといって使用者が弱いとは限らない』ということ。正直式能がなくても普通に戦っていける。だから自分の式能に絶望せず、基本技能を鍛えること。これが重要だ。」


 恒一はノートにそれを記し、記した部分を〇で何重に囲う。


「後説明することは、そうだな…。式能は式神と異なって持っていたら一生扱うことができる。つまり、一族に1人とかいう制約はない。それと、式能の継承には2種類ある。『親の式能と全く同じものを継承するもの』と『親と同系統の能力のものを継承するもの』だ。これに関してはまだわかっていないことが多いから頭に入れておく程度に。」


 恒一は念のためノートに記した。

 

「今日のところはこのくらいかな。昼飯食ったら式の基本技能について叩き込むからしっかり休んでおくように。」


 そういうと空也は部屋を出ていった。

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