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世界1のサッカー選手と落ちこぼれ高校生が入れ替わった話  作者: おばれ
第二章 三軍の底から下剋上 編
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22/53

第22話 後半開始、三軍の一年がゴールを奪った

後半開始の笛が鳴った。


 二・三年チームの選手たちは、明らかに気を抜いていた。


 前半は二対〇。


 一年チームは、ほとんど何もできていない。


 しかも後半から出てきたのは、つい数日前まで“外周最下位”と笑われていた赤城零と、三軍の中でも目立った実績のない鶴見銀次。


 横田は中盤で軽く首を回しながら、鼻で笑った。


「おいおい、後半からヒーロー登場か?」


 周囲の二・三年生たちも笑う。


 一年チームのキックオフ。


 ボールが軽く後ろへ下げられた瞬間、赤城は静かに一歩前へ出た。


 鶴見が横目で見る。


「零……?」


 赤城の目は、すでにゴールを見ていた。


 次の瞬間。


 赤城はセンターサークル付近でボールを受けると、迷いなく右足を振り抜いた。


「は?」


 横田が声を漏らす。


 距離がありすぎる。


 まだ後半が始まったばかり。


 相手陣内にも入り切っていない位置。


 誰もがそう思った。


 だが――。


 赤城の放ったボールは低く、鋭く、一直線にゴールへ向かった。


 油断していた相手GKが、慌てて反応する。


「うおっ……!」


 なんとか両手ではじく。


 ボールはゴール前へ弾かれた。


「危ねぇな、くそ!」


 横田が慌てて戻り、こぼれ球をクリアしようと足を振る。


 その瞬間だった。


 赤城が、そこにいた。


 まるで、最初からボールがそこに弾かれることを知っていたかのように。


 横田の足がボールに触れる寸前、赤城は身体を滑り込ませるようにして一歩前へ出た。


 そして――。


 跳ね返ったボールを、ダイレクトで叩いた。


 乾いた音が鳴る。


 ボールは横田の足元をすり抜け、GKの逆を突き、ゴールネットに突き刺さった。


 一瞬、誰も動かなかった。


 遅れて、ネットが揺れる音だけがグラウンドに響いた。


「……入った?」


 一年生の誰かが、呆然とつぶやいた。


 スコアは二対一。


 後半開始から、わずか数十秒。


 赤城零が、ゴールを奪った。


 グラウンド脇で見ていた吉澤コーチと佐々木コーチも、言葉を失っていた。


「……今の、見たか?」


 吉澤が低くつぶやく。


 佐々木は目を細め、赤城を見る。


「ロングシュートを打った時点で、GKが正面でキャッチしづらい球質だった。あえて弾かせた……?」


「いや、まさか」


「だが、こぼれ球への入りが早すぎる。普通の反応じゃない」


 二人の視線が、赤城に釘付けになる。


「……あんな選手、うちにいたか?」


とうとう、赤城が反撃の狼煙を上げました。さて、後半はまだ始まったばかり!次回もお楽しみに!

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