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宇宙スキーム 序章(後編)神が褒めた人間体内「宇宙の芸術」  作者: K レイ


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第15章 人命救助と腐った惑星地球滅亡の日

 するとその時、突如1人の男が全身から凄まじく眩しい黄金の光に覆われて現れた。光の中から老人らしき姿が映し出された。


 「あれ、あの時の仙人じゃないか?」

 

 その老人の全身からとんでもなく凄まじい明るさの光線を被害にあった方へ浴びせていた。その老人こそ先程までこのスタジオにいたケンだった。

 

 中継先からも大声で叫んだ。

 

 「ケンです。ケンが現れました!」

 

 「ようやく到着した模様。一体どうやって現れたのか?」


 事故で轢かれた男性の傍に突如として現れた。

 光線を浴びせた後、ケンの体から光は消えて驚いた様子の心臓マッサージしていた救命隊員の手を取り、ゆっくり後ろにいた諦めた救命医達のいる方へ歩いた。怪我した男性は大丈夫なのか?


 程なくして心肺蘇生をしていた人にケンが話し始め、笑顔で帰る準備を始めた。なんと、心臓が止まってほぼご臨終だった筈のその人が暫くすると目を開いて起き上がった。元気に動き出した。体に付いていた救命器具を取り払い、笑顔がこぼれています。


 普通に歩いています。助かったのでしょうか? 信じられません。何が起きたというのでしょうか? 瀕死の状態だったのに、ケンと言葉を喋っています。その男性は元気で事故など無かったかの様な姿です。信じられません。

 

 ここまでわずか数秒の出来事でした。

 情報を聞きつけた別のインタビュアーが電車で来たのか、今到着して、先程迄瀕死の男性本人と話を始めた模様です。程なくしてケンを乗せた筈の車もようやく到着した。車からカメラマンが出てきて、カメラを回しながら続いてその男性の傍に駆け寄った。

 

 「一瞬の出来事でしたが、ぶつかった時本当にめちゃくちゃ痛かった。頭をぶつけて、呼吸が出来なくなり、もう駄目だと思った。死ぬと思ってた。その後もう何も覚えていません。でも今、私も訳分かんない、再び目が覚めたら痛みは無いし、怪我が治っている。どうして? おかげ様で今生きているし、無傷だ。意識を失って、目が覚めたら治っていたなんて。奇跡でも無理でしょこれ。とにかく助けてくれてありがとう。」


 ケンの手を両手で握りしめ、何度もお辞儀した。

 

 続いてカメラマンが、カメラを回しながらケンに質問をした。

 

 「ケンさん、どうやったか説明をお願いします。この一瞬で何が起きたのですか? 確か今まで私と一緒の車に乗っていた筈なのに、あなたは突然消えてしまいました。一体どうやったのか説明が欲しいです。」

 

 ケンが答えた。

 

 「とてもじゃないけど中継車が間に合いそうに無かったので、通報してくれた救命医にスマホで状況を映すようにお願いしたんだ。心臓マッサージを受けているが、脳の損傷が激しくほぼ救命不可能な事態だった。のんびり車に乗っていてはこの人の命が持たなかった。勿論あなた方にそれを説明している暇もなかったし、とにかく事故現場に瞬間移動したんだ。救命医が諦める位この人の命は残りあと数秒だった。私のスキーム光線が事故で受けた傷口に1秒照射出来れば助かる命だったので、全身の光で僅か数秒後に絶命という状況よりも先に1秒の光線を届けた。間に合った。本当にギリギリ助かった。私の宇宙スキームでも今回のケースは難しかった。ほぼ即死に近い状況で10分以上心臓が止まっていたからね。」

 

 「もし亡くなられたら私でも死んだ人間の再生は無理じゃよ、救命医が必死に心臓マッサージで命を繋いでくれたからこの人は助かったんです。」


 「人助けは今みたいなチームワークが無いと助かる命も助けられない。私1人では無理でした。」


 「ここの救命医の方々を皆さん、番組を通して称えてください。この人たちがいなければこの方は死んでました。私一人で出来る事は限られている。どうかこれからも皆様、私に力をお貸しください。救える命を救いましょう。」

 

 麻美がタケに言った。


 「ケンはああ言っているけど、時間を操れるから、本当は死人も生き返らせる事が出来るみたい。でもケンはその一線は越えたく無いからしないだって。」


 ケンが間もなくスタジオに帰り、拍手で迎えられた。テレビアナウンサーが訪ねて来た。

 

「ケンさん、これだけの事を殆ど只みたいな金額でやられていては、あなたが維持費存続できないと思うのですが。」

 

 「そうですね、しかし多くのスポンサーを得られました。本日お越しの与党、野党の方にもご協力をお願いします。」


 議員全員から1人3000円を徴収します。それを党員数でかけると、およそ30億9千万円が得られます。そのお金を運営維持費と残りは優待会員の方に送金します。


 我々の会社資金が足りなくなれば追加でまたお願いします。この番組は生放送ですが、テレビの前で議員の方1人3000円の徴収を賛成して頂けますか?」


 「あなた方はこの人命を救うプロジェクトよりも、少しの収入を減らされることに抵抗しますか? 生放送で多くの国民が見てますので、はっきりとテレビの前でお答えいただけますか?」


 議員の方達は完全に一本取られてしまった。ここで断れば、瞬く間に支持率が落ちてしまう。


 「おのれ、小癪な奴等め。このままにはしておかんぞ。」


 と与党代表は心で完全にブチ切れていたが、国民第一を看板に掲げているので顔はニコニコしていた。


 「本当に素敵な方達が現れてくれました。感動しています。彼らにもう一度拍手を。我々も人々の為になる事なら喜んでご支援致したいと考えております。」


 タケが言った。


 「全く、どの口が言ってんだか。」


 その白々しさに呆れていたが、ここは完全にケンの勝利だった。


 

 後日この番組の反響は大きく、とても多くの方々から(株)シリウスの応援メッセージを頂くことになりました。与党、野党は嫌々承諾せざる得ない状況に追いやられた。この間の生放送で600件近い電話を頂きました。幸いにも緊急性のある報告は3件のみでした。その中の2件は次の日で間に合う病気だったので次の日対応したそうだ。かかって来た病気の内容と最も多く電話を頂いた県から順に訪問する事を決めました。1位東京2位大阪3位神奈川4位北海道5位埼玉…。与党、野党のバックアップで従業員の少ない現状を解決出来、スポンサーも政治家含めて多数得られ、こちらの収入も安定した。


 病人が落ち着いついてきたら、ケンは少子高齢化の老後の暮らしの立て直しを図ろうと考えた。


 

 少し時が流れ、色々とケンの提案した低所得者対策が功を奏し、このブームに乗り各企業からも協力者が増え、少しずつ立て直す事が出来る様になって行った。政治家もとても感謝されるようになっていった。高齢者、低所得者を思いやる心が政治家と国民の中でも芽生えていったからだ。ケンの意思に沿わない人をケンは直ぐ会員を剥奪したので、「弱者を助ける」精神が皆んなに広がった。

 

 協力する政治家達のこの行為が多くの国民から支持をもたらし、借金大国ながら結果を出せず、日々苦労を重ねた政治家達が息を吹き返したのだ。周りから期待される様になった。ケンが言った。


 「政治家凄い、建て前よりも考える前に動いて汗して実践している。海外にもはっきりとノーと言える信念を曲げない強い国になった。」

 

 低所得の真面目に努力する正直者が損しない世の中になってきてケンは嬉しかった。さて、自宅に戻り、ウイスキーでも飲みながらこれから世界からの依頼に対する返事を書いていこうと思った。


 「これからは世界からも扱われ方が変わってくるんじゃないかな?」

 

 だから世界の対応も変わるとこの時は信じていた。

 

 いきなり、テレパシーでカレックからだった。ミサイルが発射されたと。発射地点の映像がある。カレックの話だと軌道外れずに日本国内へ飛んでくるそうだ。発射した国はルダディオン王国からだ。テレビでも緊急特番が始まった。カレックが伝えて来た。

 

 「関東方面の着弾まであと6分程だ。ケン、スキーム技に飛んでくるミサイルの向きを180度変える技がある。向きを逆にしてそのままルダディオン王国に送り返せ。」

 ミサイルの向きを変えたら、カレックが手を貸した。すかさず、ミサイルをワープさせてくれて、発射地点にそのまま着弾。返品した。

 

 「ズドーン。」

 

 凄まじい威力の爆弾だった。関東方面に落ちていたら関東全域やられていた。なぜ核ミサイルを撃ったんだ? 昔から日本は相当恨みを買われているんだな。とりあえず、私の未熟なスキームでも、ミサイル回避は出来るのがわかった。カレックにワープで発射地点への着弾返品は頼むけど。なんか凄まじい放射能みたいだ。日本、地球は大丈夫なのか?

 

 カレックからまた緊急連絡があった。今度はボグルカからミサイルが発射された。なんでこんなに狙われるんだ? 非常事態だ。世界戦争の始まりか? 二国間の作戦みたいに思えた。

 2発目はすぐ気づけたので、ケン一人でミサイル返品が行えた。

 

 「ズドドーン。」

 

 発射地点に着弾成功。こちらの方がより衝突威力は凄まじいみたいだった。映像が無いのでカレック情報だ。日本の被害は今の所大丈夫みたいだ。

 またもやカレックからだ。

 

 「ケン、やばい。次のは危険、光だ。わしのスキームでも止められない。宇宙からのエネルギーガンマを一点に集中させた恐ろしいレーザー光線(オメガ)だ。無理。今すぐ地球を離れろっ!」

 

 「またか? 離れろって? どうすればいい? 私の周りの仲間達はどうなる? 助けてほしい。」

 

 その時カレックの神聖なる時間帯が到来したのだった。

 

 「カレー食ったら〜ウンコッコッコココーオー、ブリブリドカン、それゆけっウンココッココッココッコ〜ウンココッココッココッコ〜」

 

 「ちょ、ちょっと、カレックー! アホかっ! 国歌斉唱。まじ、こいつ歌い始めたぞ。どうすんねんてっ! 助けろっ! ドアホッ。」

 

 精一杯の声を出したが、届かなかった。

 

 「カレックーッ!」

 

 「ズドドドーンッ!」  「ブリッ。」


 一瞬の出来事だった。

 …その後、すべての声が聞こえなくなった。今世界の終了なのか? 地球の終わりか? 熱くて真っ暗な世界。俺は死んだのか? ここが天国か?


 私は結局宇宙スキームでも誰一人助ける事が出来なかった。悲しい。とても熱い。ミサイル投下され、一瞬の出来事だった。カレックの野郎、あいつ最後に屁こきやがった。最悪やあいつ。もう私は虫の息だが、腹立つわ。私が聞く最後の音だなんて。神様ー惨いよ。無念だ。彰子に一目会いたい。


 涙ながらそのまま私は眠りについたのだった。


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