第11章 新たな会社設立
昨日のメンバーと15時頃に再び会った。近くのコーヒー屋に入った。
「なあタケ、そういえばまだそこの2人の名前を聞いていなかったよの、自己紹介をしようぞ。」
「私は麻未。今彼らと同じ情報学部大学生。2人は友達。私ね、昔から強い男に守ってほしい憧れがあって。それで2人とは仲良くなったわ。将来は洋服が好きだからアパレル希望かな。よろしくね。」
「私は翔です。同じ情報学部だよ。趣味は空手です。黒帯です。ずっとやっていたいけど、今は他にやりたいものが無いです。宜しくお願いします。」
私は武です。みんな私をタケと言ってます。高校まではヤンキーのヘッドでした。喧嘩ばかりしていましたが、今は真面目に居酒屋でバイトしながら真面目な大学生活を過ごしています。宜しく。」
ケンが言った。
「あ、そう、私の隣のこちらは今日私と仲良くなったばかりのリュウじゃ。」
「大学生の皆さん、初めまして。私はリュウです。27歳。ついさっきまでヤクザでした。ですが、ケンさんに魅せられて辞めてきました。宜しくお願いします。」
流石に少しみんな引いていた。なので私が、フォローした。
「皆んな、彼は大丈夫だから。わしが保証する。騙された回数も多くて誤った道に入ったが、心根は真面目でリーダー的存在だ。私が彼の人生を取り戻した。もう大丈夫じゃ。麻未が憧れる様な男かも知れんよ(笑)。」
「で、わしじゃが、わしはケン。実はこの姿は変装している。気付かなかったかい(笑)?」
そう言ってスキームで変装を元に戻した。スキームなので、カツラをつけている訳では無く、念じて変装を解く。私はまだ51歳。物販卸と警備の仕事をしている。仙人なんかではないよ(笑)。
皆、ほっとしたのか、麻未が言った。
「なんだあ、びっくりした。汚らしい格好で変な魔法を使う爺さんから、本当は気味悪くて怖かったし。でも普通の人間で本当良かった。ねえ、あの魔法はトリックかな? ケンさんは名の知れたマジシャンなの?」
タケが言った。
「弟子になりたいです。そのマジック教えてください。」
私を完全に手品師だと思っているみたいだ。
「タケ、手品で口内炎治せるか? タネは無いぞ。」
「ここは手品教室じゃない。私はマジックなどはしない。最初にあなたたちが魔法と言っていたけど、言っちゃうとあれは確かに本物魔法だ。」
「今日ここで皆に来てもらったのは、俺会社を作ろうと思ってる。一緒にやらないか? その誘いだ。」
翔が聞いた。
「どんな会社ですか? 我々は受け子ですか?」
「お前なあ、…。」
流石に全く誰も信じていないみたいだ。まあ無理もない。正義を売り物にする奴程怖いものは無いからな。
「まだ構想段階だが、来月から始めたいと考えている。仕事は病気、ケガ治療相談専門所。病気ケガ相談は、近所の安く治してくれる病院を紹介するのでは無く、私が実際に治す。会員制にする。あなたたちにはバイトでもいい。手伝わないか? リュウは正社員にする。これからのリュウの未来を1人立ち出来るまで俺が面倒みる。あんた達も大学生だ。俺が後ろ盾になれば人生は楽しいかもよ。」
麻未が、聞いた。
「ねえ、会社名は何にするの?」
「じゃあ、次会うまでに3人で考えてよ。良ければ採用するから。」
「あとさ、患者は会員制にするから年収300万円以下の人は年会費只にする。受診料は軽症の場合3000円から。例えば末期等重症者でも1回最大3万円。医療では無いから保険は使えないが、お薬代は掛からない。良くなるからね。年収制にすると必ず嘘つく奴が出てくるから、それをあなたたちに見分けてほしいんだけど。宜しくね。」
「実は今から病院に行く。私も頂いたこのスキーム技を覚えている最中で、まだ全然全容が分からない。ただ、悪の組織を倒す力はあるみたい。ちょっと病気怪我での力を確かめたい。お前達もそれ見たら実感わくだろ? 一緒に来ない?」
「そうだね、面白そう。どんな技か見せてよ。」
我々は近くの某病院を訪れた。私は再び仙人の格好に化けた。と言っても医師免許が無いので、いきなり院長に会える訳も無く、症状の重たそうな患者を皆んなに探してもらった。19時迄は普通に面会が許されている。ケンは遠目で見てみた。重患は個室にいる場合が多く、扉が開いて、人が集まっている。私の様な他人が入る訳にもいかず、誰も私の話等聞く人もいないだろうから、そっと通り過ぎてみて中を伺った。するとタケが言ってきた。
「今入口ロビーでピアノ演奏会が始まったよ。皆んな見てるからそこでとりあえず病気の人も来ているから治してみたら?」
我々がどんな病気か聞いていつ発症したか聞いてみる。手を上げたら来て。フォローするよ。
暫く待っていたらどんどん手が上がった。近くにいる人から、このおじいちゃんは車椅子で3年前から足が動かないらしい。
それだけ聞いたらケンはそのおじいちゃん全身に10秒照射した。おじいちゃんに言伝をした。
「今から30分は足が治った事を黙っていてね。」
そう伝えると、次はがん患者、やけど、失明や認知症の疾患の方に光線を浴びせた。10人位は治せたか、周りが気づきだして演奏中ではあったけど、いよいよ騒がしくなってきたので、退散した。ケンは人間では無い力の証明と驚かす為に瞬間移動して消えた。周りをびっくりさせた。先程の個室の人が集まる部屋に行っていた。
この人は70過ぎ位のおばあちゃんで、肺を患った末期癌だった。相当深刻な状態だ。医者も見放したか、一人の看護婦さんがたまに来るだけだった。
流石にここから、光線を飛ばして治せる自信は無かった。しかも寿命があと数時間な状況だった。私も近づければ治療可能だが。死亡間際の人にチャンスを与えたかった。
そこで私のスキームで更に高度な術を思いついた。私の光線を出す右手だけ瞬間移動させる。布団の上だとみんなにわかって、手だけ出ていたら恐怖で騒ぎになると思い、布団の中の肺の当たりを患者には触れないようにして光線を浴びせた。
目標は10秒。1,2,3,これの欠点は光が眩しい為、例え布団の中でもわかる明るさだった。5秒で見舞いに来ていた一人に気づかれたので、来ていた全員を金縛りで固めた。
結局15秒程光線は浴びせることが出来、15年前の体に戻せた。皆んなの金縛りも解いた。左手、左足はパンパンに膨らんでいたのだが、みるみる腫れが治り、ばあちゃんは付けていたチューブを外して、飛び跳ねて歩き出した。
来ていた人の目が点になり、それを見た人は突然光が出て病気が治ったんだと話していた。お見舞いの人が直ぐに連絡してお医者さんが飛んできた。
なんと、末期だった肺癌が治ったと大騒ぎだ。皆が大喜びだった。
下でピアノを聞いていた入院患者も突然病が消えて、お医者は訳わからず、鳩が豆鉄砲食らった様な顔をしていた。おばあちゃんも嬉しさでよく喋る事。医者の前で先程危篤だった筈の重体患者が今スキップして歌を歌いながらニコニコ笑って見せていた。
私はそれを見て嬉しかったのだが、ここで素性を明かして名前を知られては、今後動きずらくなるので今日はこれで退散した。
後日この病院は神が宿る病院として、ニュースになり病院長と共に突然治った患者が嬉しそうにインタビューを受けていた。
それを多くの人が見ていてバズった。患者がみるみる増えて大繁盛したそうだ。
後日病院監視カメラの録画した映像が出回り、「光を出して病気を治す仙人様が直後消えていなくなる映像」が出回り、ここで仙人のおじいちゃんに会えたら幸せになれる。等と騒がれ話題の病院となった。
皆んなが戻ってくるとケンの技の凄さが伝わったみたいだった。
「これ、いた時間は僅かだけど物凄く皆んな病気が治って騒いでたよね、これで映像あるし仙人の顔は有名になるよ、ケンもう仙人は出来ないんじゃない?」
「いや、他にも病院も行ったら皆んな喜ぶよきっと。今ヒーローだから。」
「今日は遅くなったね、帰ろう。とりあえず、明日から土日になるからまた月曜日最初に会った道で待ち合わせしよう。じゃあまた月曜に。」
その時、麻未が、言った。
「ねぇ、今度男達で誰が一番強いか試合しない? 皆んなカッコいいし、私のタイプです。勝った人とお付き合いしたいです。いかがでしょうか?」
翔が、飛びついてきた。
「本気か? 俺ずっと麻未がタイプだったんだ。俺黒帯取ってから今は負けた事が無い。参加する。タケはやらないか?」
「うん、面白そう。やろう。」
そうタケが返した。
「リュウさんはやりませんか?」
「私は先程まで人間のクズだったので、麻未さんの彼氏にはなれませんが、試合だけなら参加します(笑)。」
リュウはそう言って、次にケンが返した。
「私は彰子とお付き合いしてるし、格闘家じゃない。技は魔法使いだから、審判やるよ。」
そうして突然麻未の彼氏決め対決試合を行う事が決まったのだった。
まだしかし彼ら3人がこの仕事をやるとは言っていないが、とりあえず今日は遅くなってしまったのでこれで別れた。




