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三兄弟  作者: 一二三


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末っ子という生き物 −1

 この春から高校生になった末っ子のサンについて。

 タイトル欄に『末っ子の高校受験』と書き込んで、特に勉強とか受験とかで括るような内容も無いことに気が付いた。なのでタイトルを変更して、こちら。

 三男サン(仮名)中学3年生の初夏。

 「ママ、これサイン書いてー。」

そう言って差し出して来たのは高校のオープンスクールの希望申請書(高校に提出する物ではなく中学校内の物)だった。参加したい高校名をいくつか書くようになっていて、既に三男が一校書き込んでいる。


 『新潟県立新潟高等学校』

とは、お兄ちゃん二人が卒業した県内で最も偏差値が高い高校だ。県高の愛称で呼ばれている。

 「え?オープンスクールだよ?何で県高?」

 「友達が一緒に行こうって言うから。」

うわ、しかも希望理由の欄に『兄が行ってたから』って書いてある。

 「オープンスクールっていうのはさー、受験したいとか、どうしようか考えてる人がその学校をより知る為に行くものでしょ。君関係ないじゃん。行くならもっと他があるんじゃないの?」

 「行ったっていいじゃん。もしかして行きたくなるかもしんないじゃん。」

行きたくなったからって、行けないと思うけどな。どの位行けない感じかというと、彼の中学校で最上位何人かが県高に行くと思われるが、上中低で分けたら多分彼は低層の上。くらい、多分。とはいえ興味を持つこと自体は良いので否定もしにくい。

 「まあ、好きにすれば良いけど。でもコレは書き直し。」

 「え?どれ?」

何がいけないのか全く思い当たりません、みたいな顔で言う。こういう所だけお兄ちゃん達に似ているんだよな。

 「希望理由。兄が行ってたから、何?あなたと何の関係が?」

 「え?お兄ちゃん達が行ってたから?」

 「お兄ちゃん達が行ったから君も東大とか東北大行くんですか?」

 「いや、それは無理。」

 「兄がその高校に行ってこんな素晴らしい経験があったから、とか話を聞いて楽しそうだったから。じゃないの?」

 「確かに!そうだわ。ありがと、ママ。」

調子がいい。話が早くて楽チンだが、都合の良いように流れるだけで本当に己を省みたりする訳ではないので同じ過ちを繰り返しがち。色々出来ないけど自己肯定感がやたら高くて、鉄メンタルなポジティブ怪獣。


 彼は希望した通り県高のオープンスクールに参加して、「楽しかった!」と帰ってきた。

 こんな流れだが、別に『優秀な兄達にバカにされながら育った俺が超進学校に入って見返す話』とかではない。

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