次男の大学受験 −5
「ねえねえ、あんまり考えてなかったんだけど。」
次男のいない夕食の席で、夫に向かってそういえばと口にする。
「ニーニーって、東北大落ちたらどうすんの?」
「浪人。」
「あ、ちゃんと話してたんだね。どうするにせよパパに自分からちゃんとお願いしないとダメだよ、とは言っといたんだけど。その後どうなったのかなぁ、と。」
そう、国公立オンリーで就職活動なんて勿論してないので現実的には浪人一択。しかし夫は還暦間近の公務員で、再任用になると役職を外れてお給料は現役の6~7割になるとか聞いている。未だ中学生の三男にプラス浪人生(大学生だってお金は掛かるが、浪人は『出口が見えない感』が重い)かー。頼む、受かってくれ。
「東北大って、後期どのくらいの募集なんだろ?」
長男の受験は前期東大、後期は筑波大。その時の筑波大の募集は10人で、絶対無理だと思った。10人の中に入るよりは何となく東大理I募集人数凡そ1100人の内に入る方が(もちろん気のせいだが)アリな気がして、元々『筑波大いいな〜』と思っていた割に東大合格を強く願ってしまった。
次男は元々東北大志望だったのに、今更そこ?という顔で夫が言う。
「20人とかじゃなかったかな。」
「おお、筑波10人の倍。でもやっぱりそんなもんなんだ。」
「東北大の方が大きいし、受ける人数も多いでしょ。」
「だよねえ。ニーニーすごいな。」
20人って。同じように優秀な子たちが集まった中で20人の内に入るために頑張ってると思うと、我が子ながら頭が下がる思いだ。私はそんな事する気になれない。こういう所、自分に似なくて本当に良かったと思う。
何か浪人する事になっても気持ちよく応援出来そう。夫婦してほんわかそんな気分の夕食を終えた。
試験の十日後、合格発表の日。朝から夕方までバイトのシフトに入っていた私は発表確認後すぐに次男が連絡してくるとは思えず、昼休みにスマホで確認出来るよう必要なキーを控えて出かけた。
合格。ヒャッホー!
ああ、めちゃめちゃ嬉しい。こんなに嬉しいとは、意外だ。
次男からは何も連絡が無かったが、夫から「受かった!」とメッセージがきた。
無事合格して、次男もやっと少し『ほにゃ』っとしたが、ここからがまた忙しい。
今ここが3月22日。入学式は4月3日。まだ住む所も決まってない。




