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不幸少女は、二度目の人生で勇者を救いたい  作者: 梅道
第2部 亡き王女との約束 第2章 殺人事件
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殺人事件発生!!

「きゃーーーー!!!!!!」


ゼルト村の静かな夜を破るように、 女性の悲鳴が宿屋全体に響き渡った。

サクナははっと目を覚まし、 アイカも少し遅れて飛び起きる。

サクナは反射的にベッドから降り、 近くに立てかけていた勇者の剣を握った。


サクナ「アイカ、見に行くよ」


アイカも立ち上がるが、寝起きでふらふらしている。

サクナが部屋の扉を開けると廊下には鉄のような血の匂いが漂っていた。

そこには、 背中に刃物を深々と刺されたまま倒れているエルフの男。

その周囲を、宿屋の店員(夫婦)、ドワーフの男、獣人の男が 怯えた顔で取り囲んでいた。


サクナ「どうしたんですか」


宿屋の店員「エルフのお客様が……死んでいて……!」


サクナは倒れたエルフの背中を一瞥し、 静かに言った。


サクナ「……誰かが刃物で刺した。即死だね」


アイカはその場の空気に飲まれながら叫ぶ。


アイカ「殺人事件だ!!!!!!!!!!!!」


その後、 宿屋に駆けつけてきたのは村の治安を守る役人たちだった。

異世界では「警察」という言葉は存在しない。

彼らは 《治安官(ちあんかん)》 と呼ばれている。

革の胸当てをつけた治安官の男が、 倒れたエルフを見て眉をひそめた。


治安官「……まずは話を聞かせてもらいます。第一発見者は誰ですか?」


宿屋定員である夫婦の夫が話始めた。

宿屋夫婦の夫「はい、私です。」


治安官「あなたは?」

宿屋夫婦の夫「この宿屋の者です」


治安官「発見当時はどんな状況でしたか」


宿屋夫婦の夫「今と変わりません。エルフの男が倒れていました」

宿屋夫婦の夫「その後、驚きのあまり叫んでしまい……皆さんが出てきました」

宿屋夫婦の夫「来られた順番は、妻、ドワーフ族の男性、獣人族の男性…… それから、人間族の女性と人間族の少年です」


治安官「そうですか。」


治安官「ちなみにあなたとこのエルフに、過去に何か関係は?」


宿屋夫婦の夫「はい、常連様ですが……個人的な関係はありません」

横にいた妻も、ものすごい勢いで頭を上下する。


治安官(特段怪しいことはない……だが第一発見者だ。警戒は必要だな)


治安官「ドワーフの男性。あなたとエルフの男性は関係がありますか」


ドワーフの男「おいらとコナカは同じ冒険者パーティーだぞ」


治安官「コナカとは?」


ドワーフの男「エルフの男性の名前だぞ。 そしてこいつも同じパーティーメンバーだぞ」

ドワーフの男が獣人の男性を指さす。

獣人の男性がうなずいた。


治安官(冒険者パーティー……仲間内の揉め事で殺害、あり得るな)


治安官「次、そこの美しい女性」


サクナは自分を指さす。


サクナ「美しいって私ですか?」


サクナは自分が美人だということを把握していない。


治安官(美しい……絶世の美女だ……)


サクナ「悲鳴が聞こえて、びっくりして現場を見に行きました。 僕達はこのエルフの方とは赤の他人です」


アイカはサクナを見つめる。

アイカ(また第一人称が“僕”に戻ってる……)


治安官(美しい声だ……!!!)

治安官「僕達!!!」


サクナ「はい。僕とアイカは同じ部屋に泊まっていました」

アイカはうなずく。


治安官「僕っ子ってやつかぁ。」

治安官「それにしても兄弟にしては顔が似てないな。恋人か……うらやましいな。」


治安官(もう、この男が犯人でいいのではないか)


治安官「主人、これでこの宿にいるのは全員ですか」


宿屋夫婦の夫「いいえ、もう一人……ダークエルフの女性がいます」


アイカには宿屋夫婦の夫がにやりと微笑んだように見えた。


治安官「な、なんだと……ダークエルフ!!」

治安官は驚きの声を上げた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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