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不幸少女は、二度目の人生で勇者を救いたい  作者: 梅道
第1章 人生やり直し 編
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不幸少女はタイムリープをする

女性は震える声で問いかけた。


女性「……いま、私に何をしたのですか?」


魔王は冷たく笑った。


魔王「呪いをかけた。 お前の血を引く子孫は、必ず不幸な人生を歩む。そういう呪いだ」


その言葉は、未来へと続く長い闇の始まりだった。



数百年後。


魔王の呪いは途切れることなく続き、 ひとりの少女の人生を容赦なく蝕んでいた。


少女は生まれた瞬間から運が悪かった。

両親を目の前で殺され、 スラム街でひとり生きるしかなかった。


世界は冷たく、残酷で、 少女に微笑みかけるものは何ひとつなかった。


あの日、あの少年に出会うまでは。


少年は異世界から来たという、不思議な存在だった。

彼と過ごす時間だけが、少女にとっての“幸せ”だった。


けれど、その幸せは長くは続かない。


ある日、少女は奴隷商人に誘拐されてしまう。

少年は必死に少女を探し回った。


その行動がきっかけで、 少年が異世界から来た勇者であることが王に知られてしまう。


少年は魔王討伐を命じられた。


そして、 魔王との激しい戦いの後遺症により、少年は命を落とした。


少女は、すべてを失った。


胸にぽっかりと穴が空いたような感覚。

世界から色が消えたような錯覚。


気づけば、涙が頬を伝っていた。

声が枯れるほど叫んでも、少年はもう戻らない。


少女にできたのは、 少年のために小さな墓を建てることだけだった。


それから少女は、毎日のように墓を訪れた。

雨の日も、風の日も。 ただ静かに、語りかけるように。


何年も。 何十年も。


気づけば、少女だった彼女の背中は丸くなり、 白い髪が増えていた。

それでも墓の前に立ち続けた。 あの少年を忘れたくなかった。


寿命の終わりが近づいたある日、 彼女は静かに自分の人生を振り返る。


「もう一度……会いたい」


頬を伝う一筋の涙。


やがて、彼女の呼吸は静かに止まり、 長い人生は幕を下ろした。


* ** ***


死んだはずの彼女は、意識を取り戻した。


視界に広がるのは、見覚えのある薄暗い空間。 鉄格子に囲まれた檻。


「……ここ、は……?」


腕を動かそうとすると、じゃらりと鎖が鳴る。

手首には枷。 そして、自分の手が…やけに若い。


「……過去に戻ってる?」

思わず息をのむ。


少女は周囲を見渡し、記憶が一気に蘇る。


「ここは……奴隷市場。 私が誘拐されて、売られそうになった……あの日の前日……?」


その瞬間。


ガタンッ!


何かが倒れる音が響いた。


少女は反射的に顔を上げる。


そこに立っていたのは、ずっと会いたかった少年だった。


黒髪黒目の少年。 彼の名前はアイカ。


「……アイカ君……アイカ君?」


アイカ「ナギ!!」


少年が叫びながら駆け寄ってくる。


アイカ「助けに来た!!」


その声を聞いた瞬間、 胸がぎゅっと締めつけられた。


震える唇から、か細い声がこぼれる。


ナギ「……会いたかった……」


アイカは迷わず手を伸ばした。


その瞬間


奴隷商人「動くな!」


檻の影から、彼女を誘拐した男が現れ、 ピストルを構えた。


ナギ「アイカ君!!危ない!!」


銃声が鳴り響いた。


アイカの頭に弾丸が当たる。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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