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14.視界なき戦場

メイメイ「俺たちのターンだだだだだだだだだだだだだ!!!!」

元魔王軍四天王であるメイメイが主人公の相棒のようなセリフを言う。


その声は、玉座の間の空気をぶち破るように響いた。

魔王軍四天王ハラヤの表情が一瞬で歪む。

ハラヤ「この……裏切り者がぁああああ!!!!!!!」


怒気と困惑が混ざった叫び。


だが

アイカは目を閉じたまま、一歩も動かない。

アイカ「メイメイ。俺はいつまで目をつぶればいい」


静かな声だった。

恐怖を押し殺した、戦う者の声。


メイメイ「いいか、ハラヤを“見るな”。絶対にだ」

メイメイ「ヤツの能力は視認がトリガーだ。目を開けた瞬間、終わる」


一拍置いて、にやりと笑う気配。


メイメイ「……でもな」

メイメイ「見なきゃいいだけだろ?」


アイカ「……」


メイメイ「俺が“目”になる」

メイメイ「お前はそのまま殴れ」

短く、明確な指示。


メイメイ「前にすすめ!!!!」

次の瞬間

アイカの身体は、もう動いていた。

躊躇は一切ない。

視界ゼロのまま、一直線に踏み込む。

そして

メイメイ「殴れ!!!!!!!!!!!!!!!」


ドンッ!!!!


空気を裂くような衝撃音。

振り抜かれた拳が、ハラヤの座っていた玉座を粉砕した。

石が砕け、破片が飛び散る。


ハラヤ「あ、あぶなっ……!」

間一髪で回避したハラヤの頬に、冷や汗が伝う。


ハラヤ「な、なんだコイツ……目を閉じてるのに……!」


メイメイ「左下、一発」

迷いのない声。


アイカの拳が――迷いなく振り下ろされる。

ゴッ!!

鈍い音。


ハラヤの顔面が、真正面から弾けた。

ハラヤ「がっ……!?」


よろめく。

歪む。


理解が追いつかない。

ハラヤ「なんでだ……なんで当たる……!?」


ハラヤ「見えてないはずだろうが!!」


メイメイ「そりゃ見えてねぇよ」

メイメイは肩をすくめるように言った。


メイメイ「代わりに俺が見てるだけだ」


ハラヤ「……っ!!」

ハラヤ「貴様……魔王様を裏切ったくせに……!!」

ハラヤ「何が目的だ!!」


一瞬の沈黙。


そして、メイメイは淡々と答えた。

メイメイ「理由か?」

メイメイ「……魔王様の“真実”が知りたいだけだ」


ハラヤ「意味が分からん……!」

本気で混乱した顔だった。


その隙を逃さない。


ハラヤは苛立ち紛れに、唾を吐きつける。

ハラヤ「舐めるなよ……ッ!」

だが。


メイメイ「一歩前。少し右」

メイメイ「下に拳を振れ」


アイカの身体が反応する。

避ける。

踏み込む。


そして

アイカ「……汚いんだよ」

低く、押し殺した声。


次の瞬間。

ドドドドドドドドッ!!!!

拳。

拳。

拳。

一切の迷いがない連打。


視界がないからこそ、恐怖もブレもない。

ただ“叩き潰す”意思だけがそこにある。


ハラヤ「や、やめ」

ゴンッ!!

言葉ごと、殴り飛ばされる。


メイメイの指示は止まらない。

メイメイ「もう一発、顔面」

メイメイ「次、胴」

メイメイ「そのまま押し込め」


アイカの拳は、嵐のように降り注ぐ。

ハラヤの存在が削られていく。


そして

やがて。

ハラヤの身体が、ふっと力を失った。

膝から崩れ落ちる。

その輪郭が、淡い光へと変わり始める。

粒子となって、空中へ溶けていく。


ハラヤ「……はは」

最期に浮かべたのは、奇妙な笑みだった。


ハラヤ「よくぞ……私を倒した……だがなぁ……」

アイカは目を閉じたまま、拳を下ろす。

荒い息。

血の匂い。


メイメイ「……もういい、開けていいぞ」

ゆっくりと、目を開ける。

現実が戻る。


ハラヤはもう、ほとんど消えかけていた。

ハラヤ「あ、あの……最後ぐらい話を」

涙を浮かべている。

ちょっと必死だ。

だが。


アイカは完全に無視した。

アイカ「ナギ!!」

一直線に駆け寄る。

膝をつき、肩を掴む。


アイカ「もう大丈夫だ」

アイカ「ハラヤは倒した」


ナギの瞳が、ゆっくりと焦点を取り戻す。

震えていた呼吸が、落ち着いていく。

ナギ「……ありがとう、アイカ」

ナギ「もう……大丈夫」

弱く笑う。


その表情に、さっきまでの恐怖はなかった。

遠くで。


ハラヤ「え、ちょ、ちょっと待って」

ハラヤ「ほんとに聞いてくれないの……?」

完全に取り残されていた。


そして――

さらさらと、光になって消える。

断末魔も、威厳もない。

ただの“置いていかれた人”みたいに。

完全消滅。

静寂が戻る。


メイメイ「……よし」

メイメイは満足げに腕を組んだ。

メイメイ「これにて一件落着!!」

メイメイ「いやー俺のおかげだなこれは」



こうして、魔王軍四天王ハラヤを討伐した。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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