第13話「四国の魔女たちはこの物語のうえで踊る」
朝。ソラは目を覚ますと横に高津しかいない光景を目にする。
目を擦る。
「うげっ……何だよ……コイツと2人きりだったのかよ……いや。違う。萌香は?」
ソラはキョロキョロとあたりを見渡す。
すぐに置手紙があるのを知る。
『野茂重道の家族と母さんの墓のまえで会う。もしものことがあっても、何にも気にしないで欲しい。元気なお前と会えて良かった。広島で元気に。ふうた』
萌香の汚い字よりも遥かに達筆。
「じゃないわ。何コレ。遺書みたいじゃん……」
ソラは高津が起きるのを待つ。どうやら萌香だけでなく風太もここにはいないようだ。高津が起きると「萌香の母さんの墓場までいくよ」と彼に言って一緒に動くことにした。
墓場近辺には警察がいた。
「何かあったのですか?」
「墓場荒らしがあったみたいで。しばらくは立ち入り禁止なのよ。お墓参りかい? 申し訳ないけど、もうしばらく待って貰えないかな」
壮年の警官がそう言う。どうやらそこで何かあったらしい。
「おい、段ボールから出てこい」
「イエッサー! マイハニー!」
段ボールから高津がヌッと出てくる。
「四国にもCEAはいるの?」
「そうだね。そんなに隊員はいないけども、舛添さんと仲いい板尾氏率いる隊がいたと思う」
「板尾……なんかどっかで聞いたことがあるわね……」
「国会議員だよ。たまにバラエティ番組にでてくるね」
「あぁ! 中谷知事とも仲いいっていう! テレビでもSNSでもみるわね!」
「まぁ僕たちは舛添さんと対峙したものだから、ここのCEAがいま、何をしているのかは知らないけども……あの、マイハニーはここに残るの?」
「うん。萌香をまず見つけないといけないでしょ? アンタは帰るの?」
「帰るワケないじゃないか。君がその気ならここでマイホームを建てる」
「勝手にやれ。虫野郎」
所は変わり香川県さぬき市。イルカと戯れる一人の魔女がいた。
「玉木様! 小池様から至急の連絡が入っております!」
「今手が離せないの! この後はうどんを食べる予定があるから、それが終わり次第にバックすると言っておいて!」
「うどんを食べる前だと駄目なのですか!?」
彼女はイルカの背中にのって遊んでいた。ここはドルフィンパークさ・ぬ・き。イルカたちと触れ合うことを趣旨としたテーマパークだ。平日で休館日の今日のような日は人知れずイルカたちの遊ぶことに耽っている。巨大魚を召喚する事のできる彼女はこのテーマパークの館長にして四国末廻組の理事長を務める。
徳島県と兵庫県を結ぶ鳴門大橋を一台の高級車が通る。
「なんかだるいわぁ。これで何にもなかったら、マジで無駄足やなぁ」
その真っ黒な車に乗っているのは関西の巨大魔女集団「茜連合」の幹部、高崎砂奈江。通称というか自称「砂かけレディ」の魔女。
徳島県の徳島市の阿波踊り交流センターで踊る一人の魔女。
「小池局長。高崎殿がもうそろそろお見えになります」
閉ざされたホールで目を閉じながら魔法を使ったオンステージを披露しているのは四国末廻組局長の小池忍。彼女は愛媛から徳島にやってきていた。
「小池局長! 聞いていますか! こい……け……きょく……ち……美しい……」
彼女の舞はどんな者でも魅了する。最強の魔術であった。
四国各地で物語は動いている。ここ高知の四万十川を渡る船にも一人のオカマとその部下たちが乗る。
「そこで保護しているの?」
「はい。誰にも見えなくしております」
「そう。じゃあアナタ、そろそろアタシたちもみえなくしてくれる?」
CEA幹部・板尾敦盛はその船に彼の子分と末廻組の魔女と乗船していた。
「はい。いきますよ? ちょっと熱くなりますが我慢を」
彼らが乗っている船の頭上に大きな魔法陣が浮かび上がる。
船は見えなくなった。そして四万十川流域にある洞窟の中へと入ってゆく――
この章は愛媛だけでなく他県の四国も舞台としております。
今回でてきた「ドルフィンパーク」は「ドルフィンセンター」というテーマパークが本当にさぬき市にあるということで。気になる人は是非ともググって欲しいと思います。「阿波踊り交流センター」は「阿波踊り会館」ですね。高知はなんといっても四万十川。その流域に秘密の洞窟があるとかワクワクするよねという話でありました(笑)
どんどん物語は進んでゆきます。そういえば萌香たちはどうなってしまったのか?次号(#^.^#)m9ドーン!!!




