第14話「いま四国がどうなっているのか教えてあげよう」
魔女たちは話し合う。
「どう? 意識は回復しそう?」
「はい。比較的早く手当てもおこなえました。寝不足だったのでしょう。いま、目を覚まさないのは傷が深いからではありません」
「そう。新馬さんなら確かに頼りにできる」
「ヘヘ……副長にそう言われると照れますね」
「舩山さん、お父さんのほうは?」
「石垣の里を散策されています。逃げそうではないですね」
「まぁ逃げて貰っても構わないけど、このコはそうでない……うまく話さないと」
「副長……おととい殺し合った敵ですよ? お互い冷静に話ができると?」
「ふふっ、ここは密室よ? ここなら私は無敵になれる。心配しないで」
ここは愛媛県愛南町。石垣の里にある喫茶店「Mugen」の奥にある和室。
「ん……」
萌香は目を覚ます。
「何ここ?」
「おはよう」
「お前は!? あの爆弾魔の魔女!?」
萌香が戦闘態勢を構えようとした時にまたグラッとした違和感をその身に。どうにここで戦っても彼女に対して勝ち目はないということが分かる。
「色々誤解されているようで。確かに殺し合おうとした仲だったけども、いまはそうでない筈。もしも貴女たちを殺そうと言うなら手当もしたりしないでしょ?」
「手当て……パパは……」
「ええ。治療したわ。ウチに戦闘よりも治療に長けた後輩がいてね。貴女の木刀に叩かれたっていうのに貴女を助けてくれたのよ。感謝こそすれば? 林萌香さん」
「名前を名乗って……あとこの重苦しい空気を何とかしてよ」
「りょ~かい!」
彼女が黒ステッキをとりだすと一気に心地よい空気に様変わりする。
「うわっ……メッチャ気持ちいい……フカフカのソファーで休んでいるみたい。あの、お名前を聞いていいですか?」
「桐生みちる。四国末廻組の魔女よ」
「ミマワリグミ? 広島にいる変態魔女集団と同じような人たち?」
「神泉組のことかな? 魔女の集まりではある」
「私やパパを救ってくれたのは感謝するけどさ、私とソラたんを襲ってきたのは事実だよ。目的は何なの?」
「九尾の打倒よ」
「中谷県知事ね」
「そうとも言う」
「私はあのババァが何を考えて何をやろうとしているのかなんてどうでもいいの。でも、それでパパや地元のみんなが迷惑を被るなら嫌だなって思ったの。だから広島からやってきた。そしたら重道さんの娘が四国にやってきてパパを殺そうとして……もう何が何だか分からないよ。ていうか、私たちを襲った理由はナニ?」
「殺害は目的じゃなかった。捕縛が目的だった。でも、貴女の殺気が私の殺気を逆撫でたの。野生の本性ってヤツ? 貴女はただの蛮狸じゃないよね。正直興味を持っているよ?」
「持っていらん。あと、このまま広島に帰ろうとも思わない」
「あら」
「私をぶん殴ったアイツを同じぐらいぶん殴ってやるの。それで帰る」
「彼女の情報ならあるよ? でも、彼女と喧嘩するなら九尾と戦わせてからでもいいかな? 秋桜が本格的に再結成するって話にもなっているからね」
「秋桜が!? 何で!?」
「塩塚萌々子。彼女が雷同十太郎を退かせて新世代の総長を襲名した」
「トンキッチャンを退かせて!?」
「うん。これは確かな情報。ただ私たちとしては九尾の計画を止めることの方が優先だからね。貴女が彼女を殺しにいくっていうなら……それを全力で阻止する」
「………………」
ややこしい話だ。どうしようもないと思った萌香は桐生とずっと合わせた目を逸らす。
「そこにあるフラスコは何? 毒でも作っているの?」
「はは……犯罪集団みたいにみられているのね。私はここで喫茶店をしているの。ムゲンっていうお店。チョットお茶でも飲んでく? そこのフラスコに入っているのは新しいブレンド茶。和風のお店ってことで拘って研究しているの」
「ふうん……あとで飲んであげる。パパはどこにいるの?」
「この町を散歩しているみたいね。行きたいならどうぞ?」
その言葉を聞いて萌香は店をさっさと出てゆく。
「副長。大丈夫だったのですか……?」
「うん。話せば分かる子。でも、危険といえば危険かな。人の心を動かす殺気と親しみとある。うまく付き合いきれたら、これほど心強い味方はいないよ」
桐生は柔らかく微笑む。そこに悪意なんてものは少しもなかった。
萌香と桐生が語り合うの巻でした(#^.^#)
まぁこれで仲間になったっていうワケでもないんだけど……
これからどうなるのか。おたのしみに。次号(#^.^#)m9ドーン!!!




