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七章 姫、理屈を考える
「姫よ、先の話について考えを聞きたい。」
長の言う先の話とは、「白馬は馬でない」という言葉が大国にあるが、その心は何か、というものである。
姫は答える。
「白」と「馬」は、全く性質の異なるものであるため、「白馬」は「馬」どころか「白」でもないこと。
「赤」と「青」を混ぜてできる「紫」は、もはや「赤」とも「青」とも言えないことと同じこと。
それを、紫の話では誰の気にも止まらないため、白馬の話で教えを伝えていると考えること。
更に言うならば、「白馬は馬ではない」という言葉から導かれる教訓は、言葉のとおり受け止めると、言葉というもの自体が成り立たなくなること。
よって、大国の文化と隣の国の文化を合わせて、この国の文化としたならば、それはもはやこの国固有の文化であると、例え話のように解釈したいと、姫は言う。
「姫よ、意味の分からぬ言葉を、分かるように捉え直すことを、『解釈する』と言う。
占いをするものは、解釈を大事にするように。」




