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もう魔王やめます。  作者: まさきえき
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第4章:とうとうなれる?冒険者ギルドへ08

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第4章:とうとうなれる?冒険者ギルドへ08



「・・・おい、にいちゃんよぉ。雑兵ってのは俺達の事か?あぁ?」


「ん?あぁ、声に出てました?そんなわけですから、さっさと装備を変えてきてください。」


「舐めてんじゃねーぞぉ!!」



 刃を潰した訓練用の剣を振り下ろしてくる。なかなかの度胸だけど、力の差ってレベルが低いとわからないんだろうな。振り下ろされる刃のほうへ進み手首を掴む。速度も遅いしモーションが大きい。そんなんじゃダメだな。



「せっかちですね。早いと女の子にモテないぞ?実戦形式ってことで、武器を替える時間なんて実践にはない。そういうことかな?」


「ちっ、早く武器を替えろ!お前らもだ。」



 一喝されて、慌てて武器と防具を替えに行く。カイトの喝が聞いたのか引き締まった表情で再度集結する。さっきまでの一般武器ではなく、各々の得意武器を持ってきているようだ。良いね、実践形式だ。



「じゃぁ、やろう。いや、殺ろうか。」


「なんだか、楽しそう。」


「人の戦いも勉強になるだろう、二人ともよく見ておくようにな。」


「ん、わかった。」



「最初に言っておくが、殺すつもりで来ましょう。さっきの剣一撃は良かった。実践と言ったからにはアレもありです。ま、不意打ちという意味ではお粗末だったけど。」



 ちっ、そんな舌打ちが聞こえてくる。30人の兵士が一斉に動き出す。動きを見て分かったことがある・・・素人だ。個人の技量はそれなりなのかもしれないけど、集団戦はからっきしだ。移動組みには指揮官もいないのか?



「じゃぁ遠慮はいらないか。」



 放たれた弓矢を体術で捌き、接近してきた槍使いの槍を掌底で弾き飛ばす。弾かれた兵士は武器がなくなり立ち尽くす。ダメだな、立ち尽くすなんて愚策もいいとこだ。もう一度掌底を腹部に叩き込む、ゲロを吹き出しながら後方へ吹き飛んでいく。吹き飛ばされた兵士に巻き込まれて数人が戦闘不能に。



 それを見ていた残りの兵士が色めき立つ。目の色が変わるとはこのことか。



「おい、闇雲に行くんじゃない!弓士!援護射撃!魔法使える奴も距離開けろ!接近戦だと不利だ、いいか!一人で突っ込むな!囲むぞ、手数で上回れば攻撃は通る!」



 おっ!指揮官の素質あるやついるじゃないか。だが・・・。 



 複数の弓矢と火矢(ファイア・アロー)が降り注ぐ。食らってやるほどお人好しではないがな。そのまま突っ込むように弓士に駆け寄り、弓士が短剣を抜く前に当身で意識を刈り取る。魔法なんて自動追尾でもない限り、着弾地点にいなければそれほど怖いものでもない。まして火矢(ファイア・アロー)なんか速射性能がない弓矢と同じだ。そのまま、魔法使いと弓士の数人を拳骨で殴りつけていく。



 その時点ですでに20人をきっているようだ。さっきの即席指揮官は言葉が出ないようだが、状況を素早く分析できないとすぐに終わってしまうぞ?



「くっ・・・遠距離はスピードで無理だ、近接しかない!囲め!囲め!」



 その指揮にすぐに反応して槍と剣を突き出しながら近くにいた二人が攻撃を繰り出す。槍を避け突き出された剣の腹を叩き、その進路を反らす。その剣は槍使いの腹に突き刺さる。焦った剣士の顔面に拳を突き立て文字通り鼻を叩き折る。あっこいつはさっき切りかかってきた奴だな。



 その背後から隙を付いたかのように拳士が殴りかかってくる、その拳を真っ向から殴りつけ手甲ごと砕く。痛みに悶えてるところをさらに拳骨で止めをさす。さらに波状攻撃のように剣士3人に囲まれるが、振り上げた剣の柄を殴りつけることて武器を奪う。そのまま、当身で弾き飛ばす。その内の1人に指揮官がいたらしく、そこからは一方的だった。逃げ惑う兵士の意識を刈り取る簡単なお仕事だ。




「と、まぁこんな感じで終わったわけだけど。全員意識は回復したか?」



 まだ、殴られたところを押さえてたり痛みが残っているようだが、とりあえず意識が戻ったようだ。



「さて、お前たち。ロッカクの力はわかったな?手も足も出ない気分はどうだ?」


「「「・・・・・・・・。」」」



 受け入れられない現実だったのか、皆俯いている。さて、それじゃ次だな。



「なら、次ぎに行こうか。バリアル達も入ってくれ。もちろん、兵士側でな。あと、ミリアたちも装備を替えてくれ。」


「ロッカク殿、儂も入るなら本気で行きますが、よろしいですか?」


「・・・上等だ。シェーラもリリィも使える力は全部使っていい。俺の訓練も兼ねてる。」


「俺達もいるんだ、侮ってたら足元すくってやるからな。」



 そういうカイトの腕には、使い慣れたエルフの弓が握られている。ダイタツも槌、アザレアも符と杖を、ミリアは双剣を持ちだしている。装備を見れば本気かわかる。防衛戦に参加した兵士たちも得意武器を持っているようだな。数は俺のパーティを入れても30名か。



「いくぞ、お前たち!バリアル達は好きにしてくれていい、即席の連携なんていらん。弓隊!波状攻撃!魔法隊!防壁準備!」



 ちっ!展開が早いな。矢が切れ間なく飛んでくるって結構面倒だな。躱しながら周囲を観察するがバリアル達はまだ様子見か?動きは見られない。弓の波状攻撃に切れ間がないのはカイトがタイミングよく射ているからか、さすがに上手いな。



 だが、全員がカイト程の腕ではない、射撃能力の低い兵士のところに狙いをつけて近接に持ち込もうと攻撃の瞬間にダイタツが槌を振り下ろす。気配が限りなく薄かったが何かしらのスキルか魔法が使われてたんだろう。躱す為に重心移動したところに半透明の矢が危うく俺の胸元に吸い込まれるところだが回転し弾く。弾く、弾く。カイトめ、連射しやがって。



 カイトが他のフォローをしつつ穴があればダイタツが気配を殺して潜んで不意を衝くか。遠距離攻撃がない俺には効果的か。遠距離攻撃がないと思っているってことだな。



 なら、不意をつけるか。再び弓隊を強襲し3人を立て続けに戦闘不能に4人目に行く際にダイタツの槌の横なぎが襲い掛かる。躱すついでにノーモーションで靴を飛ばす。その動きに反応出来ないカイトは避けることが出来ずに注意が逸れる。そのまま脚力を活かしカイトに接近し掌底を叩き込む。



「防壁展開!!」



 ミリアの指示にすぐさま風魔法の防壁が発動する。上手い・・・が、力づくでねじ伏せる。そのままカイトの腹部に掌底を叩き込み、そのまま呆気に取られているダイタツの元に跳躍し足を払う。止めを刺すため、振り上げた腕をさらに水の拘束魔法が発動する。



 そのまま、力任せに振り下ろし意識を奪う。やべー・・・俺の動きに合わせて、色んな手を使ってくる。他にも策があるなら見せて見ろ!



「シェーラ、リリィ、あの域くらいまで行かないとロッカク殿には足手まといだと思っておいたほうがいいだろう。」


「・・・それが必要なら、やる。」


「私だって!」


「よし、ミリアがロッカク殿を止めたら動くぞ。予定通りにな。」



 その言葉に二人は頷きで返す。そんなやりとりに俺は全く気が付かなかった。何せ、ミリアの指揮が良い具合に俺を釘づけにしていたからだ。だが、カイトとダイタツを倒したことでそこに綻びが生じてくる。



「ちっ!結界展開!アザレア、重ね掛け用意、出来次第展開だ!」


「はい!だけど・・・無理そうです。」



 そう、無理だろうな。アザレアの目の前にすでにいるからな。猫だましで意識を奪う。猫だましで気絶するってのもどうかと思うがな。残すところは、主力のミリアだが、兵士が入り乱れて波状攻撃を仕掛けてくる。槍隊と剣士隊が連携して攻撃してくるが、技が未熟なせいで全然だめだ。隙だらけだ。その隙に拳を叩き込む。



 ふっ、無双するのって癖になりそうだ。膝から崩れ堕ちる兵士の影から剣が飛び出してくる。剣の腹を拳でいなし横薙ぎの一撃を一歩踏み込み手首を受け止めることで止める。つもりだったが手首を返し刃が迫ってくる。力が籠ってないから大したダメージは食らわないだろうが・・・なんて考えてたら、この近距離で体幹に向かって短剣での刺突が迫る。右手のブロードソードはすでに手放している。やるなぁ、やっぱりこの中では手練れだ。回転して裏拳でダガーを弾きそのまま掌底を胸に放つ。呻き声を上げながら吹き飛んでいく。



 って、魔法の気配か?ジャンプで躱すと飛び上がった頂点に向けてさらに風魔法の風刃(ウィンドカッター)が飛んできた。おいおい、さすがにこれは避けられな・・・と、思うがだろうが高速小回転で風刃(ウィンドカッター)を相殺する。



 降り立ったところで、気配を殺していたバリアルの掌底が俺のガードに上げた左腕に炸裂する。一瞬だが、下半身、上半身、腕が一連の流れるような動きで回転しその力が俺の腕に吸い込まれていく。バックステップで力を逃がそうとするが、逃がしきれなかった。痺れて上がらない。これはちょい効いたな。



 そこに振り上げた剣が視界に映る、いつのまにかミリアが復活して双剣技を繰り出してくる、その攻撃に合わせてバリアルが拳を振るう。回転の足さばきで背後に回り膝の関節を攻撃し・・・というか膝カックンでバランスを崩したところで順番に拳を意識を奪う。



「さて、残るは二人だな。降参するか?」


「な、調子に乗らないでよね!」


「先に仕掛ける。後手に回ると不利。」


「分かってるわよ!」






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