第4章:とうとうなれる?冒険者ギルドへ02
りりィはそのままがいいんだって!テンプレですね。
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第4章:とうとうなれる?冒険者ギルドへ02
過去のことを改装しながら思わず呟きが漏れてします。
「冒険者と関わってロクな目に合ったことがないんだがね。」
「冒険者も所詮は人。ピンキリですから。あくまでこちらからの希望だと思ってください。」
お願いってわけか。あんまり当てにならないわけだな。分かってたけど。
「他には?」
「はい、このカードで口座からお金を引き出すことも預けることも可能です。このギルドカードにはランク情報も反映されますので同業者ならカードの色である程度ランクが分かる仕組みです。」
「色って言うのは・・・俺達のは銅?」
「はい、銅→鉄→銀→金→白銀→黒となります。」
「何故黒?」
「これはこのシステムを作った方が『何者にも染まらぬ者こそが強い冒険者、そこを目指すべきである。』とおっしゃったことがきっかけだったと伝えられています。」
これ以上、染まることがない。だから黒か。今のところ、お金はそんなにないわけでしばらくは銅だな。
一段落したところでアレスのほうを向きながら疑問を口にする。
「それでアレス統括はシャン・フレーシュの冒険者ギルドでどのくらいの地位にあるんだ?トップってわけではないんだろ?」
「ん、もちろん違います。第1・2層街の冒険者ギルドにはギルドマスターがいます。ただ、こちらの・・・外苑街のギルドは認められてはいますが非公認という扱いを受けています。シャン・フレーシュの冒険者ギルドでの私の序列は5位というところです。つまり第1・2層街のギルドマスター、副ギルドマスターの次になります。」
「思いのほか下だったんだな。」
一緒に来ていた事務方の職員が苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。本音が漏れたのは失言だったな。
「非公認というのもありますが、この外苑街は主に外部の冒険者や亜人種が多くいることも理由でしょうね。あっもちろん、中心部のギルドにも亜人種はいますがここよりは数が少ないです。」
「この国は本当に亜人に対して当りがきついんだな。」
「まぁ、それも了承して住んでるわけなので気にはしてませんがね。」
差しあたっての説明は終わりだということで酒場のほうから出ることにする。酒場のほうに近づくと賑やかそうな喧騒が聞こえてくる。だいぶん話し込んでしまったようで日暮れの時間帯みたいだ。喧騒が聞こえてきたのは帰ってきた冒険者たちが飲み始めているからだろう。
俺達が酒場に入ると喧騒はそのままに睨むような視線を向けてくる輩が数名。冒険者ギルドでもそういった手合はいる。ってか、どこにでもいる。出来るだけ関わりあいたくないな。
もうここには用はないし、旨そうな匂いがするから出来れば飯食べていきたいところだけど、今日は止めておこうか。
「じゃ、皆。宿に戻るとしようか。腹も減ったし。」
「そうね。ここで食べてもいいんじゃない?」
「宿で飯も準備してくれてるんだし、そっちで食べよう。」
「そっか、なら早く帰ろう。お腹空いた。」
足早に当面の宿、明けの帳亭に戻るのだった。
「それはあんたが獣人のその子を奴隷として使役してたからだろ。あそこは獣人の冒険者が多いからな。」
宿に戻り食事を部屋で取った後、バリアルと一緒に食堂兼酒場に降りてきていた。女子2人は気疲れしたのか、すぐに眠りについていた。情報収集は男二人で行うことにした。差しあたって外苑街の冒険者ギルドのこととギルドで向けられた視線、記憶を専門とした医者について女将に聞いてみることにしたが、帰ってきたのはそんな答えだった。
「獣人を奴隷にしているってことが敵対しているように思われるってこと?」
「それに近いんじゃないかい?獣人って仲間意識が強いって言うからね。」
「そうか、分かった。で、冒険者ギルドだけど。」
「あぁ、あそこは所謂一般街と貴族街で出来ない依頼。つまりそこがやらないような仕事を受け入れているんだよ。」
「やらないような仕事?」
「つまり、放置されていたり割に合わないような仕事ってことか。」
「年季が入ってるほうは察しがいいね。その通り、まぁゴミ掃除ってことさ。」
そう言いながら女将は片づけを始めた。そろそろ酒場も閉めるようだ。医者のことは知らないってことだった。少なくとも外苑街にはそういう噂は知らないそうだ。そこまで聞いて話を切り上げて部屋に戻った。
次の日の朝。
襲撃からようやく、2日。外苑街はとりあえずの落ち着きを取り戻していた。表向きはってことだそうだ。女将が言うには身寄りのなくなった子や一人で生活が出来ない者は孤児院に行くか、そこでも受け入れが出来ない者は奴隷になる者も多いということだ。
ただ、奴隷と言っても契約奴隷という形らしい。つまり一定期間を設けて奴隷として仕える。その場合、奴隷側が雇用契約をある程度要求することが出来るというわけだ。自分を自分が売るということらしい。
バリアルやリリィみたいに他人に売られた場合は、その限りではないらしい。ってことだが、とりあえず交易都市シャン・フレーシュにたどり着くことが出来た。俺は奴隷として買った二人を解放しようと考えていた。元々、道案内として買ったのだし、一緒にいることでシェーラの不幸招来に巻き込んでしまった気もする。命の危険がある以上ここらが潮時だろう。
「リリィ、バリアル。ちょっと来てくれるか。」
「ん、ご主人様。」
「二人を奴隷から解放しようと思うから、手を出してくれるか?」
ふいにそんな話を聞いて傍にいたシェーラも声を上げる。
「ちょ、ちょっと本気なの?」
「ん?あぁ、本気だよ。元々この街までの道案内が欲しかっただけだしな。予定外の戦闘が多々あったから、申し訳なかったけどね。」
「まぁ、そう言われればそうだったような。」
そんな二人の会話を聞きながら面食らったような顔をしている奴隷の二人。驚きながらも口を開いたのはリリィのほうだった。
「ご主人様、リリィのこといらなくなった?」
「そういうわけじゃないけど、奴隷っていうのは生きずらいだろ?」
「私は・・・今のままでいい。」
「でもなぁ・・・。」
「ロッカク殿、儂からもいいか?正直嬉しく思うが、五体満足な儂やリリィをあの金額で買えるとは思っていないであろう?」
「それはもちろん。欠損や何かしらの不具合があればこそ。だろ?」
「その通り。それでも我らを手放すというのか?」
「言ったように、俺とシェーラの目的はこの街に着くこと。それを達成したから開放する。一応冒険者という肩書も得たことだし、仕事を選ばなければ食べていくことには困らないだろう?」
その言葉にバリアルは一応の納得を見せたが、リリィは納得いかないようだ。心なしか険しい顔をしている。日頃あまり感情を出さないリリィが珍しい。
「私はご主人様に生かしてもらった。だから、恩を返したい。返すまではこのままでいい。私は私の意志で奴隷を選ぶ。」
「しかしな、奴隷だぞ?誰かに首輪を付けられているような状態は嫌じゃないのか?」
「それは相手による。ご主人様なら、いい。」
理由は良く分からないが、恩返しがしたい、それが済むまでは今のままでいい。本人がそう望むなら納得するまでこのままでいいか。
「それでいいなら、構わないがこれまでと同様に危険が伴うんだぞ?」
「冒険者とは常に危険と隣り合わせ。問題ない。」
「・・・ふ、ふはははは!確かにその通りだな!ロッカク殿!ここはリリィの意志を尊重してはどうか?それにこの国で生きていくには獣人は生きにくい。まだ駆け出しの冒険者のリリィは誰かの奴隷であるということにしておけば、ある程度だが法でも守られることにもなる。」
「んー・・・まぁ、そうなんだが。」
「昨日のギルドでのことを考えての事ならリリィが虐げられていないことを示せばいいだけのこと。」
女将からの情報を聞いていない、二人はよくわからないという顔をしているが俺はバリアルの言葉に納得する。要は今まで通りでいいということか。
「わかった。ならリリィはそのままで。バリアルはどうする?」
「儂は解放を。ただ、パーティはこのままでいさせてもらいたい。」
「いいのか?」
「元より、儂は儂の事情でリリィの後見人なっているので。ただ、ロッカク殿が目立ちたくないので儂に対外的なリーダー役をしてほしいということだったから、それをする為にもリーダーが奴隷では周囲に示しがつかんでしょう。」
二人から希望を聞いたのち、バリアルを開放しリリィは継続して奴隷となっている。念を押すようにリリィには納得できればいつでも開放することは伝えてある。力強く何度も頷いてくれていたので、いつかその日がやってくるだろう。その時は俺が離れられなくなってるかもな。
「とりあえず、外苑街の冒険者ギルドに顔を出して依頼を見て見ようか。」
ようやく冒険者としてやっていくことが出来ることに少しの高揚と不安を覚えながらギルドへと向かった。




