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もう魔王やめます。  作者: まさきえき
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第3章:交易都市in魔王07

第3章:交易都市in魔王07


 交易都市に向かう街道は往来が少ないようですれ違ったり追い抜かれたりすることなく順調だった。道中では特に会話が盛り上がることもなく黙々と歩いている。よくよく考えたらシェーラは記憶を失い、奴隷の二人はこちらを気にしているようだけど、必要以上に踏み込んでくることはなかった。



 こういう時、仕事なら適当に話かけたりするんだろうけど、基本人見知りだからな。そういうコミュニケーションって後回しにしちゃうんだよな。



 そんな考えに捕らわれている最中、バリアルが声をかけてくる。



「ロッカク殿、なにやら揉め事のようです。」



 遠くで悲鳴や怒号が聞こえてくる。シェーラもリリィも不安そうな顔をしている。そういえば二人とも素人さんだった。



「とりあえず、近くまで行ってみてから考えようか。俺が先行するから、バリアルは二人を守りつつ来てくれ。」


「あっ・・ロッカク殿!」



 俺は声を背中に受けながら無視して駆け出す。出来るだけ近くまで行く。



「バリアルさん、どうかしたの?」


「・・・いえ、少し行ったところで争う声が聞こえましたので・・・ロッカク殿に報告したら、先行すると

言われまして・・・。とりあえず我々も行きましょう。向こうに気取られないよう慎重に行きます。」



 シェーラとリリィも緊張しながらバリアルに続く。





「ひぃぃいいぃぃぃいぃ!!お、お、お、お助けください!お金は差し上げますからぁぁぁ!!」


「ふん、外れ・・・かぁ。まずっちまったなぁ。」


「いいんじゃないですか?隊長。どうせ、殺すんでしょ。実入りが多いほうがいいですよ!」


「それも、そうだな。」



 横転している馬車の脇から貴族らしい身なりの男が数人の男に取り囲まれて命乞いをしているようだ。馬車の中からも人の気配がする。気付かれないように覗き込むと、身なりのいい婦人と目が合ったがその目は虚ろだ。白い足は開かれその秘部に腰を必死に打ち付けている盗賊風の男がいるだけだ。婦人の胸には短剣が付きたてられている。どうやら絶命しているようだ。胸糞悪い光景だ。



 む、バリアル達が背部の林に付いたようだ、馬車を背に見つからないように一旦みんなのところへ戻る。



「ロ、ロッカク。どうなってるの?盗賊?助けないと!」


「ロッカク殿、状況は?」


「馬車の影に5人、貴族風の男が1人、馬車の中に1人だ。貴族風以外の奴らは盗賊みたいだな。」


「どうされますか?戦力的には6対4ですが、こちらは戦えるのは私だけなので皆を守りながら制圧するのは、難しいかと。」



 シェーラのほうを見ると少し震えているようだ。他に潜んでいる奴はいないようだが、あんまり別行動はしたくないな。よし。



「じゃ、俺は貴族を助けてくるからバリアルは馬車の中を制圧してくれ。中に死体があるからな。」



 そう言って、馬車の影、盗賊たちの死角に向かう。



「あっ。」


「儂らも動く、前に出過ぎるでないぞ。」



 後ろで行動を開始した気配を感じ、俺も盗賊に近づく。よくよく見ると身なりは良くないし武器もブロードソードに弓が2人構えて脅している真っ最中だ。



「命乞いしたってどうせ無理なんだからよう、戦ってみるって選択肢はないのかよぉ?なぁ、貴族様よぉ?」


「ひっ・・・戦いなど・・・出来るわけがない。わ、私の家にはまだ貯えがあるんだから、それで命をた、助けてくれ。頼むからぁぁぁ。」


「けっ、情けねぇ貴族様だぜ。」


「全くだ。」


「あぁ、その通りだ。・・・て、てめぇ誰だ!?」


「む、その仮面・・・そうか、てめぇが。」


「なんだ?俺はお前たちなんか知らないが?」


「はっ!そんなことはいいんだよ、お前の持ってる霊薬と奴隷を渡しな。それで見逃してやるぜ?」


「・・・霊薬と奴隷のことを知っているってことは奴隷商から送り込まれたってところか。はぁ、卑怯な。」


「お、お、おぉぉぉい!お、お前!私を助けろ!私はガーユー家の者だ!助けてくれたら謝礼も出すぞ!」


「とりあえず、お前たちに渡す薬も奴隷もない。」


「ふん、なら死んで後悔しろやぁ!!」


「(小声)魔王に挑むなんて、無謀だな。」



 放たれる2本の弓を左右のステップで避ける。その隙を狙って二人の盗賊がブロードソードを振り下ろす。振り下ろす際に一気に間合いを詰めて当身で吹き飛ばす。吹き飛ばされた1人は弓の使い手が躱せずに巻き込まれる。



「ちっ、下手打ってんじゃねーよ!」



 そんな言葉を吐いてる間に盗賊の剣士の首に足刀を叩き込んで意識を刈り取る。声を出す間もなく白目を向いている。



「な、なん・・。」



 一瞬のことで、目を白黒させていたが盗賊の意識を離した隙に、顎を打ち抜く。そのまま膝から崩れ落ちたことを確認し残りの剣士も制圧する。そのタイミングで横転した馬車が真っ二つに割れる。



 割れるというか、叩き潰されると言ったほうが正しい。バリアルが大剣でやっちまったらしい。どうやら顔からすると相当怒っているらしい。その余波に巻き込まれて弓使いものびている。



 さて、こいつらの尋問でも始めようか。大体の予想はつくがな。








 盗賊たちは1人死亡で5人は生け捕りにしている。別に一人だけ生かしてても良かったんだがたまたまだ。確認の為に黒幕を一応だが、問いただそうとした俺達だがけたたましい怒声でそれを遮られることになる。



「遅いではないか!私はガーユー家の貴族なんだぞ!もっと早く救出に来ないか、愚図どもめ!全く・・・これだから平民は嫌なんだ。大体、私の身に何かあったらどうするつもりだったのだ!この国の大きな損失だ!それも分かっていないんだろうが、まぁいい。さぁ馬車を用意しろ!こんなところ早く離れるぞ!その盗賊どもも殺してしまえ!」



 一気に捲し立てて息切れしてはぁはぁしている貴族を名乗る男を放置して、バリアルに向き直る。



「言いなりみたいでちょっと癪だが、こいつらを殺すのは罪になるのか?」


「いや、盗賊に襲われたんなら返り討ちで殺すのは問題ないでしょう。もちろん、盗賊をしている時点で犯罪者ですから、街での捌きも概ね処刑になります。遅いか早いかの問題です。それに盗賊は大なり小なり罪に手を染めている者です。同情の余地はないと思われます。」


「そうか・・・俺とシェーラは盗賊ギルドだけど大丈夫なのか?」


「依頼を受けての討伐はその範疇には入らないので大丈夫だと思います。ただ、市政の者にはそれでも犯罪者だというイメージは強くあるようですが。」


「そうか、それで盗賊ギルドが犯罪ギルドみたいな扱いを受けてるのか。同じ盗賊って名がつくとそう思われるのも分かるな。イメージは大事だ。」



 そう言いながらシェーラが盗賊ギルド所属であることを教えた時のことを思い出す。本人はショックだったんだろうな。俺はそこしか入れなかったからどうでもいいが。



とりあえず恒例の鑑定をしていくか。





ときどき戦闘も挟みますが久しぶりの戦闘シーンなので物足りなければ申し訳ないです。

では、毎度のお願いですがブックマークを宜しくお願いします。

仕事が忙しくて書き溜めてるのをぼちぼち投稿ですが、矛盾点等あれば教えてください。

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