第3章:交易都市in魔王06
第3章:交易都市in魔王06
盗賊ギルドでキルトに出発の挨拶がてら顔を出す。そのとき、俺に奴隷もパーティが組めるから身分の証の為にも冒険者登録とパーティ申請を進められた。礼を言いその場を後にする。
「ロッカクさんと知り合えたことは私にとっても嬉しいことだったので、またこの街に来ることがあったら顔を出してください。」
そう言ってくれた。キルトに何かをした覚えはないが、悪い気はしないな。
それから奴隷の二人には冒険者ギルドで登録をしてもらった。俺の時はつれなく追い返されたのに、さすがにバリアルのレベルだと引く手数多だったようで歓迎されたそうだ。それを聞いていた俺の顔は忌々しいことを思い出し、顰めてしまったが。
「あ、あの?」
「あぁ、すまん。じゃぁ馬車の手配に行かないとな。」
「はい、あっ・・・服・・ありがとう・・ございます。」
「うむ、儂も武具まで頂けるとは思っていませんでした。感謝いたします。」
「かまわない、バリアルは即戦力だしな。リリィも良く似合っている。」
「は、はい!」
動きやすい服だがところどころフリルが付いた可愛らしい服だ。着ているリリィ自体が可愛らしいkら3割増しで可愛いな。にしても尻尾が3本あるが、どうやって出してるんだろう。穴でも開けてるのかな?
そんな俺の視線に気が付いてかリリィの顔が真っ赤になっている。
「ちょっと、ロッカクさん!お尻ばっかり見るのは感心しませんよ!」
「おっとすまん。さて、そろそろ行くか。そうそう二人とも敬語はいらないからな。」
「しかし、儂は付き従う者である以上は・・・。」
「いいんだって、それから俺達3人はレベルも低いから一応形としてバリアルがパーティリーダーとして振舞ってくれ。そのほうが自然だろ?年の功で纏めているって感じでさ。もちろん決定権は俺にあるけどな。」
「うーむ、そういうことなら。」
渋々、納得するバリアル。リリィも複雑そうな顔をしている。
「リリィも不満か?」
「・・・大丈夫。そのほうがいいなら頑張る。」
よくわからんが、これからしばらく一緒に過ごすのに敬語は息苦しい。頑張ってくれるならそれで十分だ。
「私は?」
「・・・シェーラは、敬語で。」
「な、なんでよ!」
「冗談だって、俺も今のシェーラのほうがいいしな。」
「え?あっ・・・そう?なら、そうする。」
もじもじしながら返事をしている。奴隷商のところへ行ってから少し壁が取り払われた気がする。良い傾向なんだろうな。
目的の交易都市には馬車で1週間の距離だという話だったので北門の馬車乗り場まで来ている。さすがに活気があり賑わっている。だが、どうにもすんなりとはいきそうにないようだ。
それもこれも馬車の発着所には行列が出来上がっていた。
「西のほうで新しい迷宮が見つかったらしい、そこに行く奴らが多いんだろうよ。」
並んでいた客に何で多いのか聞いてみるとそんな答えが返ってきた。通りで冒険者風の奴が多いはずだ。客が多い以上そちらに行く便が増えるのは仕方ない。そのほうが儲かるからってことらしい。日本のバスとは違うのは当たり前だが、こうも流動時に変わるとみんな困るんじゃないかと思ったが、慣れているようだ。ところどころ怒声が聞こえるがそれほど問題にはなっていないようだ。
「はぁ、これは出発まで時間が掛かるか・・・最悪、今日は馬車がつかまらないかもな。」
「どうする?ロッカク。途中の村まで行けば馬車を手配することも出来るんじゃない?」
「儂も賛成です。幸い食料も村で調達すればいいでしょうから、ここで一泊するより先に進んでもいいかと思う。」
「そうだな、交易都市には行かないといけないがそこまで焦ってるわけでもないし。ぼちぼち行くか。」
そんな相談の最中も続々と馬車は出て行っている。中には貴族が乗るような立派なものもあるようだ。俺たちが乗れるわけもないのでひとまず先に進むことを優先し、門をくぐり街道へ。
ようやく最初の街を出るのか。RPGだとようやく序盤のスタートってところか。いつの間にかパーティ組んでたり冒険者になってたりといろいろあったが、勇者への復讐とシェーラの治療、とりあえずの目的はそれだ。
人間には元魔王だとバレないように、魔族ということもバレると不具合が多そうだ。パーティメンバーのもバレないようにしないと。仮面を外さなければ黒髪を見られることもないだろうから気を付けてれば大丈夫か。
さて、これからが本当の異世界生活の始まりと言えるんだろうな。この世界は優しくない、むしろいきなりこの世界にいて酷い目に合っている。俺はこの世界に優しくするつもりはない。敵対する者がいれば殲滅だ。あの勇者たちが俺にしたことを忘れはしない。
出発したのが昼を回ってたこともあり、今日は野宿となる。これまで冒険者としていくつか依頼もこなしたけど、野営はちょっと苦手だったがバリアルが手馴れているということで教えてもらいながら野営場所の選定と設営を行った。
「慣れてるんだな。」
「えぇ、昔は軍にいたこともありますので。」
「そうか、それは頼りになるな。」
「ロッカク殿も呑み込みが早くて助かります。」
「あの二人は、あんまり飲み込みがよくないみたいだしなぁ、はは。」
「リリィ、薪は集まった?」
「ん、あんまりない・・・。シェーラは?」
「私もあんまり・・・。」
「野営って難しい・・・。」
「そう・・ね。」
薪も集まらないのか。とりあえず俺も薪集めに行くか。魔王に経験を捧げる為の儀式を受けたシェーラは冒険者としても経験と記憶と年齢を失くしてしまっている。14年分の経験を失くすということは冒険者としては素人に逆戻りってことだ、しかも冒険者の前はいいところの子だったみたいで野営なんてしたことなかったみたいだからこれから大変だな。
「バリアル、とりあえず見張りは俺たちが分かれるようにして2人ずつでいいか?」
「・・・それで大丈夫でしょう。」
野営自体は何事もなく朝を迎えることが出来た。まだ街からも遠くないからそこまで危険はないし、魔物の類も街道にはそうそう現れないはずだ。このまま行けば、街道沿いの村まで問題なく辿り着けそうだ。馬車で1週間、徒歩なら1月ほどか、途中の村で馬車があればいいけどな。
ようやく出発です。なかなかお話は進みませんがのんびりお付き合いください。
そして出来ればブックマークを宜しくです。




