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もう魔王やめます。  作者: まさきえき
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第2章;チアクレアの糸07

第2章;チアクレアの糸07


 早朝、まだ空が白んでこようかという時分、牢屋の中に昨日の取り調べにいなかったダイタツという男が俺を呼びに来た。呼びに来たというか連行しに来た。手枷足枷をされて担がれての移動だ。これじゃ容疑者というか完全に犯罪者じゃないか。


「その仮面は取らないのか?余計に怪しさがあるんだが。」 


「ふん、取ったら後悔するさ。お互いにな。」


「それは怖いな。なら拘束は我慢してくれ。」


「へいへい。それにしてもちょっと朝早すぎないか?飯は忘れてたくせに勤勉じゃないか。」


「それは・・・すまん。」


 俺の嫌味にも素直に謝られてしまうとこちらも毒気を抜かれてしまう。結構律儀な奴らしい。


「準備は整ってるか?」


「ん?あぁ連れてきたのか、一応な。魔獣用の檻しかないが人にだって使えるだろ。」


「人扱いくらいしてほしいんだけど。」


「うるせーよ。人用がないんだから仕方ないだろ。諦めろよ。」


「シェーラ一緒に入れるのか?」


「なんでだよ!美人はまだ目が覚めてねーんだから、檻なわけないだろ!」


「同じパーティなんだけどなぁ。まぁいいや。で?どこに向かう?街に戻るのか?」


 その問いかけに背後から答えが帰ってくる。


「その通りだ、街で取り調べを行う。」


「にしても、早くないか?シェーラだってまだ目覚めないのに。」


「そうですよぉ、ミリア隊長~せめて朝ごはん食べていきたかったですよ。」


「無駄話はあとにしてさっさと行くぞ。」


 問答無用で荷台に檻ごと積み込まれて横にシェーラが寝かされている。良かった、呼吸は清明だ。外傷もないようだ、自分に使ったことのある回復魔法?だけど他人に使ったことはなかったな。そういえば鑑定で調べてもなかったな。時間もあるし確認しておくか。


暗黒魔法;闇魔法の上位互換魔法。闇を統べる魔法であり空間を操ることを可能とする。闇を知り闇を眷属とし光魔法を凌駕する。その仕様において自由度が非常に高い。しかし使用者に応じる。


 鑑定結果は読めるが、意味が良く分からないな。鑑定は自分に理解できるようにするわけではないのか。それを理解するためにはさらに知識が必要ってことなんだろうな。でも回復の力も自由度依存に当てはまるのかな?


 さらに深く鑑定を発動する。


暗黒魔法・回復;その効果には代償が伴う。対価を支払うことで傷の治癒という結果を表す。その代償は主に負の感情である。それを消費することで傷を癒す。補足;聖の回復とは同じ結果を導き出すが過程は対となる。


 えっと、つまり負の感情が回復には必要だったということか。それが代償か、俺の時はおそらく勇者やその時の裏切りに対する憎しみが糧になって傷を治したと考えられるか。


「容疑者さん、朝ご飯です。昨日の晩も食べてないでしょうから多めにしておきましたよ。」


「アザレア!犯罪者を甘やかしてんじゃねーよ!」


「とにかく頂きます。ありがとう。」


「けっ!いけすかねーぜ。」


「ミリア隊長、何でこんなに早く出発したんですか?しかも誰にも告げないで。」


「ちょっとなぁ。確証は持てなかったんだけど・・・今、確証に変わったよ。総員、戦闘配置!」


 その言葉に緊張が走る。各々武器を手に周囲の警戒を行うが目の前に村のメイドが立っているだけだ。そう、あの村のメイドが一人で立っていた。


「皆さま、落ち着いてくださいまし。私は村長が朝になって皆さまがいなかったので探しにまいっただけです。」


「後ろからではなく前から現れたのは何故だ??」


「村人しか知らない早道があるのです。」


「それにしては迷いなく現れたな、女が一人で我々より早く魔物を掻い潜って追いつけるとは思えないがなぁ。」


「ふふふ、たまたま。運が良かったのですよ。」


「というか、そろそろメイドっていうのも無理があると思うんだがまだ続けるのか?」


「あら、これは驚きました。どこから分かっていたのかしら?」


「残念なことに確証はさっきまでなかったんだ。現れるまでね。」


「それはもしかしたら声を掛けなかったら見逃してもらえてたのかしら?」


「そうなる。」


「では、ヤマを張ったのは何故です?」


「まず証言の食い違いだ。整合性が無さすぎる。そこの奴が容疑者なら村人の証言に合わせて無理のない話にするだろう。だが、内容は全く別物。だからと言って無視は出来ない、実際に台座や司祭の死体もあるんだから。となると、村人が嘘を付いている。これも魔法を使って調べたからこの線もない。ないが矛盾だらけ。ならば村人がそう思い込んでいる。」


「実際に物がある以上、そこの方が嘘を付いている可能性は低いと?」


「そういうこと。だが、集団で思い込みを起こすような規模の魔法を使ったような痕跡はない。」


「それで?」


「最近、流行りだした食べ物。これは山菜に似ているものということだった。実物も見せてもらった。そし

て使われただろうという結論に至った。知ってるんだろ?チアクレアっていう山菜に似た催眠作用のある食べ物。」


「さぁ?」


「そして、最近になって村長のメイドが村の男に隠れた人気があるという話。こんな村で特定の人物が話題になるっていうのは新参者と相場は決まっている。急に現れた人気者、流行りだした食べ物。調べたら怪しい人物がもう一人。それがお前だ。もちろんそれだけだと証拠としては不十分。チアクレアだって催眠作用はあるが適切な処理をすれば美味しく食べられるしな。」


「ということは、私の勇み足だったってことかしら?」


「そうなるな。そのおかげで疑惑は確信に変わったんだがな。で?その目的は?」


「あら?事情聴取でもうご存じなのでは?」


「む?なら魔王の供物というのは本当なのか。」


「強力な冒険者や特殊能力を持つ者が望ましいんですけど、私自身そこまで強くないのであの村には罠になってもらっていたのですよ。それも、あなた達のお陰でもう終わりですけど。」


「終わり?いやいや、これからしっかり尋問を受けてもらうんだ。まだまだ続くさ。」


「ふふ、それも含めて消し炭にしに来たのですよ。それでその罪はそこの冒険者さんに被ってもらうことにしましょう。」






 檻の中でミリア隊長と村のメイドの会話を聞いて嵌められたと確信が持てた。あの村が蜘蛛の巣だったわけだ。糸に絡まった獲物をあのメイドと司祭が儀式により供物として捧げていた。正気を失っていた村長を使って、村を好きなようにしていたわけか。


 ロータスの討伐依頼がその餌ってわけか、駆け出しの冒険者なら依頼失敗で死ぬことなんてザラだ。それを逆手に取ったというわけだ、確かに街から近いこの村は新人にとっては取り掛かりやすいな。


それにしても・・・。


マグナ・カルタ(メイド):Lv50

性別:男性

種族:人間

年齢:28歳

HP:410

MP:300

スキル:気配察知Lv3 暗殺Lv3 薬学Lv3 植物学Lv3 化粧Lv2 信仰Lv3 格闘Lv4 短剣術Lv3 身体強化Lv2 火魔法Lv5 風魔法Lv2 


 こいつ男だったのか。っていうかレベル50?人間にしてはかなりの高レベルだけど、そんなやつが新人狩りをするものなのか?


 それに対して兵士達は



名前:ミリア Lv22

性別:女性

種族:獣人

年齢:18歳

HP:180

MP:130

スキル:忍び足Lv4 跳躍Lv3 隠密Lv3 誘惑Lv3 格闘Lv3 剣術Lv3 捕縛術Lv3 聞き耳Lv2 風魔法Lv2 闇魔法Lv1 



名前:カイト Lv17

性別:男性

種族:ハーフエルフ

年齢:25

HP:170

MP:200

スキル:森の息吹Lv2 気配察知Lv2 弓術Lv4 罠設置Lv2 風魔法Lv4 



名前:ダイタツ Lv16

性別:男性

種族:ハーフドワーフ

年齢:20歳

HP:220

MP:100

スキル:怪力Lv1 槌術Lv3 斧術Lv2 器用Lv2 頑強Lv2 土魔法Lv3



名前:アザレア Lv14

性別:女性

種族:人間

年齢:18歳

HP:120

MP:250

スキル:杖術Lv2 火魔法Lv2 水魔法Lv2 光魔法Lv2 符術Lv4 幻惑魔法Lv2 



 これはちょっと勝つのは難しいんじゃないのか?連携したらどうにかなるものなのか?集団戦って経験ないからわからんけど、こっちが分が悪そうだ。見たことないすきるもあるし枷は取っておいたほうがよさそうだ。








数日ぶりです、みなさま。いかがお過ごしでしょうか?

気が付けばいつのまにか10000pvを超えておりました。稚拙ではありますが、いろいろと考案しながら話を進めていきますのでこれからも宜しくおねがいします。

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