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もう魔王やめます。  作者: まさきえき
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第2章;チアクレアの糸02



 室内にはハーブティのいい香りが漂っている。ルーロクの葉を乾燥させた簡単なものだがシェーラがいつも飲んでるものを入れただけだが、家に用意されたものを飲む気になれなかった俺にはとてもありがたい。


「で、これからどうしたものか。」


「ん、そうだな。ロッカクはどうしたほうがいいと考えてる?」


「俺の意見?」


「冒険者として正しい判断が出来てるのか、理由も聞かせてもらおうか。」


 頬杖付きながら、悪戯っぽい笑顔でこちらを見ている。なるほど、冒険者として交渉は合格だったから、次は方針をどう決めるのかテストというわけか。期待には応えたいな。


「そうだな、結論から言って・・・血の匂いに関してはスルーだ。」


「理由は?」


「1番の理由に、利益がない。血の匂いがするってだけで調べまわったところで金になるわけでもない、むしろ探られたくない腹を興味本位で覗き見られると村人や村長との関係も悪くなるだろう。2番目にどんな危険があるのか情報がない。今から調べてもいいが、俺達には時間制限のあるクエストの最中だ。優先順位はロータス討伐のほうが高い。3番目に個人的な意見だが厄介ごとの匂いがするから関わりたくない。ってとこだが、どうだ?」


 ニンマリ笑って、こっちを見ているがどうなんだ?一応、思いついたことを並べてみたけど他にも言えることはあるが、シェーラの答え待ちってとこかな。


「いいだろう、合格だ。1番2番は結構適格だ。特に気に入ったのは3番だがね。」


「3番?個人的なもんだって言ったけど?」


「言ってみりゃ堪だろ?冒険者にとって堪ってのは馬鹿に出来ないものなのさ。それに・・・。」


 声を落として顔を近づけてくる。なんだよ、良い匂いがするじゃないか。


「扉の前で様子を伺ってる奴がいるんだ、早いところ依頼を達成してここを出ようじゃないか。」


 そう言いながら、扉の先にいるやつに聞こえな程度まで声を落とす。気付いていたんだな。なら方針は決まったも同然だな。こうして俺たちは初日を準備と方針の確認で費やして次の日に備えた。


 次の日、朝早くに牧場に行き柵の外でロータスの出現を待つ俺とシェーラだが、時々村の若者が差し入れを持ってやってくる。もちろん、お目当てはシェーラだ。ツレが俺みたいな仮面の怪しいやつなもんだから、自分にも脈があるかもなんて思っているのか、花やら酒、食べ物など結構貢いでいってる。物をくれる相手にはそれなりの態度で接してくれているため、村人ともそれなりの付き合いは出来ているようだ。怪しい俺に話しかける奴はいなかったがな。


「大人気ですね、シェーラさん。」


「ふん、お陰でロータスの姿は見えないがね。これだと、少し牧場の外まで行ったほうが早いかも。」


「そう・・・だな。それがいいかも、よし早速行くか。」


「ん、そろそろうっとうしいやつらにもうんざりしてたとこだし、いいね。」


 牧場を出て1時間ほどのところでロータスの群れを発見した。10匹ほどだが、村長の情報と合致する。こいつらのことだろう。黒い2mほどの体躯に頭部に生えた獰猛を体現したような2本の角これが今回の獲物だ。


名前:ロータス

Lv:7

HP:110

MP:60

スキル:突進Lv2 猪突Lv1 肉食Lv1 


 んー、突進と猪突って似てるけど、何が違うんだろ?ただ俺とシェーラの敵ではないみたいで安心した。とりあえず狩りの始まりだ。


「ロッカク!打ち合せ通り行くよ!」


「おう!」






 日が暮れるころには、3匹を狩り終えて借家に帰ることができた。順調だった、シェーラとの連携も問題なく機能したし、ロータスも暴れ牛だったが思ったほどではなかった。あのゴブリンの群れに比べたら、である。村人からの監視がずっと張り付いていなければなおよかったんだけど。信用されてないにしろ、村にやましいことがあるにしろ息苦しいな。シェーラもそれに気づいており、結構不機嫌だ。


「ほら!明日には帰るんだから早く入りな!」


「はいはい。」


「はいは1回!」


 さっさと中に入ってしまったシェーラを見ながらロータス3匹を家の前の荷台に乗せたまま放置する。普段なら家の前に放置なんてしないが村が3匹以上狩ってほしくない以上獲物を盗むリスクはないと判断して中に入ろうとすると、村長の家のメイドに声を掛けられる。


「あ、冒険者様ちょっとよろしいでしょうか?」


「はい?何でしょう?」


「速やかな依頼達成をされたお二方に村長様からお礼があるということですのでロータス3匹を持って村長宅

までいらしていただけませんか?」


「そうですか、なら相方呼んできますんで。」


「いえ、とりあえず獲物だけでも運んでほしいそうなのであなた様だけでいいと思います。」


「なら、一言言っておきます。」


「村長様はお待ちですのでお急ぎを。」




「というわけで、村長のとこに行ってくるよ。」


「あー、それはいいけど一人で大丈夫かい?」


「心配してくれるのか?シェーラも一人で留守番できるか?」


「ふん!さっさと行ってきな!」


「へいへい。」


 村長の家に着く頃には夜のとばりもおり、近隣の家からは灯りが漏れている。帰りは灯りが必要だな、など考えていると中へ招き入れられた。


「いやいや、よく来てくださった。えぇっと名前は何でしたかな?」


「・・ロッカクです。」


「これはど忘れしてしてしまいました、がはははっは!」


 何がど忘れだ。名乗ってないわ、ばかめ。あからさまに態度が違ってて怪しすぎるだろ。これは何かあると考えていたほうがいいか。シェーラのほうにも何かあると考えたほうがいいだろうな。にしても狙いは何だ?


「ところで、ロータスは依頼通り狩り終えましたので、明日には村を出ていかせていただきます。」


「そうですか?しばらくゆっくりしていっていただいても良いのですよ?」


「そうですか?来た時には早く出て行ってほしいようでしたが?」


「はっははは・・・そ、そうですか?そんなことありませんよ?」


 話をなかなか切り上げさせてもらえず、結構遅くなってしまった。あの親父め、シェーラのことを根掘り葉掘り聞きやがって。まぁ、メイドさんの接待は悪くなかったけど・・・。達の悪いキャバクラに引っかかった気分だ。


「シェーラ・・・遅くなってすまん、今帰った・・シェーラ?」


 暗い部屋の中には飲み残しの酒があるだけでシェーラはいなかった。どこかに行くなんてあんまり考えられない。ここに知り合いなんていない。なら何かあったと考えるべき。だけど、扉にはそれらしい痕跡はない。ってことは室内に何かあるか?


 もともと何かありそうな室内だったし、こんなことなら先に調べておけば良かった。あーくそ、こんなことなら詳しく調べておけば良かったか。









とても遅くなりました。これはポケモンをGOしていたからで・・・

フシギソウが捕まえられなくて・・・・すいません。


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