第1章:まずはどこへ行こうか04
なかなか更新できずに申し訳ありません。PVは順調に増えているようで嬉しい限りです。ありがとうございます。出来ればブックマークもしていただけるととっても励みになります。よろしくお願いします。
意気込んで裏道を進みながら周囲をキョロキョロと見渡す。裏道といっても道幅はそれなりに広く馬車も離合が出来るほどだった。もちろん表通りは3車線分くらいありとっても広かった。俺はというと傍から見ると完全におのぼりさん丸出しだとは思うが興奮して見ずにはいられなかった。呆れた顔でレノ爺が俺を促す。
「ほらほら!早く行かないと日が暮れるべ!」
「わ、わかってるって。」
さらに呆れた顔を濃くして
「どうだかなぁ」
見るもの見るもの物珍しい。これはギルドってのはどんなところなのか、俺の予想通りだったら胸躍ること請け合いだ。
今にして思えば、この時は浮かれすぎていたんだ。周りが全く見えていなかった。周囲の人々がどんな視線をこちらに送っていたのか。気づくことが出来ていなかった。
裏通りを抜け冒険者ギルドと看板が書かれた建物が見える。表通りと裏通りに面するように建てられている。レノ爺によるとだいたいどこの町でもギルドは表と裏の通りに面するように建てられているということだ。何故かというと、人族と亜人の冒険者を分ける為、だということだ。その辺は、効率的ではないと思うが国の方針らしい。解せぬ。
とはいえ、入り口が分かれているだけで内部は共用だということだ。冒険者の中でも亜人を忌避する傾向はあるがそれでも平民や貴族ほどじゃないらしい。実力があれば人族と亜人だってパーティを組むことは珍しくないらしい。
「ほんとレノ爺は物事に詳しいな、助かるわー。」
「いや・・・坊主が常識知らずなだけだべ。そらこっちが引くくらい。」
「マジか・・・。まぁ世間知らずだとは思うけどね。」
こっちはファンタジー物とこの世界の違いをすり合わせ中なんで仕方ないんだけどね。と考えながら、これからのことを考えていく。
とりあえず、これからのお約束のことを考えていかなければならない。きっとギルドにつけば荒くれ者の冒険者たちから因縁をつけられて俺が軽く倒してしまうことで受け付けの美人さんがギルド長を慌てて呼び出すだろ。んで、ギルド長の力を見せてみろ的な一騎打ちから何だかんだで実力を認められてランク上位にノミネートされて色んな厄介な依頼をこなしながら王族とかとも関わっちゃう感じか!その過程で受け付けの美人さんにも惚れられると・・・うん、おいしいな。ワクテカが止まらない!こっちきて今まで運なかったからそろそろいい思いがしたい!
「坊主よぉー・・時々ほんとに呆けた顔で遠くに行くのはやめてほしいべ。ちょっと気持ち悪いべ。」
「あっごめん。」
反射的に謝っちゃったけど、なんかさらっと酷いこと言われてるやん。レノ爺にそこまで言わせるってことは気を付けなければ。
「何にしろ、あんまり良いことにはならんと思うけど、身分証としてどこかのギルドに登録しないといけないから、少し我慢しような。」
我慢?暴漢相手に暴れすぎないように?何を言ってるんだ、レノ爺。元魔王はそのくらいじゃ引かないぜぃ。ギルドの中からは喧騒が聞こえてきている。さぁ、いざ冒険者ギルドへ!
ギィと立て付けの悪い両開きの扉を開けると、一斉に皆がこっちを見る。それは人族・亜人関係なくだ。あれ?さっきまでの喧騒はどこへ?中には15名ほどの冒険者とおぼしき格好の人が4組くらいと受付には残念なことにマッチョなおっさんが座っていた。こういうのは綺麗な女性がするのがセオリーじゃないのか?
そんなことを考えながら一歩踏み出そうとした瞬間に受付の筋肉さんが声をかけてくる。
「そこの黒髪!止まれ!」
「え??」
その声が掛かったときにレノ爺が俺の腕を掴みそれ以上進まないように促す。仕方ないのでその場で返事をすることになる。
「何しにきやがった!?」
大声で威嚇するように怒鳴る。
「えっと・・冒険者登録をするために・・ですけど。」
「冒険者・・・だと?・・・ふざけてんのか!」
「いや、大真面目ですけど。」
「はっ!ふざけやがって・・・だが、お前には依頼が掛かってないようだな・・・見逃してやるから、消えろ!」
「は、はい。申し訳ないべ。じゃおら達はこれで・・・。」
「え?えぇ?」
「おいおい、ここに来てタダで帰れると思ってんのか?」
押し出すように俺を外に連れ出そうとするレノ爺と戸惑いMaxな俺に声をかけてくる冒険者の一人。顔は目鼻立ちが整い、金髪だ。はっきり言ってかなりのイケメンだが、タダじゃないってことは金を払えと言ってるのか?残念だが、無一文だよ。
「アリル!ほっとけ!金にもならんぞ。」
「しかし!」
「坊主、ほら今のうちに行くべ。」
受付の筋肉とイケメンが口論している間に逃げるように冒険者ギルドを後にする。裏通りのさらに裏路地に身を隠すようにして、座り込む。
「むー悪かっただな。嫌な思いさせて。」
「いや、登録はしないといけないんだし別のとこですればいいんだろ?」
無言で頷くレノ爺。でもあれだけ敵意むき出しにされるってことはやっぱりこの髪と瞳の色が問題なんだろうな。
「なんであんなに攻撃的なんだ?やっぱり見た目?」
「そうだべ、それだけ黒髪や黒い眼ってのは嫌がられるだよ。おらは坊主がどんなやつか知ってるけど、他はそういうわけにはいかんべ。」
「はぁ・・・とりあえず、冒険者ギルドはダメってことなのかな?」
「あれじゃ、たぶん次に立ち寄ったら攻撃されそうだべ。」
「それに依頼がないとか言ってたけど?」
「たぶん、坊主の討伐依頼がないってことだな。もしあったら問答無用で殺されてたかも。」
「マジか!!」
乱暴にもほどがある。俺完全に魔物扱いじゃん。レノ爺が言うには魔族は討伐対象になることがとても多いということだ。魔王の眷属で高い魔力を持つ人類の敵であるという認識だ。もちろん個別性はあるんだろうけど、人族には関係なく恐怖の対象だということ。
だからか、俺が勇んでギルドの扉を開けると不穏な空気になるわけだ。人の中に紛れて生きていくってのは難しい気がしてきた。若干落ち込んでると、察したのかレノ爺が声をかけてくる。
「まぁギルドはこれだけじゃないから、他行くべ。」
「他って・・・入れるようなところあるのかよ?」
「まぁ。蛇の道は蛇っていうし多分大丈夫だべ。」
念願の冒険者には速攻でなれないとわかり、かなり気落ちしているとレノ爺が他のギルドなら入れるかもと連れて行ってくれた。
「まずは近くのギルドから行くべ。」
冒頭でも書きましたが、宜しければブックマークをお願いします。




