表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/57

第18話 ひろし、交換する

 おじいさんとおばあさんは午前中に家のやることを済ますと、一緒にログインして時計台の前にやってきた。


「じゃあ、またあとでな」

「ええ、あなたも楽しんでね」


 2人は笑顔で手を振り合うと、おじいさんはG区画の家へ、おばあさんはスマイル道具店へと向った。


 ◆


 おじいさんはG区画の家にやって来ると、みんなに手に入れたアイテムを見てもらった。


「ええと、プクナ以外のこのアイテムが全部なのですが……」


 しかしアカネは鼻をつまみながら大声で言った。


「じいちゃん! そのヤバいのしまってよ!」


 それは、おじいさんが手に入れた「危険なほど臭い排せつ物」だった。


「あ、ははは。すみません」


 おじいさんは「危険なほど臭い排せつ物」をアイテム欄に仕舞うとアカネは安心したようにおじいさんい言った。


「それ、マジでやばいじゃんか。ガチャでもらったの?」


「あ、はい……。昨日のガチャで」


「やば! あれ「臭い排せつ物」の10倍はやばいよ」


「あぁ、すみませんアカネさん」


「あ、いやいや、じいちゃんが悪いわけじゃなくって、ってか、アレなんに使うんだろ」


 するとそれを聞いていたイリューシュがアカネに言った。


「アカネさん。例えば、嗅覚を頼りに襲ってくるモンスターが大量にいたら、あのアイテムは役に立ちますし、対人戦でも役に立ちます。範囲はかなり広いと聞きました」


「へぇぇ、なるほどね。さっすがイリューシュさん、なんでも知ってるね」


「……いえ、実は昔、対人戦であのアイテムを使われて負けたことがあるんです」


「「ええっ!?」」


「強烈な臭いには(あらが)えません。集中力を欠いた瞬間に倒されました」


 それを聞いたアカネはウンウンと頷きながら言った。


「わかるなー。柔道の試合でもたまに集中力を切らそうとする客がいるんだよね。急に大声だしたり、奇声を発したりしてさ」


 するとその時、アカネは思い出したようにおじいさんに言った。


「あ、そうだ! じいちゃん、ガチャで出たあたしのお茶とそのヤバいやつと交換しない? あたし、お茶は美味しく()れる自信無くてさぁ。一応星4つの高級品みたいなんだけど」


 アカネはそう言うと、茶色の紙袋を出現させた。


 するとそれを見たおじいさんは驚きながらアカネに言った。


「こっ! これは高級宇治茶、祇園北川長兵衛の極上玉露ではありませんか!」


「そ、そなの?」


「アカネさん、ぜひ交換させてくれませんか!?」


 おじいさん嬉しそうな表情でそう言うとアカネ笑顔で頷いて、お茶と「危険なほど臭い排せつ物」を交換した。


 するとアカネはテーブルの下に置いてあった電動キックボードをまじまじと見ながらおじいさんに尋ねた。


「これって電動キックボードだよね? あたし、前から欲しかったんだぁ。ねぇ、じいちゃん。これもあたしのアイテムと交換しない?」


 アカネがそう言うと、後ろで作曲をしていためぐがアカネに言った。


「ちょっとアカネ、欲張りすぎじゃない?」


「え? やっぱ? ははは」


 アカネは照れ笑いしたが、おじいさんは笑顔でアカネに言った。


「いえいえ、交換しましょう。これは私には乗れそうにはないので。ははは」


「マジで!? やったー、さすがはじいちゃん!」


 するとアカネはテーブルの上にガラガラと普段使わないアイテムと、無職が使いやすいアイテムを出現させた。


「じいちゃん、このアイテムだったら何個でも持ってっていいよ!」


 アカネはそう言って笑顔になると、おじいさんはアカネの出したアイテムを見渡した。


「ふぅむ……。おや? あれは……」


 おじいさんはアカネが出したアイテムの中に小さな白い袋を見つてけ手に取った。


「これは……、ロジンバッグ……」


 それを聞いたアカネは不思議そうな顔でおじいさんに言った。


「老人バッグ? それバッグなの? 小さくない?」


「あ、いえいえ、これは球を投げる時に滑り止めとして使うんです。これはとても便利なので、ロジンバッグと交換して頂いてもよいでしょうか」


「え? そんなのでいいの? じゃ、じゃあ、この痺れ粉と、毒の粉と、えっと目つぶしも使えるよな……」


 こうしてアカネは、おじいさんにロジンバッグと無職が使えそうなアイテムを大量に手渡した。


 ◆


 その頃、ナミとヴァルキリー、そしてお母さんとララ助は装備を整えるためにベイリゲンの鍛冶屋に来ていた。


 ナミはララ助にも水除けのお守りを装備すると、嬉しそうにヴァルキリーに言った。


「バルキリちゃん、手伝ってくれてぁりがとう。ララ助も水よけのぉ守りつけれた。それに、ゎたしの装備も」


「ううん。ご主人さまが強くなれたら嬉しいの」


「バルキリちゃん、ええとね、ゎたしご主人はすきじゃない。お友だちがぃい」


「……そっか、そうだったよね。うん、ごめんね」


「バルキリちゃんは、お友だちになってくれるの、いや?」


「ううん! 今までそんな事言われたこと無かったから……、ちょっと驚いちゃって……。うふふ。でも、ありがとうナミさん。私もお友だちになりたい」


「じゃあ、今からお友だちね」


「うん!」


 ヴァルキリーが笑顔で答えると、ナミは安心したようにヴァルキリーに言った。


「今日はね、バルキリちゃんが夕方まで時間だぃじょぶって言ってたから、ぉ母さんと、ララ助と、ぁと、たいせつなぉ友だちと、みんなで一緒に、ぉいしぃもの食べたぃ。イリューシュさんと、黒ちゃんと、アーボンにぉ願いしてる」


「美味しいもの? みんなで一緒に?」


「ぅん」


 ◆


 ブゥゥンン!!


 ナミはお母さんとララ助を帰還させて、G区画の家の前に転移してきた。


 そこへヴァルキリーが空から舞い降りると、ナミはG区画の家の玄関を開けてみんなに挨拶をした。


「こんにちゎ」


 ナミが挨拶すると、G区画のみんなは笑顔で挨拶を返した。


「「こんにちはー!」」


 その時おじいさんはナミと一緒にいるヴァルキリーをみつけると、驚きながらも笑顔になって言った。


「バルキリーさん、先日は大変助かりました。ありがとうございました」


 それを聞いたヴァルキリーは満面の笑顔で答えた。


「ひろしさんですね。私は大したことはしていませんので」


「いえいえ、あなたが居なければ、私たちはどうなっていた事か……」


「うふふ。その謙虚で温かいコトバ。それだけで私は嬉しいです。うふふ」


 ヴァルキリーが笑顔で答えるとイリューシュはヴァルキリーに家に入る権限を付与して言った。


「ヴァルキリーさん、家に入る権限を付与しましたので、どうぞお入りください」


「イリューシュさんですね。ありがとうございます」


 ヴァルキリーは柔らかに会釈するとナミと一緒に家に入り、大広間へ向かった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ