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スライムのコミュニケーション(閑話休題)

 この世界のスライムは基本的に会話ができない。勇司は例外であるが一般的には意思疎通が取れないとされ、駆除・討伐される事が多い。だが村の一員となったスライム達は勇司の介助があってか駆除される事はなく、無害である事が証明され、共存する事となった。


「ポヨンちゃん。今日おトイレお願いできるかしら?」

 道端で恰幅の良い中年女性に声をかけられたスライムは体の一部を伸ばし◯の形を作った。

 人の言う言葉を理解し、身振り手振りでコミュニケーションを取っていた。

 以前、勇司がイラストカードを渡したがそれは吸収してまい、困った勇司が身振り手振りをしていたのを徐々に覚えたのだった。知能的には幼稚園の年長くらいだろうか?難しい要求は解らないが簡単な事は応えてくれている。イラストカードを吸収したのも知能を上げる一環にもなったのかも知れない。

「ありがとうね。終わったらおやつにしましょ。」

 そう言っておばさんはスライムを抱きかかえた。ポヨンとスライムの体は揺れる。

 ポヨンと名付けられたスライムはこのおばさんの家で飼われているが、よく出かける事が多く放し飼いにしていた。

 ポヨンは慣れたように消化液を撒いてズルズルと動き、汚れを吸収していった。普段は跳ねて移動するが吸収する物がある場合は這うように動く。そのままでは吸収したとしても汚いイメージを持ちそうだが、吸収する物がなくなると自分に消化液をかけて表面を綺麗にするのだった。

「凄いわ。あっという間ね。」

 頭?体?のてっぺんを撫でられたスライムは照れているのか手を伸ばして撫でてくれる手に軽く触れていた。


「さぁ、おやつにしましょう。」

 リビングの椅子に座らせ、おやつをテーブルの上に置く。今日のおやつはクッキーだった。バターは無いのと砂糖も控えめの素朴な生地を丸めてフライパンで焼いたなんちゃってクッキーである。

 ポヨンは2本の手を伸ばしてクッキーを1枚掴み、ゆっくりと体に入れ込む。美味しいものは味わって食べたいのだろうか?それともおばさんが食事の仕方を教えたのか。少なくともこのポヨンと呼ばれるスライムはおばさんの家族の一員となったのだろう。


 ほんのひと時のまったりとした時間を楽し2人であった。

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