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セカンドハーフ~夢の後半戦~  作者: ふぉるせ
4章

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79/103

23 駒野場高校 0:1 扇大高校

 開始早々の数分で失点を許した駒野場高校。鷲田わしだはすぐにキャプテンのわたりと、御子柴達樹みこしばたつきを呼んでいた。


「亘、あの失点は気にするな。それよりは声を出して、DF陣をしゃきっとさせろ。お前は2年なんだからもっと自信を持ってプレイしていい。普段ベンチなんだからとか、そういうのは気にするな。今はお前が、駒野場のキャプテンだ」

「は、はい……!」


 開始早々の失点という事で自信を失いかける亘に、鷲田は優しくもあり、厳しくも声を掛けていた。

 続いて鷲田は、戦術的なアドバイスを、達樹にする。


「御子柴、中盤付近まで下りてきて、ボランチまではいかないけど、オフェンシブハーフの役割を任せたい。相手はこの後も攻撃を続けてくるだろう。ボールを出来るだけ循環させ、サイドに流してプレイしてくれ。中央が厚い分、サイドは緩みが目立っている。あわよくばサイドから突破を仕掛け、どうにかチャンスを生かしてほしい」

「はい!」

「試合はまだ始まったばかりだ。行けるぞ!」

「「はい!」」


 一方、そんな鷲田の指示をすぐそばで聞いていた雪乃遥人ゆきのはるとが、隣に座る涼宮透すずみやとおるに声をかける。


「鷲田先生、こう言っちゃなんだけど、体育の授業の時はいつも適当そうなのに、あれを見るとやっぱりサッカー部の監督なんだなって」

「サッカー部の時も結構適当だけど」

「……そ、そうなんだ……」

「でも、監督としては本当に尊敬している」

「涼宮くんがそう言うなら、間違いないね!」

「そこ、聞こえているぞー?」


 気づけば、ニコニコと食えない笑顔を見せている鷲田が目の前で立っており、透と遥人は慌てて姿勢を正していた。

 試合は駒野場高校のボールから再開される。

 FWにつく達樹と翔は、小声で会話をしていた。キックオフを除き、この試合でお互い一度もボールに触っていない。


蓮見はすみ。監督からの指示だ」

「お、なになに?」


 達樹がそっと、翔の耳元に顔を寄せて、


「とにかく思いっきりボールを追いかけろ。得意だろ?」

「犬か俺はっ! 俺もDF手伝った方がよくねーか?」

「まあプレスは掛けられるだけ掛けてくれ。でもお前の本領はCFで点取りだ。その分のスタミナは残しておけよ?」

「ふふふ……。俺、スタミナには自信あるんで!」


 翔は自分を指さして、得意げに笑っていた。

 それを見た達樹も、幾らか緊張がほぐれたように、思わずふっと笑っていた。


「お前はそうだったな。まだ1失点だ。これから逆転するぞ!」

「当たり前だ! 2戦敗退なんて、ありえねーからな!」

「相変わらずの謎の自信だな……」


 主審の笛が吹かれ、翔のキックオフで試合は再開される。


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