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日曜日。地区予選トーナメント、二回戦当日。初戦は50名以上の人員であったため、マイクロバス二台分で移動を行ったのだが、本日向かう人数は20名以下となり、マイクロバスも一台で事足りてしまっていた。
二回戦の舞台は扇大高校。駒野場高校と同じく、芝生のピッチだ。
「綺麗な学校だなー。さすが私立校!」
「駒野場も負けちゃいないと思うけどな」
扇大高校の駐車場につき、荷物を降ろしながら、翔と達樹が会話している。私立校とあってやはり校舎は綺麗であった。道も舗装されており、潤沢な資金があるイメージそのままだ。
「涼宮くん涼宮くん」
正式なサッカー部の一員として、同じく荷物運びを行っていた遥人が、同じように荷物運びをしている透の耳元で囁くようにしてくる。
「ん?」
「あの車だ! やっぱりあった!」
「!」
遥人が指さした先。白い高級車が停まっている。遥人が言うには、あれこそが、工場に出入りしていた怪しい車らしい。
あとはこちらが仕掛けた罠にかかっていれば、タイヤにでもガムが張り付いている事だろう。それがすなわち、あの車があの工場に訪れていた動かぬ証拠となってくれるはずだ。
「やっぱり、扇大高校の関係者だったんだ!」
遥人が並々ならぬ闘志を抱いている。
透もまた、倒すべき相手であることを改めて自覚した。
「……試合にも必ず勝つ。勝って、機会を奪われてしまった先輩たちやサッカー部の仲間の無念を晴らすんだ」
「うん。そうだね!」
「おーい! 二人とも何やってるんだ?」
達樹に声を掛けられ、透と遥人は急いで荷物を運んでいった。
扇大高校のサッカー部に借りたロッカーを拝借し、グリーンのユニフォームに着替える。扇大高校のホームユニフォームがブルーであったため、こちらはアウェイ用のグリーンのユニフォームだ。
「よかった! ユニフォーム二つとも持ってきておいて正解だった!」
翔が大喜びしている。
その一方、鷲田は直前まで悩んでいた本日のスタメンを発表するのであった。
「はーい注目! 今日のスタメン発表するよー。ま、全員ベンチ入りまでは確定してるんだけどね」
ホワイトボードをじっと見つめながら、鷲田はネームプレートを貼っていく。
「え……」
スタメンが発表された瞬間、何かの見間違いかと、達樹が目を凝らす。
「涼宮、ベンチですか?」
「うん、そうだけど?」
驚く達樹と、振り向く鷲田。前回ベンチ入りし、後半は出場した達樹と翔が順当にスタメンに名を連ねる中、透と遥人はベンチスタートであった。
「えー、マジですか、監督?」
「マジ。大マジ」
翔からも疑念の声をかけられるが、鷲田はうんと頷く。
「……」
一方で透は、無表情でホワイトボードに貼られたメンバー割を見ていた。
「涼宮くん目の前にして言うのも申し訳ないんだけど、スタミナに問題あるからね。彼には後半のジョーカーとしての役割を期待している」
「逆に前半フルで出て、もし疲れたら途中交代ってのは駄目なんですか?」
達樹が質問するが、鷲田は頑なに首を横に振る。
「いいや。涼宮くんには前半で相手の動きを見てもらって、後半のここぞという時で働いてもらう。異論はないね?」
鷲田は透に確認するように言ってくると、透も「異論ありません」と返事していた。
「無論、スタメン組で勝負を決めてきてもらって構わないし、そっちの方が良い。ただ、相手のデータもなければ戦術もわからない以上、こちらも隠し玉は残しておくべきだ」
「……まあ、そうかもですね」
達樹も納得していた。
「今日のキャプテンは亘だ。2年生として、1年生たちをしっかり面倒見るように。せっかくの機会だ。肩の荷は重いとは思うけど、期待しているよ」
「は、はい!」
キャプテンに任命された2年生の亘は、生唾を呑むようにしていた。
駒野場高校 扇大高校
スターティングメンバー
FW FW
御子柴 蓮見 野中 土田 脇
MF MF
久保田 宗像 木元 飯田 桜井 高橋 竹山
DF DF
石井 松田 鈴木 井上 寺岡 田中 塚田 倉橋
GK GK
亘 犬山
ベンチメンバー
涼宮 三浦
雪乃 小園
宮田 前川
森 三島
水渡 玉田




