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セカンドハーフ~夢の後半戦~  作者: ふぉるせ
3章

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38/48

8

 日は流れ、地区予選トーナメント初戦の対北平高校との試合、一週間前。

 学校が休みの日曜も、サッカー部としてのトレーニングのため駒野場高校に集合していたサッカー部員たちであったが、今日はロッカールームで着替えをせずに、学校指定のジャージ姿でまずミーティングルームへと集合が掛けられていた。

 ぞろぞろと、廊下を歩くサッカー部員の最後尾付近に、一年生トリオはいた。


「なんだなんだ? ミーティングルームで映画でも見るのか?」


 歩きながらかけるがなんのこっちゃかわかっていないようで、きょとんとしている。


「多分地区予選のメンバー発表だろうな。あと一週間だし」


 隣を歩くとおるが呟く。

 二人の前を歩いている達樹たつきも、だなと頷いていた。


「もうメンバー自体は決まってたんだろうけど、モチベもあるからな。ちょうど一週間前になるまでは発表してなかったんだろう」

「選ばれるかな……」


 透が不安そうにつぶやく。ここまで練習の思い出を振り返ってみても……ざんない思い出しか蘇ってこない……。

 そんな透の不安を露知らず、隣を歩く翔がいつもと変わらず、自信満々である。


「俺か? はっきり言って俺は……くくく……選ばれる自信しかないな!」


 絶対そう言うと思っていたが、なぜか余計な間を入れて、翔が自分を指さして言っている。オマケに、聞いてもいないのに。


「どうだかな……。俺も全然アピール出来なかったし、ていうか普通に強豪校クラス並みの人数の多さだし、選ばれるかわからねーな……」


 達樹も一抹の不安を感じているようだった。


「なんだよなんだよ。御子柴が珍しく弱気だな」

「今は逆にお前のポジティブさが羨ましいわ」

「もし仮に、どんな結果が待っていたとしてもだ……」

 

 透が、静かに、そっと、口を開く。


「……俺は、お前らとサッカーが出来て、楽しかった」

「と、透ー!」


 感動した翔が、透に抱き着くようにしていた。


「いや変なフラグ建ててんじゃねーよ!?」


 達樹が冷静に突っ込んでいた。

 やがて駒野場サッカー部全員が、ミーティングルームに集合。配置は前日、初戦の相手が北平高校であると発表された日と全く同じだ。

 第一声は、鷲田わしだ監督の言葉から。


「みんな、日々のトレーニングご苦労。もうわかっているとは思うが、地区大会予選トーナメントの初戦は来週だ。今日は予選を挑むメンバー20人を発表する」


 いつもの飄々とした様子はなく、そこには、背後でぼうっと輝くスクリーンを背に、真面目な表情で立つ総勢50名を引き入るサッカー部監督の姿があった。


「前もって言っておくが、仮に今回の選出から外されたメンバーもどうか腐らず、駒野場高校サッカー部の一員として最後まで一緒に駆け抜けてほしい。メンバー入りした20人をサポートするのはもちろん、彼らに選ばれた者としての自覚を与えるためにも、この場の誰一人欠けることなく全員が紛れもなく必要不可欠な存在であることは、間違いない」


 鷲田の言葉は終わり、この場の総勢50名のサッカー部メンバー全員が、無言で固唾を呑む。

 頃合いを見計らい、傍らに控える神楽坂かぐらざかが手元のタブレットを操作する。


「それでは今から、メンバー入りする20人を発表いたします。スクリーンに映った人はユニフォームを渡しますので、自分の名前と番号を確認してください」


 身を引いた鷲田の背後のスクリーンに次々と、学年と名前の顔写真、背番号が移されていく。5×4の、長方形の線に分かれ、ブロックが敷き詰められていくようだ。

 キャプテンの度會恭介わたらいきょうすけ、副キャプテンの三國颯太みくにそうたが順当に表示されていき、3年生、2年生のメンバーが次々と埋められていく。

 そしてあっという間に、最終段。最後の一列の表示へ。ここまで一年生は誰一人選ばれていない。

 薄暗い部屋の中でメンバーが表示されていく中、透は高鳴る鼓動を自覚した。

 その瞬間、一切瞬きはしていない。スクリーンから放たれる青白い光が、結末を知らせる。


[FW 御子柴達樹みこしばたつき 背番号 18]

[FW 蓮見翔はすみかける 背番号 19]

[MF 涼宮透すずみやとおる 背番号 20]


 前面スクリーンの最後尾、確かにそう、その1年生三名の名前は、表示されていた。

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