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駒野場サッカー部の一員として、紅白戦を終えた翌日。今日から正式に部員として、駒野場メンバー一員としての練習がいよいよ開始される。
一年生組はまず、改めて各種施設の説明やガイダンスを受けることとなる。改めて公立校にしては言わずもがな、私立校にすら負けていないほどの充実した様々な設備の数々に、涼宮透は胸を躍らせていた。
ぞろぞろと、総勢20人の新入部員はロッカールームに集合していた。先輩方を集めると総勢50人規模の大人数であったが、幸いロッカーは個別用のものがギリギリ足りており、個人で使用できるようにはなっていた。
「では、次にこちらを皆さんに配布します」
ここまで各施設を事細かに丁寧に案内してくれたのが、この春から駒野場高校の二年生のマネージャー、神楽坂舞である。眼鏡をかけた、知的な印象のある少女だ。
神楽坂は大きな段ボールを運んで、後輩でもある一年生たちの前に広げて見せる。
その中にはビニール袋に入った、上下セットの新品の黒い練習着が。昨日の紅白戦で、先輩たちが着用していたものと同様のモデルのものである。
「おーっ!」
御子柴達樹が目を輝かせながら、それを両手に持って広げる。
「上下2セットずつあります。もし足りなければ追加で申請しますが、人数分はあるはずです」
「これ無料で貰っていいんですか!? 本当にタダ!? 後でお金取られるとかないんですか!?」
「は、はい……無料です」
蓮見翔も物凄く喜んでおり、神楽坂が若干引いてしまっている。
「サイズもピッタリだ……」
透も自分の分を受け取り、まじまじとそれを見て呟く。
「はい。皆さんがこの駒野場高校に入学した翌日に行ってくれた身体測定のデータをもとに、一人一人の運動能力に支障をきたさないように、選別、選定したジャストサイズです」
「……え」
まだ入学して一週間も経ってないし、しかも一人一人にピッタリ合うジャストサイズ……?
聞捨てならぬ言葉をマネージャーから聞いた気がし、透はぞっとする。
一方、神楽坂は「どこか変なことでも言いましたでしょうか……?」ときょとんとなって首を傾げている。
「たった数日で全員分って……。それに、身体測定のデータって、いったいどこでそんなものを手に入れたんですか……?」
達樹も恐ろし気に、神楽坂に尋ねる。
神楽坂は相変わらずなんで尋ねられているのか、よく分かっていなさそうに、きょとんとしつつ、
「鷲田先生に頼んで貰いました。皆さんの過去の経歴、身体能力データ、上から下までのすべての身体のサイズ、国籍、信条、犯罪歴と罪状などはすべてこのタブレットの中にあります」
「えっと、いろいろ突っ込みたいけどまず犯罪歴と罪状だけ余計過ぎない!?」
得意げにふふんと、肌身離さず持っている様子のタブレットに手を添えて神楽坂が言えば、達樹が大声で突っ込む。
「すっげーですねそのタブレット!」
翔は相変わらずはしゃいでいる。
「身体のサイズにピッタリって……。上から下までのサイズって……」
透はじっと自分の黒い練習着を見つめ、続いて自分の身体をまじまじと見る。
……なにかよからぬ妄想をしてしまった、男子高校生(15歳)の思春期特有のむっつりスケベな思いで、人知れず赤面しているのであった。




