表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドハーフ~夢の後半戦~  作者: ふぉるせ
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/47

11 新入生チーム 0:3 駒野場高校

 紅白戦の後半戦の20分間が始まる直前。体操着にゼッケン姿の新入生チームと、黒い練習着の駒野場高校チームは、円陣を組んで最後の集団ミーティングを行う。

 駒野場高校側も、本番の試合さながら(一応監督の目もあるので)円陣を組んでミーティングを行っていたところだ。

 やはりその中心にいるのが、タブレットを片手に持つ度會恭介わたらいきょうすけだ。


三國みくに。ナイスプレイだった。後半もいけそうか?」

「ああ、任せて」

「よし。全員油断するな。相手が後輩だからと手は抜くなよ」

「そうは言ってもなぁ……。あんまり本気でやっても、後輩がびびっちまいますよ?」


 チームメンバーが笑いかけてくる。

 しかし度會は、険しい顔つきのまま、首を横に振る。


「この程度でびびってるようじゃ、県大会出場すら夢のまた夢だぞ? 俺たちの目標を忘れたのか?」

「いや、だからこんな試合で熱くなって怪我でもしちゃ……」

「……」


 やる気半分、流し半分といった面々が多いこの状況に、度會は小さくため息をついていた。

 後半開始――。

 新入生チームはまだまだ顔を覚えられていない者が多いが、御子柴達樹みこしばたつきと言うCFの一年は目立っており、覚えた。あとは……さっきから変なポジションに立っている、蓮見翔はすみかけるとか言う少年も。

 後半戦開始のホイッスルのアナウンスが流れ、ボールはこちら側から。

 CBの位置で戦局を見守るように立っていた度會の元へ、前線からバックパスが行われる。

 今度は翔の予想以上のスピードに戸惑うことはなく、しっかりと警戒をしつつ、そのパスを受け止めた度會は、ボールをコントロールしつつ、出しどころを探す。


(三國は)


 個人技に秀でた彼の姿を探し、首尾よく見つけるが、彼はアイコンタクトでノーのサインを出している。


(なんだ……? マークされているのか……?)


 度會は首を傾げつつ、彼とは別のMFにボールをパスする。

 ボールを受け取ったMFは、反転し前進するが、その前に相手が立ちふさがった。

 涼宮透すずみやとおるだ。


「……っ」

「!」


 強引に突破を行おうとドリブルを行おうとするが、透は彼の一手先を行くように進んでおり、気味の悪い感触で、じりじりと下がりかける。

  

「っち」


 思わず舌打ちをしつつ、MFはサイドを駆け上がって来た味方にパスを渡す。

 しかしサイドでパスを受けた味方もまた、相手のDFが二人していく手を阻んできて、行く道をなくし、たまらずバックパスを行った。


(単純突破が出来なくなったか……。この短時間で、ディフェンスラインを整えたのか……? ……まさかな)


 その様子を自陣から見守っていた度會は、まさか自分のところまでボールが戻ってくるとは思わず、慌てて受け止める。

 再度三國の方を見るが、彼はまたしても目を横に振り、芳しくない状況を伝えてきていた。


「この!」

 

 そこへ向かってくるのは、翔であった。前半の頭から全力疾走と言わんばかりの彼であったが、後半もなんのそのと言った脚力であった。

 だが技術はない。度會は冷静にGKまでパスを送り、GKは前線までボールを蹴りこむ。

 しかし――リズムが変わった。漠然と、そんな気がした。

 相変わらず圧倒的にこちらがポゼッションを握っている。得点差も3-0と大幅リードしている。こちらには余裕があるはずだが、前半とは勝手が違う。


「……」

 

 その時、なにか背筋が冷めるような奇妙な感覚を味わい、度會は生唾を呑む。

 相手陣地に目線を向ければ、誰かと目が合ったような気がして、そんな視線に、まるですべてを見透かされているような、奇妙な感覚であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ