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セカンドハーフ~夢の後半戦~  作者: ふぉるせ
2章

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20/47

6

「いいかー。一年生からすればこの試合で活躍すればいきなりレギュラーも夢じゃない。逆に2,3年は1年に負けるなんて言語同断だぞー」


 サッカー部顧問の鷲田わしだの指示により、急遽行われる新入部員(1年生)対2,3年生チームの戦い。どうやら一番早くに3人は練習場に来ていたようで、後から続々と、新入部員たちが姿を現す。

 一方で、ロッカールームからは、上級生たちのご登場だ。

 紹介しよう、と鷲田は気さくな笑みを見せ、指をさす。

 黒一色の練習着を身に纏った先頭の男子。ガタイの良い、引き締まった筋肉を宿した駒野場高校サッカー部のキャプテンだ。


「キャプテン、度會恭介わたらいきょうすけ。よろしくな、新入生」


 右腕に巻いた黄色いキャプテンマークと、自信を持った晴れやかな表情が、何よりもそれを物語る。


「ポジションはDF。そしてこっちは副キャプテンの三國颯太みくにそうた


 度會に紹介されたのは、傍らに控えるようにして立つ、細身だが長身の先輩。どちらも今年の春から三年生だそうだ。


「どうも、三國です。ポジションはMFです」


 そしてその他、先輩たちが次々と自己紹介をしてくる。

 今から彼らと戦う――。そんな事を思うと自己紹介の最中も、お互いがお互いを内心で値踏みするような、奇妙な空間となるのだ。

 一年生側も、名字だけであるが簡単な自己紹介を次々と返していた。

 新入生も合わせ、総数にしておよそ50人。1クラス以上の人数が、この練習場の芝生の上に勢ぞろいしていた。


「しっかし今年はやけに多いですねぇ」

「ワールドカップも盛り上がったからね。サッカーが人気出てるのも納得納得」


 などと、こちら側の数の多さに一部先輩たちが驚いてそんな事を言い合っている。


「鷲田先生。本当にやるんですか?」


 一方でキャプテンの度會が、鷲田に問いかける。

 もちろん、と鷲田は楽しそうに頷く。


「当然、たとえキャプテンだろうが下手なプレイをしたら容赦なくベンチ行きだから、気張って行けよー」

「は、はぁ……」


 少し困惑した様子で度會が呟く。

 そして、緊張半分、怯え半分の新一年生たちを、度會はもう一度見渡してから、こんな声をかけてくる。


「じゃあ監督から聞いた通り、今から俺たちと紅白戦を行ってもらう。当然、やるからには俺たちも本気でやらしてもらうぞ」

「そうこなくちゃな……!」


 とおるのすぐ隣で、達樹たつきがニヤリとほくそ笑む。


「いきなり先輩と戦えるって、チャンスじゃね!?」


 しょうもまた、気合に満ちている。


「……!」


 透もまた、秘めた闘志を胸に宿し、アピールのチャンスだと思い勇んでいた。


「ルールは前半、後半それぞれ20分ずつ。交代の人数制限はなしだ。戦術はそれぞれのチームのキャプテンを中心に、メンバー間で話し合って決めてくれ」


 そして鷲田は、最後にこんなことを付け足す。


「俺の教育方針は選手の自主性を尊重する。ただ、最終的に決めることは決めさせてもらうし、指示には従ってもらう。アピールのチャンスではあるが、サッカーはチーム全体で戦うスポーツだ。当然、その点も見極めさせてもらうから、意識はしてくれよな」

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