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セカンドハーフ~夢の後半戦~  作者: ふぉるせ
2章

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1

 放課後。涼宮透すずみやとおる蓮見翔はすみかける駒野場こまのば高校サッカー部に入部届を出しに行く。翔はすでに入部済みなので、正確には透が出すのだが。


「何してるんだ、涼宮?」


 夕日が差し込む廊下を歩きながら、横でスマホを触っている透の様子を覗き込む翔。


「……親に、またサッカーをやりたいって言っておかないと」


 透は親に向けて、サッカー部に入部する意向を伝えていたのだ。

 

「礼儀正しいな」

「もともと俺が小学校の時の¨我儘¨でやめたようなものだし。それがいきなり高校でまた始めたいって、親にも失礼だし」

「へぇー。今はめちゃくちゃクールなのに、小学生の頃は結構やんちゃだったり?」

「……逆に今の俺ってクールなのか……?」


 透が訝しく翔に尋ねると、当の翔もどこか歯切れ悪く、明後日の方を向いていた。


「えっと……いや、普段っていうか試合中は……いや、悪いぜんぜんクールじゃないかも」

「せめて貫こうそこは。いや、貫かせてくれ」


 透はげんなりしながら言葉を返す。まあ自分でも、試合中は人格かわっているなぁとは思うので、否定はできないのだ。

 親への報告メールを送った透は、逆に質問をする。


「逆に駒高のサッカー部ってどうなってるんだ? 最初まったく入る気なくて、全然調べてもなかったんだけど。こういっちゃ悪いけど」


 翔は両手を頭の後ろに回し、気楽そうに答える。


「まあこの高校自体割と新しめだけど、サッカー部はさらに出来立てほやほやって感じかな。設備は新しいんだけど、大会入賞歴は驚異の無し!」


 それがさも誇らしいことのように、翔は言う。

 大会入賞歴がないこと自体は、透にとってもさしも驚くことではなかった。

 埼玉は日本有数のサッカー人気な県の一つだ。浦和や大宮など、強豪校も多い。無論本気でプロを目指すような人物や逸材は、挙って強豪校へと進学を果たし、そこから飛翔するのだ。


「でもだからこそ俺たちで、この駒野場高校に新しい風を吹かすんだ!」


 大きなガッツポーズをして、翔は言い切っていた。

 やがて二人が向かった先は、職員室。

 入ってすぐ、一年生体育の授業担当であり、駒野場高校サッカー部顧問である鷲田純平わしだじゅんぺいの元へ向かう。しかし彼の元へ向かう道中、見覚えのある背中がすでに鷲田の前に立っていることに気が付く。


「あいつ……」


 翔が呟く。

 透も、あっと驚いていた。


御子柴みこしば?」

「ん?」


 こちらの声に気が付き、同クラスの少年が振り向く。

 その奥では、鷲田が眼鏡を持ち上げて、こちらの様子を伺っていた。

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