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始まりの森で無双してんじゃねえよ

火炎竜巻(ファイアストーム)! 氷雪竜巻(フロスト・ブリザード)!」


 森の木々は吹き飛ばされながら燃え盛る炎に焼き尽くされ、スライムたちは氷漬けになり上空まで飛ばされ、バラバラに砕け散った。




      〜ここは始まりの森〜


 いくつかある初期スタート地点の一つである。


 そこに場違いな初期装備の冒険者が1人、森を壊滅させていた。


「いやー、魔法はやっぱりすごいなぁ、今の時点でも戦闘能力だけなら前世以上だねぇ」


 前世では、大商人として莫大な富を築いたクレアは何やら魔法を試し打ちしていた。


「炎、水、土、風、そこから派生する他属性の魔法も使えるみたいだね、すごいなあこの【全魔法習得(チートスキル)】は」


 クレアはスキルブックのページを次々と開きながらチェックしていく。彼女は前世では魔法型では無かったので、魔法を使ってみたかったという願望が強く魔法スキルの詳細を嬉しそうに眺めていた。


「アタシのスキルページ、いっぱいありすぎて覚えらんないなぁ、しかし魔力がやたら強いと思ったら基本魔法力スキルもカンストしてる、まだ全然レベルあげてないのにね。とりあえず町に行って杖でも買おっかなー」


 そして彼女はテレポートスキルを唱え、最寄りの町に飛び去った。


☆☆☆


「行ったか? はぁ~~まったくメチャクチャやりやがったなあいつは。こんなところで無双してんじゃねえよ」


 そう言って大きな岩の後ろから恐る恐る顔を出した。転生して目を覚ました俺の目に飛び込んできた光景は悲惨な物だった。


 俺は運良く超硬い石の裏に隠れることができて巻き込まれなかったが、クレアは現れていきなり大魔法をブッパなし始めたせいで辺りはひどい有様だ。


「なんであいつあんなにたくさん魔法つかえんだよ、どうなってんだ! しかもそこら中にぶっぱなすしよー」


 クレアは多少オテンバなところがある女だった。まあ俺のギルドは全員そんな感じだったが。彼女はギルド内の財務担当で、お金の管理を任せていたいわば裏方の役割だった。頭が良く商売上手なやつで、皆から集めたギルドマネーを運用して上手く商売をしてくれていた。


 しかしまさに強くてニューゲームをしていたクレアを見て、羨ましかった。今の俺はゴミスキル1個だけで転生した身なのでほぼ初心者と変わらなかった。


「やべえ、終わってんな俺、なんとかしないと」


 とにかく状況の把握と情報収集のために町を目指すことにして歩き出した。ここは転生初期地点だからすぐ近くに町があるだろうと思った、異世界なんてどこも同じようなもんだからな。


 そうして、俺は始まりの森を進み始めた。





クレア【大商人】

性格はやんちゃで、明るい、あほかわいい一面もある


パーティメンバーのレアドロップの取引を一手に請負い、売上をピンハネし財を成した


「やったー、アタシすごい魔法スキル引いちゃった笑」


SSRスキル【全魔法習得】を手にして全ての魔法を使えるようになる

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