リセットしてガチ初心者になる
10人全員がレベルカンストで最強装備持ちのパーティの俺たちは女神たちに対しても態度がでかかった。女神たちはそんな俺たちを疎ましく思ってるはずで、異世界転移したいという俺たちを、厄介払いできるとさぞかし喜んでいることだろう。
「そこまで強くなったのにやり直しですか。わかりました。転移機能の最初の利用者である、あなた達にはサービスがあります。それはスキルガチャです!」
女神様がとびっきりの笑顔で言うと、──お?と場がどよめいた。
「異世界に転生するにあたり、あなた達の財産と装備は没収され、レベルとスキルもリセットされます。なのでまたレベルをあげて職業固有のスキルは獲得してください。ですが最初から1つだけスキルをプレゼントします」
「スキル? 1個だけか?」
「はい。ただしSSRスキルですよ! もちろんすごいスキルばかりです! しかもジョブに関係なくスキルを入手して使用することができますよ!」
「おもしろそうだな! 戦士でも魔法使いやヒーラーの最上級スキルが使えるようになるのか!」
みんないろんな考えを巡らせ口にしたが、ほぼ決まりだった。全ての最強装備を入手した俺たちがスキルだけは職業にあった最上級スキルしか持ち合わせて無かったため、SSRスキルというのはまさにチート級で魅力的だった。
そして手続きが始まり俺たちの装備と全財産は女神に没収された。俺の手持ちゴールドは100億ゴールドほどあった。全員のゴールドを合わせると2000億ゴールドを超えていた。
「随分と溜め込んでたやつがいたもんだな?」とジャックが皆の顔を見回す。こっち見んな、俺じゃねえよ。
「それはこちらのセリフですよ、あなたたちよくもまあこんなに溜め込みましたね?」
女神が引きつったような笑顔を見せる。何やら不満げだ。
「なんだ? その言い草は? 世界のために頑張ってきた俺たちに対してよ!」とジャックが女神に突っかかる。頼むから黙ってろよ。
「あら、あなたたちの装備はもう無いしスキルはリセットされてますよ?つまり初心者同然です。いいのですか?女神である私にそんな態度を取って」
「おい、女神! 魔王を倒したことを言いふらされたいのか?そしたらお前らの存在意義も薄くなって困るんだろうが!」とジャックが女神に食ってかかった。
「ぷっ、今のあなたのような初心者の冒険者が魔王を倒したなんて言っても相手にされませんよ?」
「ジャックさん、大人しくしましょう。私たちにはもう何の力もありませんよ」とノエル婆さんがジャックに注意をした。さすが年の功。
「っけ、くそったれ」
この女神、俺たちの装備がなくなった途端、急に態度を変えたな。
俺たちは今まさに、素の状態になっている。力関係はみんな平等だ。しかしなんだろう?何か見落としてる気がする。この選択は正しかったのか?
「はい、じゃあ順番にスキルガチャ引いちゃってくださーい」と言って女神は魔法でガチャガチャの機械を作り出した。なるほど、スキルガチャってこんな感じなんだな。
俺は後ろで様子を見ながら最後に引こうと考えていた。
「ほ〜ら、早く引いた引いた」
女神が気だるそうに案内している。
スキルガチャの内容はガチャガチャを回して、出たカプセルに入ってる紙に書いてあるようで、みんな何が出たかは言わなかった。
「やったー、アタシすごい魔法スキル引いちゃった笑」とクレアが喜んでいる。
ほとんどがガチャを引いても不安げな顔をしてる者が多かった。なんで皆黙ってんだよ。
そしてようやく俺の番が来てガチャを引いた。
【拾い食い】
なんだこりゃ?ハズレスキルじゃないのか……
「はい、では魔法陣へどうぞー」
──まじか……
マスター【勇者】
この物語の主人公で性格は明るく勇敢
最初期からの転生組であり、古参としての利点を活かし強くなった。今の仲間と共に世界を救ったが強くなり過ぎて目標を見失った
「身体能力の数値が限界を超えている俺の体は全身凶器だ」




