実力不足!?
「いやー、よく眠れたぜ。おはよークレア」
「おはよーマスター、こんなジメジメした地下でよく眠れるね。すっかり寝不足だよ」
「でも初日から泊まれる所確保出来てよかったな。このままグリトニル騎士団に入っちまうか!」
「どうゆうこと? マスターはまたマスターになるんだと思ってたけど。私は他の組織に所属するのはなんかやだなあ」
クレアは嬉しいこと言ってくれるなあ。また俺の作るギルドに入ってくれるみたいだな。
「いや、なんていうかとりあえずここにいさせてもらえば、しばらくは飯と寝床に困ることないんじゃないかなーって」
「寄生させてもらうってことね」
「ちょっとの期間だけだぜ?」
「初心者が手っ取り早く実績を積むにはそれが一番よね。じゃあそうする?」
「うん、そうしよう。まあ先信頼を得るために今夜の任務をとりあえずこなすのが先決だな」
ポツポツと臨時パーティメンバーも起きてきたところで、ようやくリーダーのエルガンドが俺たちの所にやってきた。
「諸君、今はまだ朝の九時だ。夕方の出発まであと7時間ほどあるが、君たちの技量を見たいので、ここで装備の確認をしてから地上に出て簡単な実習を行いたいと思う。」
今のうちに一人ずつエルガンドに装備を見せることになった。俺とクレアは見せるほどの装備を持ってやしないんだがな。
「えーっと、俺は武器は持ってない。防具も昨晩もらったこの修道服だけだ」
「私も武器は持ってません。防具はこの皮の服です」
「おい、こいつらナメてんのか? エルガンドさんよ、こんなヤツら役に立つと思うか?」
メンバーの一人がそう言うと、他のメンツも同様に頷いて呆れている者がいた。
「どんな者にも役割はある!例えば……」
「例えば囮とかな!」俺はニヤリと笑ってそう言った。
「なんだと?」
エルガンドは怪訝な顔で俺を見た。
「あ、冗談だけどね」
全然冗談の通じる雰囲気じゃなかった。そりゃあ命懸けだもんな。俺は前の世界で無双し過ぎたせいで感覚が少しおかしいみたいだ。気をつけないといけないな。
「あの、一応大魔法使えるんで、殲滅役として期待してもらえればなーって」
俺の使える唯一の魔法、暗黒隕石の威力は凄まじいものだ。魔力がまだまだの俺でもまともに当たれば大ダメージを与えられるはずだ。
「お前が大魔法? 寝言は寝て言えよ。杖も持ってねえやつがなんで大魔法なんて使えるんだよ」
一人が俺にツッコミをいれてきた。まあもっともな意見だ。
「杖は高くて買えなかったんだよ! でも魔法が使えるのは本当だぜ。あとで見せてもいい」
「杖の1本も買えない、ろくに金も持ってない初心者が大魔法使えるって言われてもな」
「まあまあ、あとで実力は確かめさせてくれ、必要なら杖の一本くらい経費で買ってやってもいい」
エルガンドさんがそう言ってその場を収めてくれた。




