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俺と獣の異世界攻略  作者: かもの=はし
3/5

汝に白き鳥の加護を

 状況を整理しよう。俺はどこか分からないところに倒れていて、コインや指輪が落ちてたから拾って、人を探すために森を歩いていて、そんで今見たこともない化け物に襲われているってわけだ。急展開過ぎて訳がわからない!・・・と文句をこぼしたのはほんの数秒前の話で、今俺は何をしているのかというと化け物に追いかけられているので必死に走って逃げています、はい。

「ブロォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

化け物は咆哮をあげながら俺を追いかける。化け物は牛のような顔に羊のような角を生やし、馬の胴体をもっている。どれも草食動物がベースなので怖がる要素がないように見えるが問題はそこではない。二足歩行で片手には大きな斧のような鋭利な物を振り回しながら襲われれば誰だって逃げるだろう。

これ絶対殺されるし!トラックに轢かれて死んどいてなんだけど切り殺されるのは流石に嫌だ!

それにしても俺こんなに足速かったっけ?それに全然疲れないぞ?これが火事場の馬鹿力というやつなのだろうか。あとはこの状況を打破できれば問題ないのだけど。

「こういうときっ漫画とかではさ!力に目覚めるとかあるもんだろ!なんかないのか!?」

あいにく俺は武器らしい武器を持ち合わしてはいない。今持っているのはどこで使えるのかも分からない金のコインと換金できそうな指輪が2つ・・・指輪?そういえばあの指輪に刻まれた文字って呪文だったりしないかな?一か八かの賭けだがどうせこのまま逃げ切れる確証はない。ならばやってみるか。

俺はその場で急停止し化け物の方を向き、中指にはめた白い指輪に力を込めて

「キグナス!!」

と叫ぶと、指輪から眩い白い光が放ち俺の体を纏うように包み込んだ。まさか!本当にできるとは思わなかった!何事もやってみるもんだ。さて武器なり飛び道具なり何でもいいから出てこい!

しかし俺の期待を裏切るかのように光は段々と弱くなっていき何も起こらないまま完全に消えた。

「うそだろ!?」

ただ光るだけなんて使えなさすぎる!もう一方の方も試そう___とした瞬間目の前で何かが振り下ろされる。それが何かも確認できないまま鋭い痛みと同時に美しいとさえ思えるような赤い鮮血が飛び散っていた。そして俺は力なく倒れこんだ。

「・・・っはぁ・・・!」

胸にズキズキと激しい痛みがある。呼吸も荒々しくなっていく。ドクドクと脈打ち出血しているのが見なくても感じる。この時俺は化け物に喉から腹部にかけて切りつけられていた。俺はどうなるんだろう。無残な死体にされるんだろうか。また死ぬのかな。結局何が起こっていたんだ。車に轢かれたときせっかく楽になったと思ったのに気が付けば知らないところにいて、こうして化け物に殺される。胸の痛みなんて・・・あれ?胸の痛みがない。馬鹿な、確かに俺はさっき切られたはず。飛び起きて確認すると確かに制服は切り裂かれ俺の血もべったりと付いている。しかし傷は見当たらない。何が起きている?回復でもしたのか?馬鹿なそんなわけがない。それになぜ・・・

_指輪から眩い赤い光が放ち俺の体を纏うように包み込んだ_

まさか、いやでもこれしか考えられない。しかしもしこの指輪に回復効果があるとするならば説明がつく。本来なら信じがたいが、こんなにも不思議なことが続いてくらいだ。これ以上不思議なことが起きても驚きはしない。

化け物はというと仕留めたはずの獲物が動き出して動揺しているようだった。俺はこの隙を逃さず後ろに跳躍して化け物と距離をとった。俺の考えが正しければもう一つの指輪も文字を唱えれば何かアクションがあるはずだ。

「神でも女神でもいい。お願いだ、一度くらい奇跡を起こしてくれ」

俺は人差し指にはめた紫の指輪に力を入れた。そして祈るように力ある声で唱えた。

「来てくれ、モノケロス」

俺は眩い紫色の光に包まれ具現化したそれを強く握りしめた。


続く



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